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古典

シン・君主論 202X年、リーダーのための教科書

歴史的な古典がビジネスに通用する要素は沢山あり、それをもとにビジネス、人生にどう活用していくのか、あるいは名著に関しての「解釈」について取り上げている本は数多くある。そこで本書である。本書はマキャヴェッリの名著として知られる「君主論」をリーダーやマネジメントにどのようにして活用していくのかを説いている。 第1部「なぜ今、君主論か」 元々マキャヴェッリの「君主論」は君主制における国の王、「君主」とし […]

日本のヤバい女の子

女の子にも色々な人がいる。その「色々」の傾向自体は男の子のそれとは大きく異なるが。女の子の中には、同性から見ても「ヤバい」と思われてしまう女の子もいる。本書では、そのようなこの姿を取り上げている。 しかも本書で取り上げている女の子は全て古典、それも日本文学における登場人物である。もっとも「ヤバい」とひとえに言っても様々な種類であるのだが、突然いなくなる、キレる、人間をやめる、相手を殺す、理不尽にハ […]

黄金夜界

著者の橋本治氏の最期の一冊である。なぜ「最期」と記載したかというと、本書を描き終えた後の2019年1月、肺炎のためこの世を去った。橋本氏は言うまでも無く作家として、さらには評論家として多芸多才に富んでいた。 本書の話に入るのだが、元々明治期のベストセラーに尾崎紅葉の「金色夜叉」がある。最愛の恋人を奪われ、その怨恨から高利貸しとなり、復讐を行うというものである。それを現代版にアレンジしたのが本書であ […]

入門 万葉集

昨年の5月1日に、30年以上続いた「平成」の時代が終わり、元号が「令和」に改められた。もう間もなく1年の時を迎える。 そもそも「令和」は、この万葉集から取られており、原文では、 「于時初春『令』月 氣淑風『和』 梅披鏡前之粉 蘭薫珮後之香」(巻五、梅花謌卅二首并序) から来ている。令和の部分を取っていくと、 「時は初春の『令(よ)』い月で、空気は美しく、風が『和』やかで~」 と訳せる。決して命令の […]

人を自在に動かす 武器としての「韓非子」

著者の鈴木様より献本御礼。 中国の古典はいくつもあるのだが、「韓非子(かんぴし)」もまた有名な古典の一つである。その古典では論語などにはなかったリーダー学や帝王学が存在する。その一つとして「人を動かす」為のリーダーのあり方が記されているほどである。本書は人を動かすためのリーダーとしての術について韓非子をもとにして取り上げている。 第1章「人が動くには法則がある」 人を動かすためにはまず人がどのよう […]

図解 今すぐ使える! 孫子の兵法

著者の鈴木様より献本御礼。 「孫子の兵法」と言えば、世界最高の戦略書として有名であり、古今東西の有名人が愛読し、実践されたものである。ビジネス書としても、数多くの本で取り上げられているのだが、実際にビジネスの場でどのように使ったら良いのか分からない方も多い。 本書はその「孫子の兵法」を「図解」とあるだけに、すぐに実践できるよう、図をふんだんに用いて、わかりやすく解説している。 第1章「人生で大事な […]

『源氏物語』と騎士道物語―王妃との愛

「源氏物語」は平安時代、紫式部が描いた恋愛文学であると同時に「姦通文学」と呼ばれる、いわゆる官能小説のような作品と言える。しかし「源氏物語」は代表的な日本文学作品として、日本はもちろんのこと、海外でも取り扱われることが多い。著者もアーサー・ウェイリーが英訳した「源氏物語」を読み、感銘を受けた一人である。 海外から見た「源氏物語」の魅力と、欧米に存在する「騎士道」と絡めて考察を行ったのが本書である。 […]

あらためて教養とは

自分自身様々な本と出会う。中には「教養本」と位置づけられる本も少なくない。最近ではビジネス書が隆盛している傾向を憂い、「教養」を身につけるべき、という声もよく聞くのだが、はたして「教養」とはいったい何なのだろうか。調べてみると、 「1.教え育てること。 2.学問・芸術などにより人間性・知性を磨き高めること。その基礎となる文化的内容・知識・振舞い方などは時代や民族の文化理念の変遷に応じて異なる」(「 […]

やさしい古典案内

最近では「ビジネス書」をよく見かけ、当ブログでもビジネス書をよく取り上げる。しかし最近になって「貞観政要」などの古典にも目を向こうとしており、これから書評に関するシリーズを挙げているが、いずれも「古典」にフォーカスを当てている。 元々古典は読みにくい印象があったのだが、読めば読むほど、その作品についての深みを覚え、読んでいくうちに時が過ぎるのを忘れてしまう。まさにじっくり読むためであり、考え方とし […]

シリーズ「『貞観政要』を読む」~11.巻十<行幸><畋獵><慎終>~

<論行幸第三十六> 貞観政要最後となる巻十の最初は「行幸」について議論をしたところから始まります。 「行幸(ぎょうこう)」とは、 「君主が宮殿の外に行くこと。その行く先に幸福が生まれることを表す」(「貞観政要 下 新釈漢文大系 (96)」p.752より一部改変) と言います。 ————————̵ […]