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事件

日本の自殺

日本では毎年3万人以上が自殺をしている。その多くは老後を迎えようとしている世代であるが、最近では今の社会に絶望し、自殺を遂げる若者も増えている事実がある。 その「自殺」には今も昔も社会・文化に宛てられた「メッセージ」を表している。 本書は1975年に文藝春秋において発表された「日本の自殺」を取り上げているのだが、ちょうど経済成長の踊り場を迎えたことから共通点があるのかもしれない。 第一章「衰退のム […]

銀河に口笛

自分自身が振れたことのない雰囲気を醸している。自分自身も昭和の生まれではあるが、物心がついた頃は平成に入っていたため、その「昭和の雰囲気」がいったい何だったのだろうかわからない。今の30代~40代が子供の時、何をして遊んでいたのか、漫画や本から何をしていたのかは観ることができるものの、どのような雰囲気で、どのようなテンションで遊んでいたのかは想像できない。 その触れたことのない雰囲気の中に突然現れ […]

団塊モンスター―“妄走老人”たちの事件簿

価値観や常識は時代とともに移ろいで行く。しかしその時代に取り残され、昔の価値観や常識を振り回し、周りを辟易する人がいるのだという。本書のタイトルは「団塊世代」におけるそのような人たちにスポットライトを当てているが、すべての「団塊世代」ひとがそうではなく、かつ「団塊世代」ではなくても、昔の価値観を振り回す人もいることを前置きとして加えておく必要がある。 第一部「妄走老人」 「団塊世代」の多くは企業が […]

近所がうるさい!―騒音トラブルの恐怖

「ご近所様」という言葉はもはや「死語」なのだろうか。 「近所迷惑」になるようなことがもはやニュースで取りざたされるほどの「事件」になることも最近では多くなってきている。「近所迷惑」という訳でも無いが、「騒音被害」としては直近でも羽田空港の再拡張により千葉氏への騒音苦情が大幅に増えたというニュースがあった。「ご近所様」と呼ばれる時代の中で様々なことを共有したり許しあった時代があった。たとえそれが「騒 […]

40年目の真実―日石・土田爆弾事件

日本には風化してしまい、真相ですら闇に葬られてしまった事件が数多くある。本書で紹介する「日石・土田爆弾事件」もその一つである。 「日石・土田爆弾事件」は1971年10月、及び12月に発生した事件であり、昨年ちょうど40年を迎えた。もっともこの時期は「学生運動」や「全共闘」などが活発に行われた時期であり、それに関連する事件も多発していた。「日石・土田爆弾事件」もその一つと言えるのかもしれない。 本書 […]

預言

本書を紹介する前に、「予言」と「預言」の2つの言葉の違いを紹介したい。 「予言」・・・未来の物事を予測して言うこと。また、その言葉。 「預言」・・・キリスト教で、神託を聴いたと自覚する者が語る神の意志の解釈と予告。また、それを語ること。(いずれも「goo辞書」より) 本書はタイトルにあるとおり後者のことを指しており、9.11事件以後の世界をフィクションという形で映した作品である。 「9.11」と「 […]

キッド

本書は死体遺棄幇助を題材にした一冊であるが、その「死体遺棄」にまつわる作品だと暗く、かつ陰湿な印象を持ってしまうのだが、本書はそのような印象は無く、むしろハラハラ・ドキドキ・痛快・爆笑と言うように、どちらかというとポジティブな印象をもってしまう。 過激な題材を笑いとスリルで味わえる作品であるだけに、何度も読み返したくなる。わかりやすいと言うよりも、むしろ何度も読みたくなる文章を目指したい人に取って […]

無差別殺人の精神分析

昨年の6月に秋葉原無差別殺人事件が起きてからもう1年と2カ月経つが、その事件の傷跡はまだ残っている。それだけではなく度重なるインターネットにおける掲示板での「殺人予告」が後を絶たず、これから無差別殺人が起こるか分からない状態である。先ごろでも数々の無差別殺人事件があり、国民たちを恐怖に陥れている。本書はここ最近起こった無差別殺人事件を精神医学的に分析を行っている。 第一章「秋葉原無差別殺傷事件」 […]

出版と自由―周縁から見た出版産業

本書は出版ニュース社から出ている「出版ニュース」から月1回連載されている「ブックストリート・流通」欄で取り上げたものを集積した一冊である。 ここ最近では「出版不況」と呼ばれているだけに出版業界内部の実情をありのままに描いている。 「出版と自由 2003年」 この年ばかりではないのだが、ここで取り上げらげられているのは、 「松文館摘発事件」 「ポイントカード問題」 「個人情報保護」 「宝島社裁判判決 […]

「裁く」ための練習帳―裁判員の必読本

もうじたばたしても明日21日から「裁判員制度」が開始される。裁判員制度については、当ブログで紹介してきたが、その中でも関連性の大きいものをピックアップしてみた。 「なぜ僕は「悪魔」と呼ばれた少年を助けようとしたのか」 「アメリカ人弁護士が見た裁判員制度」 「重罰化は悪いことなのか 罪と罰をめぐる対話」 それだけではなく、前身の「蔵前トラック」でも幾度となくこの「裁判員制度」、もしくは「刑事事件の在 […]