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別れ

ぐるり

人の生きる道も季節と同じように、ぐるりと巡る。それは人の出会い・別れもまた同じようなものなのかもしれない。その人との出会い・別れ、さらにはすれ違いなどの交錯がふんだんに盛り込まれている小説集の一冊である。短編集のようにも見えるのだが、短い作品もふんだんに盛り込まれているため、どちらかというとショートショートと言える。 実は著者自身作家であるものの、作詞家、バンドミュージシャン、ラジオパーソナリティ […]

それは桜のような恋だった

「桜の季節」というと、言うまでも無く春である。しかし少し細かくなると桜の開花時期は地域によって変わるため、厳密に言うところの「桜の季節」は変わってくる。例えば九州から本州までは3月末~4月初めが見頃である一方で、沖縄は1月末~2月頃、北海道に至っては4月末~5月上旬が見頃となる。 それはさておき、桜の季節というと出会いと別れの季節である。その中でも特に別れは印象的になってくる。本書の舞台は京都。と […]

百年と一日

「さよならだけが人生だ」 これは元々井伏鱒二の言葉で有名のイメージだが、中国大陸における唐の時代において干武陵と呼ばれる詩人がつくり、井伏鱒二が意訳したものである。しかしいつしか井伏鱒二が発した名言として有名なものとして挙げられる。 もっとも日常の中で、どうしても「出会い」と「別れ」がある。その中でも長い人生の中でたった一日なのかも知れないのだが、一日の出来事の中では、人生のターニングポイントとな […]

人魚姫の椅子

ロマンチックなタイトルのように見えるのだが、実際には小説を書く高校生と椅子職人との交流を描いているのだが、季節は移ろいながら関係は変化する。それは人の成長も含めて変わってくる。その変わってくる中では距離も出てきて、いつしか「別れ」も出てくる。その当たり前と呼ばれることもいつか終わることを受け入れられなかったことが、失踪事件の引き金となった。 何てことない2人の関係がなぜ失踪事件の引き金となったのだ […]

世界のすべてのさよなら

「サヨナラダケガ人生ダ」 この言葉は井伏鱒二が「人生足別離」を邦訳したものであり、井伏鱒二の言葉の中でも最も有名なものとして取り上げられている。もっとも人生には出会いと別れがあり、その中でも別れは必ずといってもいいほど遭遇するものである。仲間、友人、家族…挙げるだけでもきりが無いほどにある。そして人生の最後には「この世」の別れとなる。 それはさておき、本書は同級生4人の人間関係が織り交ぜられている […]

失恋天国

結婚式寸前でフラれた人にて届いた手紙が「失恋学校」の入学案内である。その入学案内をもとに「失恋学校」への入学を決めた。その入学した学校では同じように様々な「失恋」を体験した女性たちが集まった。 しかもその学校の授業内容も非常にユニークで失恋をいかにして忘れていくか、そしてその失恋をいかにして乗り越えていくかを取り上げている。 本書のタイトルからして印象的なのだが、失恋をした女性たち心理も事細かく描 […]

さよならは小さい声で

3月は「別れ」の時期である。この時期に卒業式を開催し、最上級生はそれぞれの道を歩むべく別れる。その別れの挨拶としてあるのが「さよなら」である。もっとも「別れ」は卒業式に限らず、様々なところである。人生が「一期一会」という言葉があるように。 本書はその別れの言葉を基軸にしたエッセイ集である。日常から夢、お金の使い方、朝食や育児、しつけや家事全般、人間関係などを取り上げつつ、著者本人が体験した様々な別 […]

花が咲く頃いた君と

本書のタイトルにある「花のさく頃」、そこに出ている花は「ひまわり」「コスモス」「椿」「桜」と春夏秋冬を表している。順番で言ったら夏・秋・冬・春の順と言える。特に「桜」は関東では来月咲き、別れと出会いの両方を象徴付け、所によっては年度をまたぐ象徴としてある。 四季それぞれにある「花」、その花とともに彩られる青春が本章に収められている。もちろん本書で取り上げている物語は最初に書いてあった四季それぞれの […]

日本人はなぜ「さようなら」と別れるのか

「別れ言葉」というのがある。その「別れ言葉」のは「また会いましょう」や「お元気で」の他に、日本語には「さようなら」が存在する。「さようなら」の語源は「さらば(去らば)」という接続詞からきている。本書はその「さようなら」の成り立ちの歴史について探求した一冊である。 第1章「「さらば」「さようなら」という言葉の歴史」 元々「さらば」という言葉は「接続詞」だったことは最初にも記した。その「さらば(然らば […]