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教育

日本で「一番いい」学校―地域連携のイノベーション

「一番いい」という基準は一体どこからきているのかというのが分からない。もしかしたら著者自身が「これが日本で一番いい学校だ」という独断で決めたのだろう。 それについて、とやかく言うつもりはないのだが本書の内容は副題のほうが的を射ており、地域連携による教育を行っているケースを紹介しながら「いい学校」の在り方について考察している。 第1章「地域連携の原点」 地域連携での教育を行っている原点、それは徳島県 […]

英語教育熱 過熱心理を常識で冷ます

英語教育論争は今も続いており、とりわけ小学校の段階から英語の教育の是非についての論争は激しさを増している。私自身は早い段階からの英語教育は反対である。日本語たる国語教育がままならないままで英語を身につけたら日本語も中途半端、英語も中途半端で結局本末転倒に陥ることが目に見えている。中学・高校において英語を勉強しても十分に話すことができない現状である(とはいえ、中高の英語教育は役に立っている部分はある […]

江戸っ子の教訓

噺の中には人生訓を学ぶことができる。本書は噺家の桂小金治師匠(もともと真打にはなっていないが、「師匠」と呼んでも差し障りない)が自らの半生を交えて江戸っ子、もとい元々日本人にあった粋や礼儀、人情といったものを綴った渾身の一冊である。 第一章「江戸っ子の人情」 著者が二代目桂小文治に入門してから前座時代で体験した人情、「怒りの小金治」として名をはせた「アフタヌーンショー」時代でのエピソードまでの人情 […]

教育の3C時代―イギリスに学ぶ教養・キャリア・シティズンシップ教育

昨今の教育事情は「学力低下」や「教師の質の低下」、「モンスターペアレント」など数多くの問題が山積している。本書はそれらの教育問題をイギリスの教育を参考に糸口を提示したり、そういった教育が日本でも行っているケースを紹介したりしている。本書のタイトルの「3C時代」とあるが、これは「Culture(教養)」「Career(キャリア)」「Citizenship(シティズンシップ:「公共性」の教育)」と3つ […]

知を開き 情を養う 国語の底力

近頃は国語力が落ちていると言われている。また出版会で叫ばれている「活字離れ」や「語彙離れ」と言ったものもある。学習指導要領では全体的に授業時間数は増えたが小学校でも英語の授業が始まった。 この状態を見ていると日本語が凋落しつつあるのではという危機感さえ覚える。 さて本書はこの国語力低下を食い止めようと立ち上がった石井勲氏が提唱した「石井式」国語教育について紹介している。この「石井式」は幼稚園児を対 […]

子どもに本を買ってあげる前に読む本―現代子どもの本事情

私はあまり言われたことはないのだがよく家族では親が子供に「本を読みなさい」と言われることがあるという。しかし強制されて子供は面白がるのだろうかという疑いさえ持つ。私の子供のころは絵本がそろっていたので放っておいても絵本を読んでいた。理由は簡単。「そこに絵本があったから」である。 子供たちには本を買ってあげることも大事ではあるし、本を読むことも教えてあげないといけない。それ以前に子供が自由に本を読め […]

教育格差の真実~どこへ行くニッポン社会~

本書は教育問題に関して教育評論家の尾木直樹氏と経済アナリストの森永卓郎氏の対談をまとめたものである。 教育問題について様々な提言があるのかと思ったらほとんどが批判ばかりで救いようがないほどコテンパンにしているようにしか思えなかった。 まずは森永氏の発言 「日本は間違いなく壊れると思ってるんです。おバカな学者たちが、少子化対策として…」(p.13より) 誰のことを言っているのだろうか。もしかしたら自 […]

欲ばり過ぎるニッポンの教育

一昨年の教育基本法改正や全国学力テストなど教育に関する問題は後を絶たない。さらに今では「教育格差」や「学力格差」が叫ばれており、今日の教育問題に暗い影を落としている。さらに今では文科省をはじめ多くの教育評論家たちがフィンランド式教育に注目を集めている。PISAの学力調査で世界一になったことが起因となっている。またそれとは逆に詰め込み式教育への回帰を唱えている論者もいる。確かにPISAで世界一になっ […]

誰が教育を殺したか?

学校教育には今も昔も問題は隠されている。しかしここ最近はその問題が深刻化している。学級崩壊やいじめ、さらにモンスター・ペアレントなど教師の側に立ってみれば頭の痛い問題が山積している。教師の側はそれだけではなく文科省や日教組から数多くの事務処理作業を依頼してくる。それにより教師たちは忙殺され、独自の授業を行うというのが難しい状況になる。表題になる「誰が教育を殺したのか」ということを考えると生徒やその […]

脳の力こぶ―科学と文学による新「学問のすゝめ」

本書は藤原氏が川島氏に対して教育や脳に関することについて様々な質問を行い。それを川島氏が答えるというものである。内容は構成自体が学校の授業の如く、教育に関して脳にどのような影響がるのか、それだけではなくそれを取り巻く環境についてどのように影響を及ぼすのかについても言及している。 第1章「学ぶ脳」として1時間目から放課後まで、見事学校の時間割のように章だてられている。まずは1時間目の英語から。川島氏 […]