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書評

匂いのエロティシズム

「匂い」とは不思議なものである。匂いの良し悪しによって人の感情をコントロールさせることができる。時には快感をもよおしたり、不快感を出したり、安らぐ気持ちにさせたりすることができる。その匂い自体が、相手から出ている場合は、その相手からの感情についても、良くも悪くも変わってくる。 その中で、「匂い」において性的な感情、いわゆる「エロティシズム」をおぼえる人も少なくないのだという。そのエロティシズムのメ […]

東京 消える生き物 増える生き物

日本にはいろいろな場所があり、場所によってはそこでしか見られない生き物も存在する。喧騒に囲まれた東京とて例外ではない。東京には高層ビル街の中で、あるいは池や住宅地の中でたくましく生きる生物もいる。本書は東京に住み着いた生き物、東京を狙う生物、東京で増え続ける生き物など「東京」と「生き物」にフォーカスを当てている。 第1章「大都会で生き残るには」 東京と言ってもいろいろとある。例えば多摩や小平と言っ […]

性と柔~女子柔道史から問う

柔道は日本の国技であるが、女子の柔道も同様であるのだが、実は男女格差があるのだと著者は指摘している。というのは柔道で段位になると「黒帯」をつけるのだが、男子は真っ黒な黒帯に対し、女子は表紙の写真にあるように、帯に白い線が入っている。これは柔道社会と言う名の「ムラ社会」が生まれた産物であるという。 本書は柔道の歴史の中から女子柔道の歴史を、それも柔道における男女格差について指摘している。あくまで柔道 […]

アニメ・マンガで地域振興

「聖地巡礼」というと、宗教における「メッカ」と呼ばれるところに訪れるというものが本来の意味であるが、最近ではアニメ・マンガ・ドラマ・映画の舞台となったところを見てみることを表している。本書で紹介するアニメ・マンガには多くの舞台がある。もっと言うとアニメやマンガ化してきたことにより、地域振興の材料にしている所もある。本書はアニメ・マンガ作品の舞台となったところの地域振興の現状とともに、これからの「ま […]

伸び続ける会社の「ノリ」の法則

著者はコンサルタントとして論理的に問題解決をしていく方であるため、著者の口から「ノリ」が出てくるのは正直言って目を疑った。とはいえ、日本にはそういった「ノリ」を重宝するところが存在している一方で、著者は「ノリ」が欠乏しているのではないかと危惧している。 本書は「ノリ」とはいったい何か、という定義から、実際に「ノリ」を生み出すためにはどうしたらいいのか、という具体的な方法を明示しながら、会社単位で「 […]

中学受験

首都圏では5人に1人が中学受験をするのだという。 私は体験したことがないのだが、中学受験に関する問題集や参考書は見たことがある。中学受験とは言っても旭川では国立中学を受験すると言ったくらいである。首都圏は受験して入れるような国公立もあれば、私立もある。もっと言うと中学と高校の両方を併せ持った「中高一貫校」まであり、受験者も後を絶たない。 その要因には、先日取り上げた「学校と社会の現代史」の書評の時 […]

機械男

本書のタイトルである「機械男」を見ると。「電車男」「電波男」「聖書男」に続いて新しい「男」が誕生したのか、という邪推が出てきてしまう。しかも本書が出版されたのが2013年。何とも「男」シリーズの最新作と言っても過言ではないとも考えられる。 妄想はここまでにしておいて、本書は「機械」しか愛せない男の生き様を描いている。そう考えていくと二次元しか愛せない男の恋を描いた「電車男」にも通ずるものがあるのか […]

琵琶法師―“異界”を語る人びと

「琵琶法師(びわほうし)」とはどのような存在かというと、 「平安時代から見られた琵琶を街中で弾く盲目の僧」Wikipediaより とある。いわゆる盲目の芸能者で、おもに琵琶と呼ばれる弦楽器で演奏しながら旅を行う僧侶の事を指している。一言で言ってしまえばそれまでなのだが、実を言うと、この琵琶法師自体は平安時代に生まれ、江戸時代にも存在するなど、長きにわたって存在した要因とは何か、そしてなぜ琵琶法師が […]

南部芸能事務所

お笑いの現場には様々なドラマがある。それは例えば芸能事務所の劇場もあれば、寄席の現場にもある。本書は芸人を志した青年が相方を探し、漫才師として初舞台に立つまでの事を描いている。 表紙、及び本書の中にある写真の多くは寄席をイメージされているのだが、それもそのはずで取材協力として上野にある「鈴本演芸場」だという。そこは落語もさることながら、漫才も1日に数組行われているため、お笑いの舞台とも言える。 最 […]

会社は頭から腐る 企業再生の修羅場からの提言

けっこうショッキングなタイトルであるが、企業の規模が大きくなる、あるいは存続し続けるにつれて、見えないところで「澱」が出てくる。その「澱」が「頭から腐る」という要因になる。それは経営者を変えたとしても、会社そのものが変わらない、あるいは会社の中にどっぷり浸かっている人が経営者になったとしても、全く変わらないと著者は長年、会社を建て直し続けてながら気づいた。 本書は「会社再生」をし続けた立場から企業 […]