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哲学

死の練習 – シニアのための哲学入門

先に断っておきたいのだが、本書は「自殺マニュアル」ではない。必ず訪れる「死」に対して、どのような心構えを持つべきかを説いている一冊である。サブタイトルにもあるように、シニア世代をターゲットにしている一冊であるのだが、いつか死を迎えるにあたって考えるべき内容のため、どの年代でも読むべき一冊と言える。そもそも「死」とはいったい何か、そして人生における現在・過去・未来などの変化はどこにあるのかなど、様々 […]

直線は最短か?~当たり前を疑い創造的に答えを見つける実践弁証法入門~

ヤマハミュージックエンターテインメントホールディングス 片山様より献本御礼。 たった一つの出来事で、人生は大きく変わる。本書の著者は今から25年前に起こった「地下鉄サリン事件」に巻き込まれた。その事件で負傷し、現在も後遺症を患うこととなった。その後マーケティングの仕事をしていたが、人生を見直すことにより様々な道を経て現在に至っている。その至った中で活かすことができたのが本書で紹介する「弁証法」であ […]

ファッションの哲学

ファッションは元々身なりのことを表しているのだが、そのファッションにしても身体のこともあれば、さらには流行もある。流行の先には文化や産業、表現といった要素があり、表現の在り方もファッションとともに変わっていく。 ではファッションはどのような「哲学」を持っているのか、本書はそのことについて取り上げている。 第1章「着ているもので、その人がわかる」 私自身もそうであるのだが、ファッションに「無頓着」な […]

プラトン哲学への旅―エロースとは何者か

古代ギリシャの哲学において重要な人物は何人もいるのだが、本書で取り上げる人物はその中でもプラトンの哲学について取り上げている。プラトンはソクラテスの弟子であり、なおかつアリストテレスの師でもある。プラトンの哲学というと「イデア」と呼ばれる理論が有名であると同時に、ソクラテスの足跡を書面で残したという功績もある。そのプラトンの哲学はどのようにして醸成していったのか、本書では著作の一つである「饗宴」を […]

宇宙はなぜ哲学の問題になるのか

宇宙は解明できていないものが多くあり、実際に無限なのか有限なのかも未だに不明である。もっとも人間の思考の域を遥かに超えていることは明らかだが、実際に「どこまで」というのは未だに分からない。 もっとも宇宙論を哲学で語るのは難しいように思えるのだが、実際に科学にしても、数学にしても、その根源を辿っていくと「哲学」に帰している。 そもそも哲学における「宇宙」はどのように論じてきたのか、哲学の歴史と宇宙解 […]

ガダマー入門―語りかける伝統とは何か

本書は哲学的考察であるのだが、ドイツの近現代の哲学者である、ハンス=ゲオルク・ガダマーを取り上げている。ガダマーが逝去したのは2002年。18年前のことである。当時の哲学というと、ハイデガーやハーバーマスといった人物が有名で、ガダマーは私自身も本書に出会うまでは知らなかった。本書はガダマーの哲学について入門書として取り上げている。 1.「ガダマーの伝統的解釈学批判は誤っているのか?」 ガダマーの哲 […]

人工知能時代を<善く生きる>技術

ソクラテスの意志のなかに「単に生きるのではなく、善く生きる」と言う言葉がある。それは自らの哲学(フィロソフィア)を持つだけでなく、青少年を堕落させた罪を着せられた裁判でも自身の信念を貫き通したことでも有名である。 その「善く生きる」ことを考える事は、正解のない「問い」を投げかけられているようである。しかし時代と共に解も考え方も変わってくる。とりわけ今のように人工知能(AI)が隆盛してくる時代となる […]

ルイ・アルチュセール――行方不明者の哲学

マルクス主義哲学の代表的な哲学者であるルイ・アルチュセールは元々フランス共産党を内部批判すべくマルクス研究を進めていった。他にもスピノザの研究にも長けていた一方で1980年に妻のエレーヌを絞殺したことでも知られている。そのアルチュセールの政治思想の中で「行方不明になる」ことを表しているのだが、そもそもそれはどういう意味なのか、アルチュセールの哲学的研究の歴史から紐解いている。 第一章「行方不明者の […]

ソクラテス・メソッド—説得せずに“YES”がひきだせる!

おそらく現在につながる哲学の源流をたどっていくと、ある人物に行き着く。その人物こそ「ソクラテス」である。ソクラテスが活躍した当時、哲学を教える人々はほかにもいたのだが、己の知見が正しいと考えて教えるソフィストの講義に反し、自分は相手と対話することによって知らないところを知るようになり、なおかつ知を愛し、学びをつけていくという方法であった。 ソクラテスの生涯は本章にも言及されているため、後ほど取り上 […]

ドローンの哲学――遠隔テクノロジーと〈無人化〉する戦争

ドローンは今となっては私たちでも簡単に手に入れられるようになったのだが、かつてはドローンという概念がなく、なおかつ認知され始めた時には事件が起こるなどむしろネガティブな印象でしかなかった。今では撮影などの様々な用途で使われることがあるのだが、その一方で、戦争の兵器として扱われる危険性もある。本書ではそのドローンについて哲学的な観点で考察を行っている。 第1章「技術と戦術」 技術において哲学的にどの […]