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ノンフィクション

東京消防庁 芝消防署24時 すべては命を守るために

「死と隣り合わせの仕事」というのはいくつもあるのだが、それと共に人命を救う仕事というとさらに少ない。その両方に当たる職業の一つとして「消防士」が存在する。火災や事故などから人を救うために素早く、性格に、危険を冒しながらも助ける仕事、しかも「うまくいかない」という諦めさえも許されない仕事である。 本書は著者自身が東京にある芝消防署に7ヶ月もの間取材を行いながら、現地でどのような事をやっているのかを克 […]

がんのお姫様

今となっては「がん」と言う病は最新医療によって死亡率は減って入るものの、依然として最も亡くなる人の多い病として取り上げられている。しかもこの「がん」は老年・壮年の方々が発病されるイメージがあるのだが、10代・20代の時期に発病する「若年性がん」もあり、それが原因で死に至るケースも多い。 本書は女性が働いている中でがんに冒され、闘病生活と医療制度の狭間に生きる姿を描いているが、その女性は「名家」やら […]

究極の愛について語るときに僕たちの語ること

青月社 功刀様より献本御礼。 愛のカタチは人それぞれと言われているが、自分自身の考えが外れてしまうと、「それは愛じゃない」とか「非常識だ」と言って耳をふさいでしまう。しかし愛する人たちが表現するのであれば、どんなカタチであれ「愛」になる。それにとやかく言われる筋合いはない。 本書は様々な「愛のカタチ」について「究極の愛」と題して新宿ゴールデン街のマスターが追った一冊である。 1.「最強のふたり? […]

鯨人

捕鯨問題というと、オーストラリアの反捕鯨の声が鋭くなった。それは今年の5月にオーストラリア首相にケビン・ラッドが再登板したことにある。日本では伝統的に調査捕鯨を行われており、刺身や加工食品などに使われており、需要はある。 捕鯨を行っている国は日本だけでは無く、ノルウェーもあれば、本書で取り上げるインドネシアもある。インドネシアの中でもレンバタ島と呼ばれる小さな島村では銛だけで鯨を仕留める捕鯨があり […]

兵隊先生~沖縄戦、ある敗残兵の記録

沖縄戦― それは、大東亜戦争において、もっとも悲惨な戦いの一つだった。兵隊や県民など多くの民が戦死し、その数は10万人以上にものぼる。その戦争の中で殺された者、自決した者、それぞれの魂が「ひめゆりの塔」に祀られている。 その過酷で、かつ悲惨な状況の中で、一つの光があった。日本兵として戦うも重症を負い、避難民キャンプに行き着いた。その先の小学校で教師となった。 本書は悲惨な戦いのなかにある一つの尊い […]

小説あります

小説はフィクション、ノンフィクションはあれども、幅広いジャンルまで扱っている。しかし今も昔も人はなぜ小説を読むのだろうか。 私自身もこの「蔵前トラック」で本を紹介し始めた頃、小説は全くと言ってもいいほど読まなかった。読書観は人それぞれであるが、「使わなければ意味がない」「実践しなければ意味がない」と言う考えであれば、小説はいらないのではないかとさえ思ってしまう。 しかし小説は作家ファンも含めて今も […]

すかたん

大阪弁ではこのような言葉がある。 「やたけた」…「なげやり、破れかぶれ、自暴自棄」 「ごりがん」…「ごり押しでがんがんいく人」 「すかたん」…「当てが外れること。見当違いなことをした人」 本書はタイトルにある通り、その中でも「すかたん」と言う言葉がよく似合う人として、著者自身のことについて綴っている。本書の最後には映画監督である崔洋一氏が寄稿しているのだが、著者は今年1月に亡くなられた大島渚監督の […]

骨の記憶

「骨」 私たちには様々な骨によって形成づけられている。これは人間に限らず骨を持つ動物、さらには店や会社では「屋台骨」という言葉があれば「骨格」という言葉があるなど「形」をつくられるためにおいても重要な役割を担っている。 それはさておき、本書は2部構成に分かれており、タイトルにある「骨」は第2部に書かれている。それぞれフィクションとノンフィクションに分かれている。とりわけ後半は実在した人類学者をモデ […]

人生で大切なことはすべてプラスドライバーが教えてくれた

本書はトヨタ技術オリンピックでNo.1を獲得した男の物語である。トヨタと言えば最近ではリコール問題でアメリカや日本、中国で批判の的にさらされている。また100年に1度の不況により約半世紀ぶりに営業損益が赤字転落を喫してしまった。 「世界のトヨタ」と呼ばれる地位が失墜する中、かんばん方式や「5回のなぜ」など様々な手法を生み出し、それが自動車業界シェア世界一にこぎつけた原動力と言っても過言ではない。 […]

世界一高いワイン「ジェファーソン・ボトル」の酔えない事情―真贋をめぐる大騒動

私はワインのことについてはあまり詳しくはないのだが、本書でワインにまつわる様々なことについて書かれているため前知識が必要に思える。さて本書のことに入るとする。本書は1985年に起こった「ジェファーソン・ボトル」についての真贋騒動を描いたノンフィクション作品である。まずこの「ジェファーソン・ボトル」について詳しく書くことにしよう。 「ジェファーソン・ボトル」、このジェファーソンはアメリカ第3代大統領 […]