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書評

ミッシングリンク―デジタル大国ニッポン再生

本書のタイトルである「ミッシングリンク」は直接訳すと「失われたつながり」のことをいう。 日本の情報通信産業にはそういったものがあり、それが国際競争力の強化を妨げている原因として挙がっている識者も少なくない。 本書はどのようなところで「ミッシングリンク」があるのか、そしてそれを解消するための処方箋とは何かについてを提言している。 1章「機器とサービスはつながっていない」 簡単に言えば携帯電話・スマー […]

原発社会からの離脱――自然エネルギーと共同体自治に向けて

シリーズ「「宮台真司」の思考を解剖セヨ!」第5弾は「原発」である。昨今では「脱原発」の風潮が強く、衆議員総選挙における各党のマニフェストをみても「異口同音」ながらも同じような声明を出している。 いずれは「原発」から脱し、自然エネルギーの開発を模索すべきであるが、その「原発」から脱すること、そして電力独占や官僚支配からいかに脱するかを前大阪市特別顧問の飯田哲也との対談で解き明かしている。 1章「それ […]

歌舞伎座の怪人

中村獅童と言えば、「ピンポン」や「硫黄島からの手紙」などの映画に出演している人気俳優のイメージが強い。しかし本当は「萬屋」の屋号を担う歌舞伎役者である。もっというと本当の名跡は「二代目 中村獅童」である。先代は3年前に亡くなった獅童の父である。 その獅童は父であるが、その父は歌舞伎役者をデビューしてから間もないときにきつい小言を言われたことに逆上し、鬘を投げつけて梨園を去り、映画俳優として大成した […]

格差社会という不幸

シリーズ「「宮台真司」の思考を解剖せよ」第4弾は昨今話題となった「格差社会」である。数年前からずっと「格差」という言葉が乱舞していたのだが、それがもっとも叫ばれたのが2007・8年頃、ちょうど小林多喜二の「蟹工船」が超訳版や漫画版として出てきたころである。 本書が出たのはもっとも叫ばれてから1・2年後、「リーマン・ショック」を発端とした急速な景気減速により、「派遣切り」や「貧困」が台頭してきた時代 […]

知覚のなかの行為

「知覚」というのはいったい何なのだろうか。調べてみると、 「動物が外界からの刺激を感じ取り、意味づけすること」(wikipediaより) とある。「五感」と呼ばれる機能から得られた情報をもとに脳を経由して「体験」として構成する孤とを指す。 その「知覚」をもってして意識した「行為」にはいったいどのような意識があるのだろうか、かつどのような哲学が存在するのだろうか。本書ではそれらについての考察を行って […]

幸福論―“共生”の不可能と不可避について

シリーズ「「宮台真司」の思考を解剖せよ」の第3弾は幸福論である。昨日までは就活や入門といったものが中心であり、「社会学」において素人であっても取っつきやすい作品を選んできたが、ここからは少し取っつきにくくなる。社会における「幸福」とはいったい何なのか、それは個人的な価値観それぞれであるが、そもそも「幸福」は誰しも手に入れられるのか、いかにして「幸福」を感じられるのか、本書では3人の社会学者が「鼎談 […]

ハーバード流宴会術

大和書房 三輪様より献本御礼。 12月となり、忘年会のシーズンである。もっともその名を冠した「宴会」が休日前となる金曜日を中心に多く行われるのも、恒例と言える。 その忘年会の幹事を行うのはほとんど会社の新人であることが多い。社会経験というよりも、むしろセッティングやスケジュール調整といったものまで実践形式で学ぶことができる場としてもある。新人だけではなく、宴会好きが感じをつとめることもあり、私の知 […]

14歳からの社会学 ―これからの社会を生きる君に

シリーズ「「宮台真司」の思考を解剖せよ」第2弾は社会学そのものである。 これまで自分自身も「社会学」に関する本を読み、書評を行った。「社会学」は現在ある身近な「社会」について考察を行っているのだが、その「社会学」としての歴史とともに考察を行っているため取っつきにくい点も多い。 しかし本書のタイトルに「14歳からの」と冠しているだけに、現在の社会を中心にどのようなものかを知るために、専門用語を原状に […]

絶対ブレない「軸」のつくり方

地下鉄に乗ったときとある広告を見つける「年収1000万円以上」のエグゼブティブ向けの求人情報である。 その求人情報を提供する会社がビズリーチ、そしてその社長が著者である。その著者の半生を描くとともに、「チャレンジをする」「やりたいことをやる」重要性を本書にて説いている。 第1章「明日から来てくれ」 著者はプロ野球チーム「東北楽天ゴールデンイーグルス」の創業メンバーである。その創業メンバーになる前は […]

宮台教授の就活原論

これまで社会にまつわる本は多数書評してきた。しかし本書の著者である社会学者の宮台真司氏の本については偶然なのか不明だが一度も書評をしていなかった。かねてから社会学博士の宮台真司についての本を書評しようと思っていた。そこで「シリーズ「『宮台真司』の思考を解剖セヨ!」」と題して、これまで宮台真司の著作をもとに宮台氏の思考経路を解剖していこうと考え、1週間にわたって宮台氏の著作を書評していこうと思う。 […]