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芸術・スポーツ

新作らくごの舞台裏

昨年の11月末に噺家の三遊亭圓丈が逝去した。76歳だった。 圓丈の師匠である六代目三遊亭圓生が存命だった頃は古典落語が中心だったのだが、圓生が逝去してからは「実験落語」と称して、様々な新作落語を演じ、新作落語の旗手として名を馳せた。その活躍は現在の落語芸術協会会長である春風亭昇太や、圓丈の弟子である三遊亭白鳥ら新作落語を積極的に演じる方々に多大なる影響を与え、なおかつ今日の新作落語の土台を創った存 […]

コーチングの哲学―スポーツと美徳

ビジネスの世界にも「コーチ」があるが、もっともコーチング自体はスポーツの中での所が有名である。それはクラブチームなどの団体において、指導をする立場、あるいは方向性を示す立場として「コーチ」は存在する。本書はあくまでスポーツにおけるコーチ、もとい「コーチング」とはどのようなものか、そのことについて取り上げている。 第1章「コーチングを哲学する」 世界的に有名なスポーツの「コーチ」はゴマンといる。もっ […]

昭和の名人この一席

噺家の世界において「名人」と呼ばれる人は数多くおり、時代と共に変化していく。ごく最近で逝去した方でも十代目柳家小三治は昭和から令和にかけての「名人」として知られていたほどである。 本書はあくまで「昭和」にフォーカスを当て、どのような「名人」がいたかを取り上げ、特に印象に残る演目も含めて列挙している。 第1章「大正から昭和初期の落語」 戦前の噺家にも名人は数多くいるのだが、本章では昭和初期もさること […]

カンカラ鳴らして、政治を「演歌」する

歌の世界では「社会風刺」もしくは「批判」なども行われる事も多々ある。昨今のポップスでも、それを行っているアーティストも少なからずいる。 所変わって歌の世界でも様々なジャンルがあるのだが、本書で紹介する「演歌師」は明治末期から昭和にかけて広まった職業であり、現在ではほとんどいない職業である。よくある演歌歌手とは違い、大道を流し歩く、あるいはキャバレーなどの店を流れ歩き、即興で演歌を披露するといった方 […]

スポーツする人の栄養・食事学

スポーツを行う方々は練習を行えば良いかというと、実はそうではない。むしろスポーツとその周辺の「生活面」「精神面」にも色濃く影響を受ける。本書は中でも「生活面」の中で「食事」「栄養」にまつわる部分を取り上げている。 第1章「からだにいい食事や栄養とはなにか」 食事は「バランス良く」食べることによって健康的に生きる、あるいは行動をできるようになる。これはスポーツでも例外ではないのだが、スポーツの場合は […]

その落語家、住所不定。タンスはアマゾン、家のない生き方

泥棒しろ、ただし、俺の家は駄目だぞWikipediaより抜粋 これは著者の大師匠である七代目立川談志が弟子に対して言った言葉である。もっとも噺家はまっとうな仕事・発言などを行ってはならず、なおかつまともな生き方をするなということを意図して発言したのかも知れない。 そう考えるのであれば、その発言に対して忠実に行った孫弟子が本書の著者と言えるのかも知れない。 著者は噺家としては珍しい家を持たない。もっ […]

スポーツ現場における暑さ対策ースポーツの安全とパフォーマンス向上のために

今でこそ、季節は秋になり、やがて冬となるため過ごしやすい。場所によっては「寒い」と言える所になるが。しかしながら今年の東京オリンピックは記録的な高温で「暑さ対策」が求められることが多かった。とりわけ競歩やマラソンに至っては札幌市で行われたのだが、そこでも記録的な暑さによる途中棄権が続出したという。 もっともマラソン・競歩のメダリストを獲得した方々は速さと言うよりも対策を行った事による「強さ」が際だ […]

拡張するキュレーション 価値を生み出す技術

「キュレーション」と言う言葉を聞くと、どのようなものなのかと疑問にもつ人もいるかもしれない。悪い面で言うと2016年にDeNAのサイト「WELQ」の投稿を発端とした「キュレーションサイト問題」が記憶に新しい。そう考えるとキュレーションというと悪いイメージを持たれる方もいるかもしれない。 ただ、根源的に「キュレーション」とは何かというと「curation」という綴りであり、 テーマや特性などに基づい […]

寄席の底ぢから

ここ最近、ニュースで寄席の話が出てきた。それは東京都内で3回目の緊急事態宣言が出る直前に休業要請が出たのだが、「社会生活に必要なもの」と主張し応じず、通常通り続ける方針だったが、一転5月1日から休業することに踏み切った(12日に再開済み)。また寄席の文化を廃れさせないために、ゴールデンウィークの1日だけ、無料で生配信をやった。 このニュースを通じて、寄席は社会生活に必要なのかという議論があったのだ […]

言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか

M-1は2001年からスタートし2011年から2014年までの休止期間はあったものの、現在もなお続いている。なお優勝者のほとんどは吉本興業であり、それ以外の芸人が優勝したのは過去に3組しかない(最後に受賞したのは2007年のサンドウィッチマンである)。20年ほど歴史のあるM-1はなぜ関西、もとい吉本が席捲しているのか、そして関東芸人はどう立ち向かうべきか、そのことを取り上げている。 第一章「「王国 […]