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芸能

『サウンド・オブ・ミュージック』の秘密

映画の中での名作にはいろいろあるが、今でも色あせない名作も存在する。その名作の一つとして1965年に公開された「サウンド・オブ・ミュージック」がある。ミュージカル映画の傑作である作品がいかにして今も人気があるのだが、映画評論家・批評家の間では「通俗的すぎる」と評価は低い。 とはいえ今もなお語り継がれているのには、いったいなぜなのか、本書はその秘密について取り上げている。 第1章「導入部の魔術」 作 […]

藝、これ一生―米朝よもやま噺

落語界史上2人目の人間国宝で、上方落語における「中興の祖」の一人だった三代目桂米朝が今年の3月19日に逝去された。はんなりとした語りのなかで描かれる落語が非常に面白く、数多くの落語を掘り起こし、さらには多くの弟子を育て上げ、上方落語の復興に身を捧げたと言っても過言ではない。 桂米朝が晩年、自らの芸、弟子、上方落語のこれまでとこれからについて「聞き書き」という形で残したのが本書である。 <看板、一枚 […]

盤上の人生 盤外の勝負

現在「将棋電王戦FINAL」が行われており、ネットの世界でも将棋が色濃く認知されている。その現実について一昨年著者も電王戦のコラムとともに、取りあげられていたことが印象的である。ちなみに本書の著者は今年1月末に他界した。将棋棋士としての人生以上に観戦記者、作家としての認知度が高く、将棋の知らない方々に文章でもって伝えた功労者と言っても過言ではない。同時に、多くの闘いを見続けたことで、本書のような一 […]

笑いの日本文化―「烏滸の者」はどこへ消えたのか?

「笑い」というと日本では、落語・漫才・喜劇などが挙げられる。そう考えると日本文化には必ずと言っても良いほど「笑い」が根付いている。しかし本書は漫才や落語を取り上げている訳では無い。「烏滸(おこ:おろかなこと。ばか。たわけ。)の者」について取り上げているが、簡単に言えば、落語の世界で言う所の「与太郎」、のような存在なのだが、元々民俗学者の柳田國男が、 「進んで人を笑わせ、楽しませる者のことであり、さ […]

小津安二郎文壇交遊録

日本を誇る映画監督は数多くいるのだが、その筆頭には「世界のクロサワ」と言われた黒澤明氏がいる。その黒沢氏とほど近い、あるいは対をなす存在として戦後映画を支えてきた名監督・小津安二郎氏がいる。小津氏の映画には「東京物語」「秋刀魚の味」などがある。それと同時に、北鎌倉に住んでいたこともあり、当時の鎌倉文士たちとの交流もあった。本書は戦後における日本映画を支えてきた小津氏の映画の参考となった読書、そして […]

「メジャー」を生みだす マーケティングを超えるクリエイターたち

角川書店 岸山様より献本御礼。 マンガやアニメ、さらには歌などのカルチャーを「サブカルチャー」と呼ばれるのだが、数年前から論者によって、「ポップカルチャー」と呼ばれる事がある。そういったカルチャーが「オタク」と呼ばれる方々のために作られることが多かったのだが、現在ではオタクを対象とせず、いわゆる普通の人を対象にした、「メジャー」と呼ばれる様なものも数多く作られている。 本書は今を担う音楽・マンガ・ […]

舞台の神に愛される男たち

舞台というと色々あるのだが、本書では演劇や歌舞伎と言った数多くの人々が彩る所を「舞台」と定義している。その中では主役が最もスポットライトを浴び、演技をこなしていくのだが、そのこなしていく中で「名脇役」とも呼ばれる人物もいる。もちろん名脇役と呼ばれる方々の中には主役を張っていた時期もあり、その経験から脇役として主役を支えている人もいるのだが。 本書はその舞台で脇役としても主役としても支え続けていた名 […]

センス入門

「センス」と言っても、ちょうど今夏頃にあおぐものではない。言うまでもないのだが、「絵」や「音楽」「舞踊」などの「美しさ」などを決める、もしくは選ぶ基準のことを指す。「センス」を直訳すると「感性」と定義されるのだが、それをどのようにして磨くのか、自分自身も含めて明確な正解は「無い」と考えていた。 しかし、センスにも磨くために最低限必要な事が存在している。その入門と言えるのが本書であり、最低限の事を身 […]

賭ける魂

「ギャンブル」と言うと「お金を賭ける」と言うイメージが強いのだが、その「賭け」は決して「お金」ばかりではない。プライドや勝負観など、賭ける人そのものを賭けているのかも知れない。具体的にどう言うのか、自分自身でも上手く書くことは難しいのだが、自分自身ギャンブルに限らず、勝負に対して様々な「賭け」を行っている(もちろんお金を伴わないが)。その「賭け」とは人間の中のどこに来ているのか、そして私たちはお金 […]

お座敷遊び~浅草花街 芸者の粋をどう愉しむか~

浅草で「遊び」というと色々と出てくるのだが、中には「お座敷遊び」と言うのも存在する。「お座敷」に近いもので言うと、京都の花街(上七軒、祇園甲部、祇園東、嶋原、先斗町、宮川町)や大阪の花街(北新地、南地(ミナミ)、堀江、新町)などの「お茶屋」において、食事をしながら芸妓を呼んで客に芸を披露したり、飲食をさせたりするのと似ている。(最も近いものとして「待合」というのが存在する) お座敷とお茶屋両方に存 […]