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書評

出世をしない秘訣 改訂新版―でくのぼう考

ビジネス書を見ると、「デキる人の~」や「出世できる人~」という本が立ち並ぶ。おそらく本書のような本はなかなか出てこない。これほどまでに穿った本は見たことがないとも言える。 ビジネス書に辟易を持った人であれば、本書を手にとってほしい。まさに「ナンセンス」と呼ばれながら、実践を重用するビジネス書だからでこそ、「読んだら実践するな」というような一冊、それが本書と言える。さてその中身を見てみよう。 Ⅰ.「 […]

角界モラル考―戦前の大相撲は「おおらか」だった

近年は「モラル」や「八百長」などで騒がれている角界であり、かつ横綱白鵬が一強時代を築いたが、それが崩れ始めいよいよ戦国時代と呼ばれるようになり、だんだん面白くなってきたとも言える。 そもそも角界は「神聖」なものなのかと思ってしまうが、本書を読むと「高潔」かつ「神聖」な存在の相撲のイメージが崩れる。しかしなぜ「神聖」で「高潔」なものになっていったのかがよくわかる。 戦前、戦後間もない時、そして現在の […]

WHYから始めよ!―インスパイア型リーダーはここが違う

諺に「隗(かい)から始めよ(または、「隗より始めよ」とも言う)」と言うのを連想してしまう。その意味は、 「大事業をするには、まず身近なことから始めよ。また、物事は言い出した者から始めよということ。」 とある。大事業を興すためのリーダーとして成功するためにはまず身近な所から「YWHY」を用いることで、成し遂げると言う意味では本書のタイトルとつながりがあるのかもしれない。 本書はその「WHY」の見つけ […]

「ドーハ以後」ふたたび 世界から見た日本サッカー20年史

今年日本サッカーの幕開けとして知られる「Jリーグ」が初めて開幕して20周年を迎える。 昨今では関塚ジャパンが44年ぶりにベスト4に進出したものの、その44年前の因縁を持つメキシコと対戦したが、惜しくも敗れ、さらに次の3位決定戦には宿命の韓国戦となったが完敗し、44年ぶりのメダル獲得とまではいかなかった。 本書は20年もの歴史を日本代表監督毎の時代を振り返りつつ、これからの日本サッカーについてを見出 […]

アイヌの世界

北海道出身である私にとって「アイヌ」は切っても切れない、というよりも北海道とアイヌは切っても切れないものである。小学校時代の時にはよくアイヌに関する授業も受けたことがあり、地名もアイヌ語からきているものも多い。 しかしそのアイヌ民族はいったいどのように伝えられており、かつ文化や言語が栄えたのか、本書はそれらの考察を行っている。 第一章「DNAと言語からみたアイヌの起源」 本書における考察の中心は「 […]

四国遍路―さまざまな祈りの世界

四国八十八カ所の寺院を巡る「お遍路」こと「四国遍路」、元々平安時代から始まったのだが、平成に入って「一大ブーム」となった。前首相である菅直人も2001年と、首相を退いた2011年の2回お遍路を行った。 そのお遍路にはどのような思想があり、どのような魅力が存在するのか。本書は「四国遍路」にまつわる思想と文化、そして魅力を追っている。 <四国遍路の思想> 最初に四国遍路は平安時代に誕生した […]

コンセプトのつくりかた

スタジオビビ 乙丸様より献本御礼。 世界にイノベーションを起こすアイデアを思いつくことは誰にもある。そのアイデアを生み出すための考えにある。 その「コンセプト」をいかに作っていくのか、本書は「Wii」の開発に携わり、現在では郷里の八戸市で地元企業やNPO団体のコンサルティングに携わっている方が伝授している。 第1部「おりていく コンセプトとは何か」 アイデアが出るときには「いい考えがおりた」という […]

ふしぎな社会 おかしな行政

社会や行政は時代とともに変化をしていくが、その「変化」が「不思議」なものであったり、「おかしな」ものであると考える人が多い。しかもそれが行政や社会の中枢にいる人にしかわからないものがある一方で、その中枢の外でしかわからないものもある。 それはさておき、本書は省庁の行政改革などに携わった中で出てきた「課題」や「不思議さ」「おかしさ」といった所の考察を行っている。 第Ⅰ部「社会と行政をゆがめる無知と誤 […]

ナガサキ 消えたもう一つの「原爆ドーム」

1945年8月9日 午前11時2分 3日前の広島に続いて、アメリカの戦闘機「ボックスカー」が長崎に原爆「ファットマン」が投下された。約15万人もの人々が原爆により命を落とし、長崎の街は壊滅的なダメージを受けた。 本書はその中から「(浦上)天主堂」とあらましについて日米の歴史・戦後の関係とともに考察を行っている。 第一章「昔、そこに天主堂の廃墟があった」 長崎にも原爆は投下され、甚大な被害を受けたが […]

いい奴じゃん

多くの新入社員は研修が終わり、いよいよ本当の意味で社会人人生のスタートである。大いなる社会の荒波に揉まれて図太くもあり、強く生きることが求められる時代である。 その一方で、「ロストジェネレーション(通称:ロスジェネ)」と呼ばれる世代はバブル崩壊の煽りを喰らい、大工など学校を卒業しても就職先が見つからない。見つかったとしてもリストラにより首切りの対象となり職を失うといったことになり、路頭に迷う人も出 […]