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中公新書

マックス・ウェーバー-近代と格闘した思想家

社会学、資本主義、政治思想など、ありとあらゆる学問にて「合理性」を始め、画期的な学説を発表し、なおかつ「職業としての学問」や「職業としての政治」など多くの著書を上梓してきたマックス・ヴェーバー(マックス・ウェーバー)が没してからちょうど100年である。 このウェーバーの思想は大東亜戦争後の日本でも丸山眞男を始め、多くの社会学者に影響を及ぼしたことは言うまでもない。このマックス・ウェーバーの生涯につ […]

安楽死・尊厳死の現在-最終段階の医療と自己決定

本書は「安楽死」と「尊厳死」について取り上げているが、実は2つとも同じように見えて、意味合いが全く異なる。「安楽死」は、 助かる見込みのない病人を、本人の希望に従って、苦痛の少ない方法で人為的に死なせること。「広辞苑 第七版」より とあり、一方の「尊厳死」は、 一個の人格としての尊厳を保って死を迎える、あるいは迎えさせること。近代医学の延命技術などが、死に臨む人の人間性を無視しがちであることへの反 […]

ウニはすごい バッタもすごい – デザインの生物学

動物は数え切れないほどの種類があり、中には人では想像もし得ないような要素がある。本書で紹介するウニやバッタをはじめとした動物には、想像し得ない「すごい」特性があるのだという。その特性とはいったいどこにあるのか、デザインの観点から取り上げている。 第1章「サンゴ礁と共生の世界―刺胞動物門」 「刺胞」動物と呼ばれるものとしてサンゴもあれば、有名どころとしてはクラゲがいる。クラゲの中には攻撃的な行動とし […]

海外で研究者になる-就活と仕事事情

昨年の統計になるのだが、小学6年生男子が将来なりたい職業として第1位には「公務員」で、第2位は「研究者」という結果があった。安定的な傾向があるように見えて、一つのことにこだわってみたいという傾向が強いのかもしれない。 本書はその研究者の日常と現状を取り上げているのだが、少し違う点としては海外における大学などの機関において研究を行っている研究者たちがどのようにして仕事に就き、研究に勤しんでいるのかを […]

ヴィルヘルム2世 – ドイツ帝国と命運を共にした「国民皇帝」

ドイツ帝国最後の皇帝であり、プロイセン王国最後の国王でもあったヴィルヘルム2世は、一貫した帝国主義を主張し、第一次世界大戦の引き金を招いた。さらにその世界大戦で実権を喪失し、さらにはドイツ革命までもたらされ、退位・亡命し、生涯を終えると言った生涯だった。なぜ彼は世界帝国を目指し、そして第一次世界大戦の引き金を引いたのか、その生涯を追っているのが本書である。 第一章「二人にヴィルヘルム」 ヴィルヘル […]

太閤検地-秀吉が目指した国のかたち

豊臣秀吉が「太閤」になってから盛んに行われた検地であるが、検地はいったい何なのかと言うと、 「豊臣・徳川政権下で、村内の田畑・屋敷を一筆ごとに間竿(けんざお)・間縄などを用いて測量し、段別(たんべつ)・品位・石高・名請(なうけ)人を定める、土地の基本調査。さおいれ。なわうち。地検。」(「広辞苑 第七版」より) とある。実際には太閤の時代以前にも明智光秀を討った山城の戦い後から、秀吉が逝去するまで毎 […]

織田信忠―天下人の嫡男

天下人となった織田信長の嫡男であった織田信忠(おだのぶただ)は織田家当主の後継者として有力で、なおかつ家督を継ぎ、天下人としての道を進もうとした矢先、本能寺の変にて、父・織田信長とともに自害したことで知られている。わずか26年の生涯であったのだが、まさに戦国時代の最中を生きた息子どころか、若き武将としての側面もある。本書は織田信忠の生涯を追っている。 第一章「信忠の一門衆」 信忠が生まれたのは15 […]

日本統治下の朝鮮 – 統計と実証研究は何を語るか

1910年の朝鮮併合から、1945年の大東亜戦争終焉まで日本の植民地となった朝鮮半島。その朝鮮半島では創氏改名をはじめ、日本の文化に改めたり、弾圧を受けるといった論調が主だったのだが、果たして併合後の朝鮮半島はどうなったのか、併合後の史料を通じて考察を行った書籍はいくつか存在する。ちなみに本書もその一つであるのだが、あくまで「実証主義」として、史料をもとに、なおかつ経済的な観点から論じしているのが […]

小泉信三―天皇の師として、自由主義者として

本書で取り上げる小泉信三は経済学者であり、本書のサブタイトルにもある「天皇の師」でもあった。その「天皇」は現在の上皇陛下であり、戦後間もない時に教育掛となった経緯がある。こちらの詳細については第4章で詳しく述べることにするのだが、経済学者として、上皇陛下の教育掛として活躍した小泉信三の生涯を評伝として取り上げたのが本書である。 第1章「父と修学時代」 小泉信三の父は小泉信吉(こいずみのぶきち)であ […]

理科系の読書術 – インプットからアウトプットまでの28のヒント

「本を読むのが苦手」と言う人は少なくない。かつて「蔵前トラックチャンネル」のYouTubeチャンネルで取り上げていた時のこと、そういった悩みを抱えるメール、あるいは実際に出会う方々のなかにもそういった人から「私、本が苦手で、どうやったら沢山読めるんですか?」と質問されることもあった。 本の読み方は人それぞれであり、私のように多読になれと言うことは言わないし、1ヶ月に1冊だけ読むと言う方もいてもいい […]