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芸術・スポーツ

僕らはつよくなりたい

今年の甲子園は選抜・夏を通して大阪桐蔭の年だったと言えるほど、強さが際立っていた。とはいえ他の高校も「勝ちたい」「強くなりたい」という一心で戦っていたのが印象的であった。 中でも東日本大震災の災厄にもめげず、野球に青春をかけた東北勢のひたむきさには多くの観客・視聴者に感動を呼び起こしたと言っても過言ではない。 本書は震災から間もない時期に開催された春のセンバツにおいて、強豪・東北高校について追って […]

哲学者クロサキの哲学する骨董

私たちの世代だと「骨董」というとピンとこない人が多いかもしれない。何せ美術品などの「物欲」そのものが薄れてしまっている。 しかし「骨董」にかぎらず美術・芸術のものには、言葉にできないほどの「美しさ」がある。その「美しさ」に魅入り、さらに骨董を集めるようになる。 「骨董」を哲学すること。その「骨董」に魅入ることのできるメカニズムを本書では解き明かしている。 第一章「骨董と美」 「美しいものは美しい」 […]

角界モラル考―戦前の大相撲は「おおらか」だった

近年は「モラル」や「八百長」などで騒がれている角界であり、かつ横綱白鵬が一強時代を築いたが、それが崩れ始めいよいよ戦国時代と呼ばれるようになり、だんだん面白くなってきたとも言える。 そもそも角界は「神聖」なものなのかと思ってしまうが、本書を読むと「高潔」かつ「神聖」な存在の相撲のイメージが崩れる。しかしなぜ「神聖」で「高潔」なものになっていったのかがよくわかる。 戦前、戦後間もない時、そして現在の […]

「ドーハ以後」ふたたび 世界から見た日本サッカー20年史

今年日本サッカーの幕開けとして知られる「Jリーグ」が初めて開幕して20周年を迎える。 昨今では関塚ジャパンが44年ぶりにベスト4に進出したものの、その44年前の因縁を持つメキシコと対戦したが、惜しくも敗れ、さらに次の3位決定戦には宿命の韓国戦となったが完敗し、44年ぶりのメダル獲得とまではいかなかった。 本書は20年もの歴史を日本代表監督毎の時代を振り返りつつ、これからの日本サッカーについてを見出 […]

オリンピックはなぜ、世界最大のイベントに成長したのか

先週からロンドンオリンピックが開幕した。昨日ようやく金メダル第一号が出てきはじめ、サッカーや体操、アーチェリーの分野でも活躍を見せた。 話は変わり、近代におけるオリンピックは1896年、ギリシャのアテネで開催されてから約120年にも及ぶ歴史がある。 そのオリンピックは「スポーツの祭典」として扱われる一方で政治利用の象徴として扱われることがある。昨今ではシリアなどの停戦協定での「五輪外交」と呼ばれる […]

日本遊戯史―古代から現代までの遊びと社会

日本における「遊び」の歴史は長く、とりわけ「将棋」や「囲碁」の歴史について、諸説はあるが多くは奈良時代から伝えられたと言われている。 元々は庶民の遊びだけではなく、武士や貴族の遊びとしてもあり、御前対局も行われるほど盛んなものであった。 本書は「囲碁」や「将棋」に限らず、様々な「遊具」や「遊戯」にまつわる歴史を紹介している。 第一章「遊びの伝来と定着」 「遊び」そのものの歴史は人間が生まれた歴史と […]

落語の達人~この噺家を忘れてはいけない!

「落語の達人」というと五代目古今亭志ん生や八代目桂文楽、六代目三遊亭圓生などが挙げられるが、本書では落語をあまり知らない人でも「名人」と呼ばれるほどの落語家をさしておらず、むしろ「通」と呼ばれる方々がファンにとって印象に残る落語家の中から3人を取り上げている。 <五代目 柳家つばめ> 元々の名跡は「柳家つばめ」であるが、本章で紹介される五代目の次である、六代目だけは「柳家つば女」という名跡だった( […]

図でわかるPAの基本~コンサート、ライブエンジニアを目指すための

「PA」という職業は始めて聞く。本書の表紙にもあるのだが「Public Address」の略で、直訳を行うと「公衆(電波・リアル含めて)に伝達をする」という。伝える手段として「音響」の仕事がある。主にライブやコンサートの音響のコントロールをする技術職である。 本書はPAのめくるめく世界について紹介している。 1.「PAの世界」 「音響」の仕事と一括りに言っても、ライブ・コンサートのみならず、放送や […]

魂のゆくえ アースマラソン766Days

吉本興業の芸人として有名である間寛平氏が2008年12月から2011年1月にかけて地球一周をマラソンとヨットでまわる、「アースマラソン」を立ち上げた。本人曰く「目立ちたいから」という理由であるが、フルマラソンどころか245.3Kmもの距離を走るスパルタスロンを3度完走するほどの実力を持っていることから、「アースマラソン」を考案し、実行したのかもしれない。 本書は766日続いたアースマラソンの記録を […]

ライブシーンよ、どこへいく

現在J-POPの世界ではAKB48やEXILEなどが旋風を巻き起こしているが、シングルやアルバムのCDは全体的に落ち込んでいる。しかしそれとは対照的にライブ公演が反比例するように右肩上がりを見せている。ライブ独特の臨場感と好きなアーティストを生で見ることのできる興奮が魅力的なのかもしれない。 本書はライブそのものの現状と可能性、そして未来について考察を行っている。 第1章「予定調和のパフォーマンス […]