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光文社新書

その落語家、住所不定。タンスはアマゾン、家のない生き方

泥棒しろ、ただし、俺の家は駄目だぞWikipediaより抜粋 これは著者の大師匠である七代目立川談志が弟子に対して言った言葉である。もっとも噺家はまっとうな仕事・発言などを行ってはならず、なおかつまともな生き方をするなということを意図して発言したのかも知れない。 そう考えるのであれば、その発言に対して忠実に行った孫弟子が本書の著者と言えるのかも知れない。 著者は噺家としては珍しい家を持たない。もっ […]

恋愛制度、束縛の2500年史 古代ギリシャ・ローマから現代日本まで

現在の日本で恋愛制度といった法律は存在せず、あったとしても「結婚」に関して民法に定められた制度がある。そう考えると「制度」というのは存在しないのだが、宗教的な概念、あるいは文化的な概念から、暗に「制度」と言うような形にしているとも考えられる。一般的な「恋愛」は万国共通、と言いたいところだが、国や時代によって、恋愛の形は異なってくる。本書は古代から中世、さらには日本や欧州など、様々なケースで持っての […]

お金のために働く必要がなくなったら、何をしますか?

もしも本書のタイトルのお題を私が問われたとしたのであれば、私は変わらず「働く」と答える。もっとも私自身はお金のために働く側面もあるのだが、それ以上に「愉しみ」で働くと言った側面もあり、お金が十分に得られたとしても、「愉しみ」が残っているため、働くことは変わりないためである。 さて本書の話に入るのだが、本書は「ベーシックインカム(最低限所得保障の一種)」についてである。実際に国によってはベーシックイ […]

平成・令和 学生たちの社会運動 SEALDs、民青、過激派、独自グループ

「学生運動」は過去の産物のように見えるのだが、実は現在も存在しており、有名どころで言えば、特定秘密保護法の2015年の平和安全法制に伴う、2015年安保運動に関して新しく出てきた団体「SEALDs(シールズ、自由と民主主義のための学生緊急行動)」が有名である。SEALDs自体、本体は2016年に解散したが、地方の派生団体である「SEALDs RYUKYU」は現在も活動を続けている。 平成、そして令 […]

AV女優の家族

「AVに関わっている」と言うだけで偏見を持たれることが多くある。メディアでも取り上げられるのだが、その頻度はわずかなものである。その一方で、ここ最近ではアイドル視されているような感があるという。そのAV女優たちの現実と信念、そして家族たちはどのような想いなのかを取り上げているのが本書である。 Chapter1「白石茉莉奈」 白石茉莉奈は既に結婚しており、家庭も持っている。しかしその夫に隠して仕事を […]

フェイクニュース時代を生き抜く データ・リテラシー

ここ最近のメディアでは誰でもが発信し、誰でもがコメントできる、ある意味メディアの双方向化が行われていると言っても過言ではない。そのような風潮の中で、いわゆる「フェイクニュース」と呼ばれるものがよく叫ばれている。とはいえあくまで本や既存メディアなどで大きく叫ばれているだけで、実際にフェイクニュースの概念自体は瓦版があった江戸時代のころからずっと存在している(内容は幽霊や妖怪など荒唐無稽の話だが)。 […]

図解 宇宙のかたち 「大規模構造」を読む

宇宙には無数の銀河が存在しており、研究の中でまだ解明されていない者も多数存在する。それだけ宇宙は「無限」に限りなく近い場所とも言える。その宇宙のかたちは現在知られている中でどのような存在なのだろうか、本書は「図解」として取り上げている。 第1章「宇宙の階層」 季節は冬となりつつあり、空気も澄んできた。そのため夜になると悪天候ではない限り星が見える。しかもハッキリとして。その星々を見てみると惑星や恒 […]

なぜ女はメルカリに、男はヤフオクに惹かれるのか?

ここ最近メルカリなどのフリマサイトについては悪い意味で目立っている。それはせっかくの限定品、話題となった品だったにもかかわらず、フリマサイトで転売して荒稼ぎしようとしている人がおり、そのことによって悪い意味で取り上げられる。また少し前にはマスクや消毒液が品薄となり、高額の転売が相次ぎ、法整備を行った出来事もあった。 本書はフリマサイトを賛美すると言うのではなく、マーケティングの面で「なぜ支持される […]

空気の検閲 大日本帝国の表現規制

「検閲」と言うと、表現の自由を規制する中でもっともネガティブな存在である。というのは元々日本国憲法にある「表現の自由」に違反していることにある。とはいえ本書はあくまで戦前、日本国憲法が生まれる以前の「大日本帝国憲法」が定められていた時代に遡る。大日本帝国憲法においては言論の自由は担保されているのだが、「法律の範囲内」とされている。これは表現の自由に関する法律による規制の範囲内で許されると言うことを […]

文学こそ最高の教養である

よく「教養」と言う言葉を目にする。「教養」とは辞書で見てみると、 「1.おしえそだてること。  2.社会人として必要な広い文化的な知識。また,それによって養われた品位。  3.単なる知識ではなく,人間がその素質を精神的・全人的に開化・発展させるために,学び養われる学問や芸術など」(「大辞林 第四版」より) とある。解釈によっては1.にもなり、2.にもなり、3.にもなるため、一概に「これだ」と言うこ […]