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ちくま新書

成熟日本への進路 「成長論」から「分配論」へ

高度経済成長、「失われた10年」、戦後最長の好景気、リーマンショックと経済が善し悪し問わず流れていったのだが、「失われた10年」以降は経済的な成長が鈍化、もしくは後退をしている。景気と言うよりも「成長」という課程で「成熟化」したと言える時代となったといえる。 本書は経営で言う「成熟期」を迎えた日本でどのように経済、国家を運営していけばよいのかを考察しながら提言を行っている。 「成長」や「前進」と言 […]

組織力 宿す、紡ぐ、磨く、繋ぐ

「組織」は会社のみならず、国、地方行政、公共団体など、大小はあるものの必ず存在する。おそらく人生において「組織」に触れたり、関わったりすることが必ずあるだろう。 必ず関わる「組織」であるからでこそ、どのような「組織」でありたいか、というのは組織の数だけパターンはある。しかしそれでは「船頭多くして船山に登る」という諺があるとおり、方向性も指し示すことができないまま組織の結束力などが低下してしまう。 […]

郊外の社会学―現代を生きる形

「郊外」というと新たに建てられた家々を想像する。「団地」や「ニュータウン」、「新興住宅地」など高度経済成長とともに、日本経済の象徴の一つとして挙げられる、と同時に「ハコモノ行政の温床」という負の側面も持っている。 本書は高度経済成長の象徴である「郊外」の住宅地の光と闇を見つめながら社会はどのように変わっていったのかについて考察を行っている。 第一章「虚構のような街」 郊外に建てられた住宅はかつてあ […]

命の値段が高すぎる!

「命の値段」とは何なのかというと、簡単にいうと「医療費」のことをいっている。医療費をつぎ込むことにより自分、もしくは他人の命を持続させるということから「命の値段」と形容している。 しかしその医療費もだんだん高くなっている。医療の高度化、さらに国から捻出される医療費が削減されることによって国民負担額が増額の一途を辿っている。 本書はそのような医療の現状について、なぜそうなったのか、そしてこれからの医 […]

仕事耳を鍛える―「ビジネス傾聴」入門

コミュニケーションの中で最も重要なものは何か。 「饒舌」なのだろうか、「論理的に」話す力という人もいる。しかし実際に相手から訊かれたことに対して正確に答えることができるかという力、その土台となるのが「聴く力」である。「聴く」力をえるためにはどうしたらよいのかに書かれている本はいくつかあり、当ブログでも一冊取り上げている。コミュニケーションについて聴くことがいかに大切か、そういった本が最近増えている […]

友だち地獄―「空気を読む」世代のサバイバル

私は「友達」という言葉ほど甘美でありながらも危険な言葉はないと考えている。周りに「友達」がいれば当然親身になること模でき、相手との距離も縮められる。しかしその反面、相手が悪事に手を染めていることによって、それにつられて手を染めてしまい、人生の落とし穴にはまるということにもなりかねない、甘美な響きでありながらも危険な要素もはらんでいる。 さらに昨今では「空気を読め」というような言葉も乱舞するなど、「 […]

国語教科書の中の「日本」

私たちが小学・中学・高校と学んできた「国語」。呼んで時のごとく日本語の在り方、そして日本の文学そのものを学ぶ機会としてあるのはこれまで学んできてわかることであろう。教育問題というと英語教育や「学力」というのが問われてきた。しかし戦後間もないときは「国語審議会」というのがあり、国語教育の在り方について議論された時があった。あれから数十年、日本語の変化(人によったら「退化」とも言うが)と同じように、文 […]

仕事と日本人

近年は労働基準法の改正や「ワーク・ライフ・バランス」が提唱されたことにより、若干ではあるが日本人の平均労働時間は減少しつつある。しかし、それでも過酷な残業やサービス残業というのは後を絶たない。労働状況というのもあるが、自ら進んで残業をやる、残業代が出るからという理由で無駄な残業をするという人もいる。あれだけ「残業を減らそう」と唱えていてもこういう状況ではある種の無駄骨と言わざるを得なくなるが、日本 […]

金融危機にどう立ち向かうか―「失われた15年」の教訓

昨年の10月にアメリカの大手証券会社「リーマン・ブラザーズ」が破綻し、「100年に一度の恐慌」と呼ばれる代不況となった。日本では過去にもバブルが崩壊し「失われた10年」とも「失われた15年」とも言われた時代があり、その間に急激な進化を遂げた経済は衰退の一途を辿り、97年には拓銀(北海道拓殖銀行)の破綻や山一証券の倒産、2000年代には「金融ビッグバン」といわれる大規模な合併が相次いだ。私たち労働者 […]

「分かりやすさ」の罠―アイロニカルな批評宣言

「分かりやすい」 人はこういったものを好む傾向があるのかもしれない。特に文章は読み手の側に立って「分かりやすい文章」というのが重要であるといわれている。 ビジネスにおいて「わかりやすい」というのは相手にとってもメリット・リスクや論点が明確になる上では良いことかもしれない。 しかし「分かりやすい」というのは本当にいいことなのだろうかということをよく考える。「簡単にわかる」という点であればこれほど便利 […]