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ミステリー

ライオン・ブルー

青色というと日本における警察官の服がそれを象徴づけている。青色の濃淡はあれど、ほとんどの部分が青色で支配していると言っても過言ではない。 本書の話に戻す。本書は関西のとある地方都市にて働く警官の話になるのだが、その警官の同僚の失踪から物語が始まる。その失踪の謎を追っていく中で、今度はとある家が放火され、その家主が殺されるといった事件に巻き込まれる。接点がないように見えて、実は接点がある2つの事件。 […]

生き残り

本書のタイトルを見ると様々な側面を思い浮かべる、戦争などのまさに生きるか死ぬかの「生き残り」をかけた戦いもあれば、社会的な競争において勝ち負けといった「生き残り」もある。本書はその中でも前者の意味を持っている。 本書の舞台はおそらく大東亜戦争にあたるのかもしれないが、その中でも北ビルマ(現在のミャンマー北部)において米中の連合軍との戦いで苦戦を強いられている中で生き残るために戦う姿を描いている。主 […]

黒い紙

「総合商社」というと、本当の意味で「ありとあらゆる」もの・ことを取引している会社であるのだが、販売対象はもちろんのこと、取引対象も様々である。大手であればあるほど、その対象の幅も広がり、海外にまで目を向ける企業も少なくない。 本書で取り上げている総合商社はまさに世界各地で商売をしている会社であり、中には「不適切な関係」となったことがある。その関係について取り上げた文書が届くのと同時に、脅迫文書が送 […]

流星のソード 名探偵・浅見光彦vs.天才・天地龍之介

浅見光彦と天地龍之介の2人が織りなすミステリーであるが、そもそも浅見光彦シリーズは内田康夫氏が長きにわたって作られたシリーズであり、サスペンスドラマにもなったほどである。そのシリーズを内田康夫氏が財団をつくり、これからを担う作家として公認したのがこの「浅見光彦・天地龍之介シリーズ」である。 この2人の織りなすミステリーだが、今回の舞台は北海道小樽市である。北海道でも一二を争う観光都市であるのだが、 […]

物件探偵

ミステリーの中には様々なものから証拠やトリック、謎を探し、見つけると言ったことが行われる。本書はその中でも「物件情報」から事件を解きあかすといった物語である。 探偵である一方で不動産情報について詳しく知っているという奇想天外な人であるのだが、ある事件を不動産情報から謎を読み解くというものである。しかもその情報がかなりマニアックで「利回り」「間取り」など誰でも分かるような情報から不動産投資家でしか分 […]

豆腐の角に頭ぶつけて死んでしまえ事件

本書のタイトルを見ただけでもナンセンスコメディであることがよく分かる。しかしよく考えてみるとなぜ罵倒の言葉の一つに「豆腐の角に頭ぶつけて死ね」と言う言葉は調べてみると、 「「死ね」という罵倒表現を冗談めかして滑稽に述べる言い方。落語に由来する。冗談を冗談と受け止められないようなつまらない人間を揶揄する(明白な冗談であるが真に受けてしまえという意味を込めた)言い回し」(Weblio辞書より) とある […]

好きなひとができました

一見ポジティブな言葉のように見えるのだが、好きな人から、あるいは恋人から言われると、これ以上傷つけられるような言葉は存在しないのだという。彼女はおろか恋愛自体が何十年もない自分にとってはどれほど傷つけられるのかは未知数である。 しかしその言葉はとてつもなく重く、なおかつ残酷であり、人によっては殺人事件を起こしたり、自暴自棄になったりすることさえもある。またまさに「慟哭」と呼ばれるほどの酷い悲しみに […]

仏像ぐるりの人びと

とある大学生がアルバイトのため仏像修復師のところにて働くところから物語は始まる。生活費を稼ぐために働き始めたのだが、そこから仏像の魅力にのめり込み始め、謎の仏像との出会いから、仏像の研究会に入り、謎を解明するといったことにも巻き込まれるようになった。 仏像を基軸にしている物語である一方で、それを巡った主人公、さらには仏像修復師とその家族との人間模様が仏教で言う所の「曼荼羅(まんだら)」のように広が […]

迫りくる自分

ある種の「ドッペルゲンガー」のような本なのかなと思いきや、まさにその通りの一冊であった。自分自身の顔をした赤の他人が、偶然会い、とある事件に遭遇する。その事件に対して犯人扱いされるといった「冤罪」に遭い、逃走劇を繰り広げることになる。 「ドッペルゲンガー」といった言葉がよく似合うかもしれないのだが、奇想天外ながらも不思議な事象であるため、それに戸惑いながら、逃走を続けると言ったものである。また人間 […]

三世代探偵団 次の扉に棲む死神

祖母・母・娘と三世代がそろって探偵として事件の解決に導くという奇想天外なミステリーである。女性が三人とくると「女三人寄れば姦(かしま)しい」という諺を思い出す。本書でも例に漏れず、それぞれのキャラクターが立っており、何と言ってもおしゃべりであるだけに姦しさが溢れている。 本書はその三世代の親子たちと縁のある舞台で起こった謎の事件である。その謎の事件の真相を追うべく親子たちが謎を解いていくのだが、何 […]