TAG

友人

つながりの蔵

人には必ず、何かしらの「つながり」を持っている。親子にしても兄弟姉妹にしても、友人にしても、職場・学校の人間関係にしてもである。 本書はとある小学生が家の外れにある蔵が舞台である。小学生は父を亡くし、母と兄弟とで暮らしていた。その哀しみを隠しながら友情・恋愛・ファッションとを謳歌しながら、友達と一緒にとある蔵に入った。 その蔵にはもちろん昔ながらもものや、親・祖父母、あるいはその上の代にまつわる品 […]

エチュード春一番 第一曲 小犬のプレリュード

家族が父の転勤に伴い離れると共に、一人大学のために自宅へ残った女子大生。新しい大学生活も決して良いものではなく、なおかつ家族もいない中での実家暮らしで、もやもやとした毎日を送っていた中で、ある犬が迷い込み、飼うことになった。しかしその犬は不思議な力を持っているだけでなく、人間の言葉をしゃべる犬で、しかも自信を「神」と名乗るのだから、不思議と言うよりも「奇妙」という他ない。 1人と1匹の犬とで暮らす […]

イノセント・ツーリング

よく巷にある小説は近未来や過去などを描いている所がほとんどだが、本書ほど現在の状況をもとにした作品はないと考える。コロナ禍の第一波がやって来て、1回目の緊急事態宣言が発令され、閉塞感漂うような日常から開放され、ようやく初夏を迎えたときに、止まりかけていた日常を探し求めるためにツーリングを行うという作品である。 しかしこのツーリングにはコロナ以外にも理由があった。それは若くして命を失った親友の家族と […]

「さみしさ」の研究

「さみしい(寂しい・淋しい)」を辞書で引いてみると、 「1.もとの活気が失せて荒廃した感じがする。  2.欲しい対象が欠けていて物足りない。満たされない。  3.孤独がひしひしと感じられる。  4.にぎやかでない。ひっそりとして心細い。」(「広辞苑 第七版」より) とある。本書の中核はどちらかというと3.の意味にあたる。ツービートとして漫才ブームを牽引し、そして映画監督としても活躍するなど、いちお […]

肉骨茶

家族は旅をしていたのだが、その旅の最中に家族と抜け出し、友人の別荘に身を隠すことになった。しかしその身を隠した先で「食」の地獄に身を投げることになった。その食を逃れるための旅と逃走に対して、結局のところ「食」の尊さと言うよりも、そのものの「怖さ」と言うものを思い知らされた一冊と言える。 中編ではあるものの読みやすさもあるのだが、その「生きる」ことにおける「食」を考えさせられ、なおかつ食に対するあり […]

アドラーの思い出

今年のビジネス書のキーワードとして取り上げられるのが「アドラー」、もしくは「アドラー心理学」が挙げられる。「アドラー」はアルフレッド・アドラーのセカンドネームから取っており、19世紀終わりから20世紀始めにかけて活躍した心理学者で、夢理論で大成したフロイトと双璧をなす存在である。しかしこれまではなかなか認知されていなかったのだが、昨年末に「嫌われる勇気」が発売され、大ヒットしたことを皮切りに、数多 […]

女友だちは自分を映す鏡です

「男と女」、同じ人間であるが、身体的特徴から思考まで異なる。よく「女友だち」や「男友だち」など異性の友だちを作っているという話しをよく聞くが、異なる特徴を持つものだからでこそ通じあえるものがあるのかもしれない。 ちなみに私はというと中学・高校・大学と、部活・サークル柄、「女友だち」が多かった。当時はごく自然なものだと考えていたのだが、今となっては「どうして女友だちができたのだろう」について意識し始 […]