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書評

なぜ、部下はリーダーの足を引っ張るのか?―「フォロワーシップ」で本当に強いチームを作る

組織には必ずといってもいいほどリーダーと部下が存在する。その中で「リーダーシップ」に関する本も数多く存在するのだが、部下がリーダーをもり立てていく「フォロワーシップ」について書かれた本はあまり見かけない。リーダーは「人を動かす」のだが、肝心の部下に足を引っ張られるような状態になってしまえばたまったものではない。 本書は「部下力」というべきかどうかはわからないが、リーダーを支えるために重要な力である […]

日本語学のまなざし

「日本語」は歴史とともに変化をしている。しかしその「変化」のあり方そのものが「日本語の乱れ」として蔑視あるいは、批判の的となってしまう。 その日本語の変遷、そして日本語の原理について考察を行うのが「日本語学」であるが、私たちの生活の中ではあまり知られていない。 その「日本語学」は日本語を司る私たちにとって、日本語の進化・乱れを憂うなかで大いなるヒントが隠れているといっても過言ではない。 本書は「日 […]

わたくしが旅から学んだこと 80過ぎても「世界の旅」は継続中ですのよ!

旅は見識・了見を広めるだけではなく、楽しみ・価値・精神そのものを、様々な形で大きくさせる。その旅行の範囲は広ければ広くなるほど、その旅の意義は大きなものになる。世界一周したらなおさらだ。 しかし本書の著者は「世界一周」どころではないほど旅をしている。まさに「人生は旅なり」を体現しているのではないだろうか、と思いさえする。約40年以上にわたって世界を旅してきた著者はなにを見つめ、学んできたのだろうか […]

全―生活論~転形期の公共空間

「生活」は誰にでもあるものといえるのだが、その「生活」はいかにして誕生し、変化をしていったのか、「生活」の中にある「衣食住」をすべてひっくるめて考察を行っている。 第一章「公共性と生活」 公共性が論じられ始めたのが1990年代に入ってのことである。それまでは私的な(もしくは「個」の)範囲で生活は論じられ、実践されていった。そのせいか、孤独死や他人との疎遠、さらには他人の痛みを知らないためにいじめや […]

愛国心~国家・国民・教育をめぐって

「愛国心」という言葉は最近いわれ始めたことではないものの、近年叫ばれているものとして挙げられている。それと同時に政治思想としての「憂国」や「ナショナリズム」なども論じられることが多い。 では「愛国心」はどこから生まれて、どのように定義されてきて、そして戦後日本はどのような「愛国心」像を持っているのだろうか、本書は思想の右・左を超越して、論じている。 第1章「戦後日本の愛国心論」 戦後日本の論壇で「 […]

聖書男(バイブルマン)~現代NYで「聖書の教え」を忠実に守ってみた1年間日記

昨年、「電車男」「電波男」「青春男」に続いて現れた「解剖男」。その そして2012年、また新たな「男」が誕生した。 ―その名も「聖書男」。 キリスト教の聖典である「聖書(旧約・新約双方とも)」を様々な形で「実践」をした結果を表した一冊である。 第一月「九月」 1年にわたって聖書そのものを実践していくにあたり、「聖書」やガイドなどの準備に追われた。すったもんだの末、実践を始めたのは本章にもあるとおり […]

オリンピックはなぜ、世界最大のイベントに成長したのか

先週からロンドンオリンピックが開幕した。昨日ようやく金メダル第一号が出てきはじめ、サッカーや体操、アーチェリーの分野でも活躍を見せた。 話は変わり、近代におけるオリンピックは1896年、ギリシャのアテネで開催されてから約120年にも及ぶ歴史がある。 そのオリンピックは「スポーツの祭典」として扱われる一方で政治利用の象徴として扱われることがある。昨今ではシリアなどの停戦協定での「五輪外交」と呼ばれる […]

望月青果店

「ふるさとは 遠きにありて 思ふもの(室生犀星)」 仕事などの理由により、故郷から離れた場所で生活をしていてもその記憶は残っている。イヤな思いでがあって「故郷を捨てる」ことがあったとしても、頭の片隅にきっと残っている。そしてその故郷に帰るとその記憶とそこにある感情はとたんに爆発する。本書はその記憶を辿り5年間離れていた女性が故郷に戻って見つけた思いでを綴っている。 ちょっと話から反れるが、本書を読 […]

オートクチュール~パリ・モードの歴史

「オートクチュール」 ファッションの中でもこの言葉ほど高貴であり、かつ個性的なものはない。簡単に言えば服の「オーダーメイド」と似通うところはあるのだが、オーダーメイドと違う点は「富裕層の顧客」を対象にしていること、生地などの材料が「最高峰」であり、それを最高峰のデザイナー(クチュリエ)によって作られたものである、という意味合いでは違いがある。 もともと「クチュール」はフランス語で「注文服」の意味合 […]

生きてるだけでなぜ悪い? 哲学者と精神科医がすすめる幸せの処方箋

本書のタイトルを見るとキリスト教の根本にある「原罪」を連想してしまう。原罪とは、 「罪が全人類に染み渡っていて罪を不可避的にする状態の中に、全人類が誕生して来る状態」(wikipediaより一部改変) のことを指す。 ちなみに本書はそのような宗教めいた一冊ではなく、むしろ私たちの世代に向けて「辛口メッセージ」を送るような対談集である。 第一章「結婚なんかしなくていい!」 「草食系」と呼ばれて久しい […]