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エッセイ

八月の青い蝶

もう8月が終わって1月あまり経つ。そう書いてしまうと、夏の暑さが恋しいように見えてしまうのだが、元々自分自身夏の暑さは苦手なので、今のように涼しい方が良いと思う。 私事はさておき、8月というと暑さだけではなく、日本にとっても大東亜戦争、及び第二次世界大戦が終わった時期でもある。その時期に戦争末期の頃、少年だった主人公が65年の月日を経た時にどのような事を回想したのか、もちろん戦争という惨禍もあった […]

似ない者夫婦

「似たもの夫婦」と言う言葉がよく出てくるのだが、辞書を引くと、 「仲のよい夫婦はその性質・趣味などが似るということ。また、性質・趣味などが似ている夫婦」(「広辞苑 第六版」より) とある。性質や趣味などが似ているというのはおおざっぱであるのだが、細かい所で似ていると言うところを考えると「似たもの夫婦」というのはよくある夫婦と言っても過言ではない。 しかし本書に出てくる夫婦は細かい部分ですら似ていな […]

別れる力 大人の流儀3

「一期一会」という言葉が存在する。人には様々な出会いがあり、それと同じ数の「別れ」が存在する。しかし「別れ」の感情は人を失う感情をもよおしてしまうため、なかなか受け入れがたいことの一つである。しかし「別れ」が来ない限り新しい出会いは存在しないと言っても過言ではない。 本書は「別れ」の重要性と人生の在り方について取り上げているが、今回は「大人の流儀」のシリーズ3作品目と言うことで本書のタイトルにある […]

瞬間幸福

本書の著者である南果歩という女優をご存じだろうか。短大在学中に映画のオーディションを受け、合格し、そのまま女優としてデビューを果たし、数多くの映画・テレビドラマに出演した一方で、昨今話題となっているミュージシャン・作家の辻仁成、そして俳優の渡辺謙との結婚歴もあるなど、話題となる方でもあった。 しかし、著者は華々しい活躍の裏側では家族や子どもを養うことなどの苦労を重ねていた。その苦労も著者自身の「幸 […]

旅だから出逢えた言葉

「旅」は色々な意味で「広くなれる」。見識もさることながら、人の輪もあり、さらには行動範囲も広くすることができ、そのことで心の余裕も広くすることができる。 しかし「旅」の効果はそれだけでは無い。「語彙」も広くすることができる。ちょっと表現を変えると、様々な「言葉」に出会うことができるわけである。 本書は著者自身が日本国内のみならず全世界を旅し、出会った言葉を取り上げ、解説した一冊である。「言葉」と言 […]

儒教と負け犬

昨日に引き続いての「おばさん」シリーズである。 今回のテーマは「負け犬」について。しかも本のタイトルに「儒教」が付いている、というのは、本書は東京・ソウル・上海の3箇所の「負け犬」を紹介しているためである。その3都市の共通点には「儒教」が伝えられていることから本書のタイトルになった。 「負け犬」の定義は、今は異なるものの、 「30代過ぎても独身の人」 のことを指している。「今は異なる」と言うことを […]

おばさん未満

「おばさん」というと老けているイメージがあるのだが、実を言うと、ほどよく老けながらも勢いがあり、それでいながら若干のもの悲しさがある、という感じである。当然、僕のイメージであり、全員が全員そうでは無い事だけは付け加えておく。 本書は女性中年初心者、もとい良い「おばさん」になるための入門エッセイである。何を隠そう著者自身も40代過ぎており、りっぱな「おばさん(?)」と呼ばれる存在である。 「おばさん […]

妄想気分

自分自身は、いろいろなことを妄想する人間である。読んだ本・観たアニメや映画の内容から、もし自分だったらどのようなストーリーにすることを描き、さらに感じたことにさらに自分の考えを加えることで、楽しんでしまう。そのことで仕事がはかどらない時もあったのだが、今では空いている時間で妄想をする。 私ごとはさておき、著者も作家活動をやっているなかで「妄想」にふけることがあるのだという。本書は作家活動、さらには […]

豊かさへ もうひとつの道

「豊かさ」は時代とともに変化している。大きく変化しているものでは、高度経済成長の「モノの豊かさ」から、バブル崩壊したあとには「心の豊かさ」に変化していったものが挙げられる。しかし「豊かさ」と言っても個人で意味や考え方が異なるため、一概に「豊かになるためにどうしたらいいのか?」と言うことを推し量ることはできない。 本書は自らのエッセイや講演を綴りつつも、人間の豊かさとは何なのか、その本質を見出してい […]

丘の上の邂逅~三浦綾子生誕90周年記念出版

「氷点」「銃口」などの代表作の著者である三浦綾子。その三浦氏は旭川市出身であり、一時期を除き、生涯旭川にすみ続けた。旭川の歴史そのものを知り、作品の中で表現をしている。 本書は三浦氏の生誕90年を記念して、遺稿の中から三浦氏の人生の大部分を過ごした旭川の回顧をエッセイ仕立てで綴ったものを取り上げている。 第一章「旭川だより」 三浦氏は人生の大部分を旭川で過ごした。しかし著者は若いとき、その旭川を好 […]