TAG

中公新書

組織を変える“常識”―適応モデルで診断する

会社にしても、部署にしても、プロジェクトにしても、「組織」と呼ばれる。組織は日本に限らず、社会において重要な役割を担っているが、組織によっては、良い効果をもたらすこともあれば、悪い効果をもたらすこともある。もっと言えば組織は日々刻々と変化するのだが、もちろん変わらないところもある。 玉虫色の答えになってしまったのだが、「組織」は一つの「枠組み」であり、そこでまかり通る「常識」が存在する。その枠組み […]

小津安二郎文壇交遊録

日本を誇る映画監督は数多くいるのだが、その筆頭には「世界のクロサワ」と言われた黒澤明氏がいる。その黒沢氏とほど近い、あるいは対をなす存在として戦後映画を支えてきた名監督・小津安二郎氏がいる。小津氏の映画には「東京物語」「秋刀魚の味」などがある。それと同時に、北鎌倉に住んでいたこともあり、当時の鎌倉文士たちとの交流もあった。本書は戦後における日本映画を支えてきた小津氏の映画の参考となった読書、そして […]

ハプスブルク三都物語 – ウィーン、プラハ、ブダペスト

かつて東欧には「ハプスブルク帝国」が存在し、長い歴史の中で、建造物や音楽など東欧における文化の根幹をなしてきた。そのなしてきた文化の遺産は今でも東欧諸国に根付いている。本書はオーストリアのウィーン、チェコのプラハ、ハンガリーのブダペストの三都市で紡いできた歴史と名所をもとに、ハプスブルク帝国の足跡について追っている。 Ⅰ.「ハプスブルク帝国と三都の歴史」 最初に「ハプスブルク帝国」について書いてお […]

寄生虫病の話―身近な虫たちの脅威

「寄生獣」と言うマンガをご存じだろうか。元々漫画作品としては1988年~1995年の7年間連載されたわけだが、人気は未だに衰えず、今年にはアニメ・実写映画化された。既にマンガは終了しているものの、これからもブームを巻き起こすと言われている。 本書はその「寄生獣」と「寄生虫」との関連性はないのだが、「寄生獣」を見て自ずと「寄生」とは何かと言うことを知りたく手に取った次第である。本書はなぜ「寄生虫」に […]

もしもあなたが猫だったら?―「思考実験」が判断力をみがく

本書のタイトルを見ると「思考実験」と言うよりも心理テストをやっているような感じがしならない。しかし「もしも」を自分自身に置き換えて考えてみたら、特性を知る事ができるだけでは無く、思いも寄らぬ仮説を立てる事ができる。その仮説を立てるためには「論理」もあるのだが、本書のサブタイトルにある「判断力」はもちろんのこと、「科学的思考法」を鍛えることが出来る絶好の機会である。 ではどのような「もしも」があるの […]

アイルランド紀行 – ジョイスからU2まで

ヨーロッパはイギリス、イタリアなど有名な国は数多く存在する。しかしあまり知られていない国も存在しており、その中にはイギリスの隣国である「アイルランド共和国(以下:アイルランド)」が存在する。アイルランドというと大都市である「ダブリン」以外はなかなか知られていない。そう考えると、私たちの知らないアイルランドの魅力は本書の中に隠されているのかもしれない。本書は知られざるアイルランドの魅力について「紀行 […]

大阪―大都市は国家を超えるか

私自身東京はあまり好きではない一方で、大阪へのあこがれはある。というのは元々北海道に住んでいたときに大阪の番組が放送されて、あこがれを持った記憶がある。そう、今年の1月に逝去されたやしきたかじんの番組である。東京とは違い、本当の意味で本音を語り、そして面白さを見出している。また大阪は「食いだおれの街」であるが如く、粉もんをはじめとした料理の質がやすいながらも良い事でも知られている。 しかしその一方 […]

知的文章とプレゼンテーション―日本語の場合、英語の場合

文章を作るのは何とも難しい。私がやっている書評のように散文を書くものもあれば、論拠をきちんとし、理路整然とした文章を書く「論文」も存在する。文章の用途は様々であり、書くモノに応じて対応をしていく必要があるため、本当にどういった文章が求められるのかは、もの・ことによって異なると言っても過言ではない。 話がそれてしまった。本書は論文を書くための「知的文章」の作り方とプレゼンテーションのあり方について、 […]

チョコレートの世界史―近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石

2月14日はバレンタインデーである。 その当日まではお菓子屋やデパート、ショッピングモールなどではいろいろなチョコレートが販売され、本命・義理関わらず、大盛況である。ちなみに私は独り身であるので、自分でチョコを買って食べるというくらいである(もちろん仕事上のティーブレイクとして)。 それはさておき、バレンタインデーは本来「269年にローマ皇帝の迫害下で殉教した聖ウァレンティヌス(テルニのバレンタイ […]

ミッション・スクール

学校には色々なものがあるのだが、中でも「ミッション・スクール」というのは高尚さ、荘厳さのある響きがある。私立の学校であったり、女子校であったり、というようなイメージも少なくない。取り分け「女子校」のイメージは小説「マリア様がみてる」によって形成づけられたと言っても過言ではない。 しかし「ミッション・スクール」は女子校特有のものではなく、男子校もあれば、共学校も存在する。ではいったいどのような経緯で […]