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書評

天に響く歌―歌姫・本田美奈子.の人生

本田美奈子.が亡くなってまもなく7年経つ。私自身本田美奈子.の存在を知ったのは亡くなった直後、「たけしの誰でもピカソ」という番組であった。デビューの頃からアイドルとしてばく進し、そこからミュージカル女優に、そしてクラシック・クロスオーバーの歌手として様々な「歌」の可能性に挑戦し続けてきた女性であり、かつ「プロ」とは何かを考えさせられたもう一人の人物である。 38年間の人生を「歌」の為に捧げ、そして […]

女後継者―ストーミー・ペトラルの幸せ

「女は度胸」とも言い、「女は愛嬌」とも言う。 正しいことわざとしては「男は度胸、女は愛嬌、坊主はお経」と言われているが、最初に記しているようなことでも「言葉の意味」としてではなく、本書にでてくる女性の後継者たちの「生きざま」がそう言っているように思えてならない。 本書は一代にしてクィーン・エリザベスに匹敵するほどの財をなし得た資産家の娘・孫・曾孫・玄孫・・・と様々な「後継者」と呼ばれる女性たちの戦 […]

光に向かって~3.11で感じた神道のこころ

2011年3月11日の東日本大震災は多くの人々と家屋を飲み込んだ。そして日常を壊し、「異常」と呼ばれる事態に見回れた。その災厄の中で私たちの奥底に残っていた「連帯」や日本人独特の「美徳」が発揮し、それが海外メディアにとって「奇跡」のようにも見えるほどだったという。 その震災の中で様々な角度から復興への支援の動きを見せている。3月に「利他主義と宗教」という本で、仏教の観点から復興への動きを紹介したが […]

媚びない人生

「従順な羊ではなく野良猫になれ」 日本人、とりわけ日本企業に勤めている人たちは「猫」よりも「羊」や「犬」になる傾向にあるのかもしれない。「個性」や「自分」という存在を向き合うことさえ許されない状況であるが、そこから脱しいかに「向き合い」、誰にも「媚びず」に自分らしく生きるべきか、本書は道しるべを教えるのではなく、生きることと向き合う「糧」を見いだす一冊といっても過言ではない。 第一章「「今」と向き […]

なぜ「改革」は合理的に失敗するのか~改革の不条理

企業のみならず政治などでも「改革」は多かれ少なかれ進んでいる。しかしその「改革」は合理的に「失敗」することが多い。本書ではそれを「改革の不条理」と定義しているが、「失敗」するにも必ずと言っても良いほど「原因」が存在する。その「原因」とはいったい何か、そもそも「改革」とはいったい何か、本書はそれらの分析を行っている。 第1章「「改革できない理由」は4つある」 本章ではその改革できない理由として4つの […]

自然災害とストレスマネジメント それでも僕らは歩み出す

「被災地から被災地へのエール」 本書はそのための一冊と言える。阪神淡路大震災では崩壊した瓦礫による圧死を中心に約6500人もの命が失われた。それだけではなく、その災害により、多大なストレスに押しつぶされ「震災関連死」により自殺する人もいた。しかしそれはメディアでは取り上げない。 本書はその震災から起こったストレスへのマネジメントと心構えについての伝授とともに、被災地へのメッセージとしている。 第1 […]

「嫌消費」不況からの脱出

一昨年の話に遡るが「「嫌消費」世代の研究――経済を揺るがす「欲しがらない」若者たち」という本で、私たちの世代の「嫌消費」について分析を行った一冊を紹介したが、本書はその続編として「嫌消費」世代が台頭したとき、その不況から脱出する方法を提言している。高度経済成長期でモノは急速に豊かになり、飽和状態になっていったのだが、その反動が「失われた10年」を経てやってきたと言える。不況の中でももっとも「厄介」 […]

なぜメルケルは「転向」したのか-ドイツ原子力四〇年戦争の真実

政治家は人それぞれの「思想」によって、その思想と合致する政党に入り、そこから政治的な主張や政策を構築し、実行していく。その思想を「転向」する事もあり得るが、それが政治家として国民に対する「裏切り」としてメディアや他の政治家が糾弾することも少なくない。 本書で紹介するドイツの首相であるアンゲラ・メルケルは当初原発推進派として、原発開発に積極的だったのだが、東日本大震災による福島第一原発事故の惨状の情 […]

子どもの声を社会へ――子どもオンブズの挑戦

「子どもに人権はいらない」 2008年1月27日放送分のに「たかじんのそこまで言って委員会」にて政治評論家の三宅久之氏の発言である。その言葉に関して賛否はどうかというのはここで控えておくが、子どもに人権は必要なのか、というのはこのときから考え始めた。 本書の話に移り、その子どもの人権を守る、そして子どもの声を社会に反映させる「オンブズマン」の役割を担うのが兵庫県川西市に存在する。名付けて「子どもの […]

日本語へんてこてん―古典でわかる!日本語のモンダイ

「今の日本語は乱れている」 これは今に始まったことではない。戦前の時にも同様の議論はされてきている。 しかし著者はそのような議論の中で決定的にかけているものがあるという。それは「古典の側からの考察」がないのだという。確かに古典で出てくる言葉と今の流行語とを見比べてどのようなものが見えるのだろうか。本書ではその日本語の進化と原点とを見比べながら、日本語の難しさと面白さを見出している。 第1章「人気語 […]