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ちくま新書

創刊の社会史

日本には約3000冊もの雑誌があるという(p.15より)。しかしその中で創刊や復刊、休刊や廃刊になることが頻繁にあり、一昔前の「モー娘。」のように出たり入ったりせわしないほどである。 本書はその中でも「創刊」についてフォーカスをした一冊のように思えるが、雑誌、問い訳ファッション誌を中心とした「傾向」について考察を行っている一冊である。 第1章「それは「山師」である」 「山師」というのは、 「山の立 […]

プロフェッショナル原論

「プロフェッショナル」とは一体何なのか。 社会人になった時からずっと職業性からか「プロフェッショナルを目指せ」と言われる。 本書の表紙をめくってみると、 「高度な知識と技術によってクライアントの依頼を適えるインディペンデントな職業」 と書かれてある。しかしそれではあまりよくわからない。本書は「プロフェッショナル」とは何かについて解き明かしている。 第一章「プロフェッショナルとは」 プロフェッショナ […]

クジラは誰のものか

今、それほどでもないが先日にはシー・シェパードが日本の調査捕鯨船を妨害工作をしたという事件があった。当ブログでも昨年末に「日本人とクジラ」でもって共生の在り方を主張してきたが、クジラについての再認識が必要であると考え本書を手に取った。 序章「クジラと人間」 捕鯨問題は日本の食文化にも大きく影響を及ぼすと考えると本書で言う「試金石」というのはまさにその通りであろう。捕鯨問題は環境問題や動物愛護の問題 […]

歴史探索の手法―岩船地蔵を追って

歴史というのは教科書や文献から出てくるだけが歴史ではない。本書では歴史探索の手法の一つとして岩船地蔵を追うという過程についてを書いているのが本書の狙いである。 さて「岩船地蔵」というのは私自身初めて聞いたので説明しようと思ったらインターネットでもあまりないが、見つかったものの中から紹介する。 「大和国飛鳥の里、春日の宮に安置されていたものを、730年前の第91代御宇多天皇の建治元年(1275)9月 […]

日本を教育した人々

表題からして何か釈然としない感じがする。今の日本を育て上げた外国人は誰なのかを言っているのだろうか。あるいはGHQのように日本を占領下に至らしめて再教育した人たちを挙げているのかという疑問がある。と言うことは寺子屋などの日本独自の教育はこれは海外から入ってきたものなのだろうかという考えさえも起きる。 しかし本書を読んでその考えはどこかに飛んで行ってしまった。本書は「日本を教育した人々」となっている […]

おまけより割引してほしい

おまけというと何か自分でも喜べるものである。割引もおまけよりは劣るものの自分が得した感じになる。 それはさておき、本書は「経済心理学」の観点から日本人の消費者行動を考察している。まず最初に言及しているのが大学生の消費行動に関してである。高校生までは一応アルバイトはあり、小遣いももらうことがあり、そして実家で暮らしてお金は使い放題であったため遊ぶことに集中できた。 しかし大学生になってからはそうはい […]

医療格差の時代

「医療はビジネスではない」 これは前身のブログで妊婦たらいまわし事件のときに書いたことである。当時はあまりに無勉だったのですぐに炎上してしまい収拾がつかない状態となった。 それから少しは勉強した為、ちょっとだけ語れるようにはなったものの医療問題は複雑を極めている為どうも的外れになっているような感じがしてならない。 それはさておき、本書では医療格差の現状について生々しく書かれている。ここでも書かれて […]

これも経済学だ!

一言で経済学というと市場の動向やその理論に基づかれている。そう考えると金銭などの需要と供給、株式市場や為替市場、生活にかかわっていくとすれば購買行動が経済学に大きくかかわってくる。というよりはそれしかかかわってこないのだろうかさえ考えてしまう。 しかし本書を読んでそういった固定観念が崩れ去るような感じがした。まず本書でかかわっている経済はなんと宗教と伝統芸能である。伝統芸能は栄枯盛衰でありその技術 […]

社会不安障害

「社会不安障害」というのは私自身ほぼ全くと言っていいほど聞いたことがなかった。「社会不安障害」とはSADと呼ばれ対人恐怖がその典型として表れるという。事実秋葉原無差別殺傷事件はこれによるものであるという声も少なくない。そういった障害が犯罪に走るなどの凶行に及ぶ影響もあり、さらにストレス社会、そして社会での人間関係による軋轢によりそういった障害が急増している。本書の第1章ではそんなSADの定義につい […]

医療再生は可能か

医師不足、「モンスター・ペイシェント」、救急車の私物化、リピーター医師、尊厳死問題…。医療に関する問題を挙げていくと枚挙に暇がない。 本書はそんな医療の現状の整理と経営者の側からの解決策について書かれている。とりわけ「医療費」について多く言及している。 本書のあとがきで気になるキーワードがあったので紹介する。 「国が自分に対して何をしてくれるのか、ではなく、自分が国に対して何ができるのか」 後期高 […]