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音楽

<第九>誕生~1824年のヨーロッパ

今年も残すところあと3週間ほどになった。「年末」となると、日本クラシック界では、いつものように演奏されるのがベートーヴェン作曲の交響曲第9番、通称「第九」である。なぜ日本では「第九」が年末を中心に行われるのか、その謎を紐解いてみると戦後間もない時にオーケストラが財政難だったのだが、年末に第九を演奏したら大盛況だったため、それに倣い、多くのオーケストラが年末に第九を演奏することになった事から定着した […]

指揮者の役割―ヨーロッパ三大オーケストラ物語―

オーケストラにおける指揮者は、演奏はしないものの、演奏者と演奏を統率する役割を持つ。そのため指揮者に要求されるものは音楽性のみならず、曲そのものの解釈をどうするのか、という判断力や分析力も問われるので、演奏者以上に気を遣う役割とも言える。本書は指揮者の役割について世界でも名だたる管弦楽団を3つ紹介している。 第一章「指揮者なんて要らない?―ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団」 「音楽の都」と呼ばれ […]

モーツァルトを「造った」男─ケッヘルと同時代のウィーン

私自身クラシック音楽を鑑賞する趣味があるのでヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(以下:モーツァルト)については何曲か知っているし、生涯について数多くの評伝があり、中には映画化されたものまである。「神童」や「天才」というものを欲しいままにしてきたモーツァルトであるが、実際にそれを有名に仕立て上げた立役者が存在するという。 その男名前は「ルートヴィヒ・フォン・ケッヘル(以下:ケッヘル)」。ケッヘ […]

ピアノはなぜ黒いのか

うんちく本なのかもしれないが、私自身吹奏楽やオーケストラなどの音楽活動をしていた時にふと疑問に思っていたこととして本書のタイトルのようなものを連想する。ちなみに「黒い」というのは外観のことであり、中身の鍵盤は白と黒とがある。さらに、音が出る弦の部分に行くと、着色されていない部分が多い。 いろいろなピアノを見るとほぼ全部外観が「黒」なのだが、これにはどういった経緯があり、理由があるのだろうか。本書は […]

指揮者の仕事術

仕事術と言っても本書はビジネスマンではなく、「指揮者」という仕事の「仕事術」である。指揮者というとオーケストラなどで指揮棒を振る所を見かける方も多いようだが、実際に指揮者はリズムだけではなく、表現などの色彩の指示を出している。もちろんそれぞれの音についても知る必要があるのだが、他にも「曲の解釈」をはじめ、演奏家以上に曲を知る必要があり、ほかにも演奏家たちとの対話も重要視される。ビジネスの世界で言う […]

歌謡曲――時代を彩った歌たち

今でこそ「J-POP」と呼ばれる様なジャンルとなっている日本の歌だが、当時は「歌謡曲」と呼ばれていた。日本人ならではの歌詞とリズムが、日本の歌、ひいては流行を作り、本書のタイトルにもあるように時代を彩ったと言われても過言ではない。私は80年代に生まれていて、初めて曲に触れたのは「J-POP」の時代になってからなのだが、高校か大学のときから歌謡曲にも目覚めて、TSUTAYAでCDを借りては録音し、個 […]

北のはやり歌

日本の歌謡曲の中には「春夏秋冬」と言うような季節もあれば、具体的な地名を挙げて、その場書の風情を表している曲もある。本書は「北」をテーマにしているのだが、決して「北朝鮮」ではない。北海道や東北などの「北日本」、あるいは北日本からやってくる、あるいは北日本に行く時のことを歌にした曲の中で大ヒットした作品10曲を紹介しつつ、なぜ「北」が流行するのかそのメカニズムについて迫っている。 第一章「リンゴの歌 […]

フランス的クラシック生活

私は大学生の頃にオーケストラのサークルに所属していたことだけあって、クラシック鑑賞は今でも趣味となっている。それ以前にも吹奏楽を行っていた経験もあり、その関連からクラシックに関わっていた。それに関連しているせいか、本書を手に取ってみた。 本書はフランスで生まれたクラシック、というよりもフランスとクラシック音楽との関わりについてフランス人の著者がクラシック音楽祭「ラ・フォル・ジュルネ」を通じて語って […]

音楽とは何か-ミューズの扉を開く七つの鍵-

「音楽とは「音」を「楽」しむためにある」 これは私が高校時代、吹奏楽部の先生に教わった言葉である。音楽の世界を去ってからもその言葉は今も信じている。 私は中学・高校と吹奏楽を、大学ではオーケストラの部活やサークルに入り、音楽漬けの毎日だった。もっと言うと小学5年生からの器楽隊も含めると、実に12年もの間、傍らにはいつも「音楽」が会ったように思える。 その「音楽」とはいったい何なのか。今ではクラシッ […]

カラオケ化する世界

日本でも憩いの場として、あるいは練習の場として「カラオケ」を利用する人が多い。最近では「一人カラオケ」も人気がでてきており、専用のカラオケボックスも出てきた。 日本に限らず世界中でカラオケは広がりを見せ、かつ愛されているのだが、本書はそれらを社会的見地から追っている。 1.「誰がカラオケを発明したのか?」 そもそも「カラオケ」は「いつ」「誰が」誕生させたのか。それ自体諸説あり、しかも「特許権」を巡 […]