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ホラー

祭火小夜の後悔

怪異現象を舞台とした小説はけっこうあるのだが、その中でも本書は中でも背筋が凍るような思いをするほどにまでなった本たちの一冊に数えられるほどである。 ホラー小説と呼ばれる一冊であるのだが、そのホラーの可能性を広げたといってもイイほど過言ではない。少女が巡り会う怪異現象は全4話収録されているのだが、その4種類それぞれの現象に出くわす。しかもその現象や舞台は異なるものの、中でも特に「ホラー」という印象を […]

怪物率

禍々しく見えるタイトル、及び表紙である。そのためホラーかつミステリーの要素があるのかなと言うイメージを持ってしまうのだが、実際にはミステリーではあるのだが、怪物の要素があるとは言え、ある意味ナンセンスさが溢れており、逆の要素があるのかも知れない。 中身を見てみるとミステリーのハラハラ感があるとは言え、ミステリーを解いていくうちに、奇想天外な展開を見せることがあったためにミステリーギャグの印象を持っ […]

ウェンディゴ

謎めいたタイトルのように見えるのだが、本書のタイトルはカナダにあるとある妖怪を表している。その妖怪との邂逅を描いているのだが、本書はあくまでファンタジーなので、魔術研究を行っている人を舞台としている。 また本書は中編集であるため表題作ばかりでなく、他にも2編あるのだが、いずれも幻想的な味わいを醸している。 しかもファンタジー小説でありなが、英国文学の中でも名著にあたるような一冊であるのだが、長らく […]

晴れ女の耳

元々は怪談の短編集だが、その短編一つ一つ読んでみると、今まであった怪談にまつわる童話にも似たようなタッチで描かれており、なおかつ読みやすく、しかもメッセージ性も強くのこる作品集だった。 そのメッセージの中身は単純に言えば「命」。その「命」の中身は悲しいものもあれば、大切さを学ぶような部分もある。怪談話ではあるが思っているほど怖いものではなく、むしろそういったことを知ることができる。 以上のことから […]

神隠しの教室

学校の中に「神隠し」があるという物語である。「神隠し」というと古いホラー作品というか、ミステリー作品のイメージがあるのだが、本書はその両方にも当たらない。 もちろんホラーな部分もあるのだが、それ以上に子どもたちの勇気が試されるようなことが何度もあり、なおかつそれが子どもと大人の関係と、大人が行うこどもの関わり方について取り上げている。 もちろんミステリーの要素もあるのだが、警察や殺人事件といったド […]

記憶破断者

わずか10数分の記憶しか持つことのできない記憶破断者と記憶の上書きのできる男の戦いを描かれたある意味SF作品と言える一冊である。しかしその記憶を巡ったグロテスクな表現も出てくるホラー作品ともいえ、後者の男の犯罪を暴き、捕まえるという「ミステリー」とも言える。 様々な要素が織り交ぜられた一冊であるが、そのミステリーを解き明かす元として、そして記憶破断者の最強のツールとしてあるのが「ノート」である。そ […]

味なしクッキー

私自身「味なしクッキー」を食したことは無いのだが、想像するに後味がパサパサしながら、それでいて粉っぽさが口に残ってしまうのかも知れない。 そういった後味の悪さというか、悪い印象が本書には本のタイトルの通りに表されているのかも知れない。しかも本書は短編集で収録されている全ての作品にて、その悪い結末となっている(もちろんストーリーのパターンが同じというわけではなく)。その「悪い結末」は、著者ならではの […]

三階に止まる

とあるマンションのエレベーターに乗ると難解に止めようとしても必ず三階に止まってしまう。それがたとえ二階に止まりたいと言っても、七階に止まりたいといっても、である。エレベーターの欠陥があるのかと思ったがそうではなかった。ではどうしてなのか。そこには身の毛もよだつような真相が隠れていたという。 本書はタイトル作である「三階に止まる」をはじめとした短編集であるが、タイトル作のように身の毛もよだつようなミ […]

夜市

「夜市(よいち)」は簡単に言うと夜に店を出す市場の事を言い、本書は主人公の家からかなり離れた公園で開かれていた不思議な夜市を舞台にしたホラー作品である。しかしホラー作品と言ってもヒューマンドラマも入っており、読み終わると非常に心温まる感じになる。 まずなぜ「不思議」なのかと言うと、本書で挙げられる「夜市」は妖怪たちが様々な「モノ」を打っていることにある。もっと言うと「モノ」は物体もあれば才能など目 […]

四〇一二号室

本書のタイトルは本書で「最恐」と言われる事件の舞台である。その舞台はタワー型マンションと言われるところの40階にあることから「四〇一二号室」になった。私だったらあまりそう言う所に住みたくは無いが、見晴らしは良さそうと言うことは容易に想像がつく。 本書はミステリーホラー作品で在るが、怖さは他の作品を凌駕していると言っても過言では無い。「女の妬み」と言う言葉を最も忠実に、そして最もグロテスクに表現をし […]