暴走する「世間」

この頃「世間」というものが猛威をふるっている。しかしそれは人々の実感なしに猛威をふるっているだけに非常に厄介な存在である。その最たるものが「KY」をはじめとした「空気」による支配である。それについて本書では2004年の「イラク人質事件」についてのバッシングについて例を挙げている。 これについては私自身も「自己責任論」について大きな違和感があった。確かに戦々恐々としている場であるので危険であるが、そ […]

このままでは地球はあと10年で終わる!

環境問題にまつわる文献であるが、本書は誇張が多すぎるように思えてならない。しかも10年後のシミュレーターを多く使っており、その中でも最悪のケースばかり羅列しており果たして本当なのかと疑いたくもなる。 まず海面が88センチ上昇する話だがIPCCの第四次報告で確かに「9〜88センチの上昇」という明記はあったのは事実である。とはいえ88センチは言い過ぎではなかろうか。科学論者の多くは30年後には11セン […]

幸せに近づく コミュニケーションの処方箋

コミュニケーションを行うというのは様々であるが、大きく分かれたら「いかに上手にしゃべることができるのか」「いかに人の意見を正確に聞くことができるのか」である。私は前者はそこそこできても後者がほとんどできない。そこで本書を読んだというわけである。 本書は様々なケースでのコミュニケーションによる対処の方法と現状について説明しているが、そのケースそれぞれが非常に生々しい。しかし本書に似通ったケースであれ […]

軍隊のない国家

日本の憲法9条には「戦争放棄」「交戦権の放棄」について明記されている。いくつかの論客や国民からは自衛隊は憲法9条に反するとして訴えているという(多くは敗訴しているが、中には違憲としている判例もある)。 本書はそういった憲法9条を見直しつつ、軍隊のない国家27カ国について迫っている。永世中立国をはじめ日本のように戦争放棄を憲法に盛り込んだ国もある。 それを挙げて自衛隊の意義や憲法9条の担保を結論付け […]

強い会社をつくりなさい

本書は30年の間にわずか3回しか減益をしていないという中小企業経営のカリスマである武蔵野社長の小山昇氏が「強い会社とは何なのか」、「強い会社にするには」を自らの経験をもとにして説いた指南書である。 ここで疑問に思ったのが「強い会社とは何なのか」である。「高い利益率を上げる会社」なのか、「つぶれずに長く存続できる会社」なのか、著者の会社のように「長い間利益を伸ばし続けられる会社」なのか。おそらく見て […]

日本の値打ち―外資が殺到する本当の理由

本書は海外の戦から見た日本の値打ち、外資が殺到するその所以とは何かについて迫っている。ここ最近の日経平均や外国為替は外国人投資家の影響で円高・円安になる状況が続いている。なぜそれだけ影響を及ぼすことになったのかというと、外資の参入も含めて考えると日本には魅力があるからだという。 どのような魅力なのかというと、まず外資からの目線は日本はものつくりの国である。その技術の高さは世界に誇る。とはいえそれを […]

感情暴走社会

クレーマーや暴走老人、感情の制御化効かずついカッとなってしまい取り返しのつかない悲劇を起こす人など、なぜこれほどまでに日本人は感情的になったのだろうかというのを考察したのが本書である。 戦後の経済成長によりものが豊かになったがそれの犠牲として心の豊富化というのが置き去りにされていたのかもしれない。そのつけが今になってこのような社会を生み出したのではないかと私は思う。 近年EQや前述の暴走老人が話題 […]

暴走老人!

ここのところ老人に関する事件が後を絶たない。殺人事件に発展するほどの事件から、万引きやいざこざなど枚挙にいとまがない。それだけではなく私事であるがよく中心部で本の買い物をするがよく帰り道で路頭にさまよう、もしくはベンチで寝ている老人をよく見る。それだけではない。自分が気に入らなかったらいたるところで怒鳴り散らす老人も増えている。ではなぜそういった老人が増えたのだろうか。 原因はおそらく長い間仕事に […]

これも経済学だ!

一言で経済学というと市場の動向やその理論に基づかれている。そう考えると金銭などの需要と供給、株式市場や為替市場、生活にかかわっていくとすれば購買行動が経済学に大きくかかわってくる。というよりはそれしかかかわってこないのだろうかさえ考えてしまう。 しかし本書を読んでそういった固定観念が崩れ去るような感じがした。まず本書でかかわっている経済はなんと宗教と伝統芸能である。伝統芸能は栄枯盛衰でありその技術 […]

社会不安障害

「社会不安障害」というのは私自身ほぼ全くと言っていいほど聞いたことがなかった。「社会不安障害」とはSADと呼ばれ対人恐怖がその典型として表れるという。事実秋葉原無差別殺傷事件はこれによるものであるという声も少なくない。そういった障害が犯罪に走るなどの凶行に及ぶ影響もあり、さらにストレス社会、そして社会での人間関係による軋轢によりそういった障害が急増している。本書の第1章ではそんなSADの定義につい […]