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哲学

日本語学のまなざし

「日本語」は歴史とともに変化をしている。しかしその「変化」のあり方そのものが「日本語の乱れ」として蔑視あるいは、批判の的となってしまう。 その日本語の変遷、そして日本語の原理について考察を行うのが「日本語学」であるが、私たちの生活の中ではあまり知られていない。 その「日本語学」は日本語を司る私たちにとって、日本語の進化・乱れを憂うなかで大いなるヒントが隠れているといっても過言ではない。 本書は「日 […]

全―生活論~転形期の公共空間

「生活」は誰にでもあるものといえるのだが、その「生活」はいかにして誕生し、変化をしていったのか、「生活」の中にある「衣食住」をすべてひっくるめて考察を行っている。 第一章「公共性と生活」 公共性が論じられ始めたのが1990年代に入ってのことである。それまでは私的な(もしくは「個」の)範囲で生活は論じられ、実践されていった。そのせいか、孤独死や他人との疎遠、さらには他人の痛みを知らないためにいじめや […]

生きてるだけでなぜ悪い? 哲学者と精神科医がすすめる幸せの処方箋

本書のタイトルを見るとキリスト教の根本にある「原罪」を連想してしまう。原罪とは、 「罪が全人類に染み渡っていて罪を不可避的にする状態の中に、全人類が誕生して来る状態」(wikipediaより一部改変) のことを指す。 ちなみに本書はそのような宗教めいた一冊ではなく、むしろ私たちの世代に向けて「辛口メッセージ」を送るような対談集である。 第一章「結婚なんかしなくていい!」 「草食系」と呼ばれて久しい […]

遠くの都市

「遠くの都市」というと「郊外」や「街外れ」と連想してしまう。郊外というと都市とは違う「開放感」が込められているように思えるが、その実は逆で、「閉鎖的」であり、かつ「排外的」であるのだという。 本書はロサンゼルスの都市構造を中心に「都市」そのものの「閉鎖性」と「排外性」について論じている。 第1部「遠くの都市」 最初に書き忘れてしまったが、本書は「都市哲学」というジャンルである。 「哲学」というと「 […]

反情報論

今となっては「情報社会」と呼ばれるがごとく、インターネットや雑誌などが多く、様々な情報があふれている。そのことにより情報の「価値」そのものは玉石混淆の度合いが強く、かつ正確であり、かつそれを速く得るためにはどうしたらよいかと言うの本もでてきている。 しかし本書では情報そのもの流れの歴史とともに、そのような情報社会について反旗を翻している。 1.「致命的な誤解」 ニュースやインテリジェンス(諜報)、 […]

笑い ─ その意味と仕組み

人は誰しも「笑う」ということを行ったことはあるだろう。「笑い」と言うのにもいろいろな種類があり、口を開けて大きな声で笑うものや、唇の口角を上げるだけの「笑い」もある。どのような形でさえ「笑い」は「笑い」である。 人はどのような時に「笑う」という感情が起こるのだろうか、そして哲学的に「笑い」という感情が考察され始めたのはいつで、どのように思索は変遷していったのか。本書は人間の基本的感情である「笑い」 […]

人生論としての読書論

読書は自らの人生を豊かにする。それは今も昔も変わらない。 しかし、その読書の方法一つにしても人それぞれであり、ある人はビジネスや自己成長のために、またある人は私のように人生を豊かにするために読むなど、用途によってもそれぞれである。 では本書の著者である哲学者・教育者である森信三の読書観は一体どのようなものなのだろうか。本書は森信三全集全二五巻のうち、第二〇巻に収録された「読書論」を抜粋している。 […]

公共哲学からの応答~3.11の衝撃の後で

「公共哲学」とは何なのか。調べてみると、 「「公共性」をキーコンセプトに、哲学・思想史・政治学・法学・経済学・歴史学・科学技術論などのタコツボ化された個々の学問を共通の土俵に乗せ、相互の知見を討議のこと」(山脇直司著『公共哲学とは何か(ちくま新書)』より一部改変) だという。いわゆる公正な社会とするために、メディアなどの「公共」にまつわる機関などの問題を考える学問・哲学のことを指している。 昨年3 […]

ドゥルーズ入門

ドゥルーズ(ジル・ドゥルーズ)は約17年前に亡くなられたフランスの哲学者であり、サルトルが生きた時代に影響をうけて、「差異」や「機械」などの概念をそのものを考察・定義していった。最晩年には肺病を患い、そのことにより世の中に対して絶望をおぼえ、自宅から投身自殺をした。 ドゥルーズの遺した哲学は現代思想においても大きな影響を及ぼしていたが、身体や領土などの形のあるもの、あるいは経験な内在するものなど形 […]

道教の世界

「道教」は聞いたことはあるのだが、いざこれは宗教なのか、というと首を傾げてしまう。ちょっと調べてみると、 「中国固有の宗教。儒・仏と並ぶ三教の一。不老長生をめざす神仙術と原始的な民間宗教が結合し、老荘思想と仏教を取り入れて形成されたもの。後漢末の五斗米道(ごとべいどう)に起源している(Weblio辞書より、一部改変)」 むしろ宗教と言うよりも「思想」というべきなのかもしれない。本書では、知っている […]