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国家

日本とフランス 「官僚国家」の戦後史

常々日本は「官僚国家」ともいわれている。そもそも官僚が生まれたのは山縣有朋が政治の実権を握った時代からそのようになっている。もっともフランスにも形は違えど、日本に似ている官僚国家である。その官僚国家はいかにして形成づけられ、それぞれの国における官僚国家のあり方は何か、第二次世界大戦後の歴史とともに追っている。 第一章「戦後への「負の遺産」」 フランスではナチスドイツの侵攻を受け、なおかつレジスタン […]

共生保障 <支え合い>の戦略

「共生保障」という言葉を初めて聞くのだが、簡単に言うと「社会保障政策」の新たな提案として、この「共生保障」がある。しかし今日の社会保障政策は少子高齢化もあるのだが、国の財政枯渇などもあり、なかなかそれができない状況にある。 本書はその社会保障の新たな対策として「共生保障」について提案しているが、その中身とともに現状の社会保障政策からどのような変化が生じるのかも併せて取り上げている。 第一章「制度は […]

新・現代思想講義 ナショナリズムは悪なのか

「ナショナリズム」はいわゆる「民族主義」のことであり、政治などの現代思想の中でもよく言われている。略語としても「ナショ」という風に呼ばれることもある。そもそもそのナショナリズムというと「愛国心」と共に語られることが多いのだが、そもそも国愛することと、「ナショナリズム」は別個として考える必要がある。この「ナショナリズム」は「悪」と定義づけられているようだが、それはなぜなのか、そして今日の経済状況はナ […]

連邦国家 ベルギー――繰り返される分裂危機

ベルギーはヨーロッパの国々の中にある国だが、フランス、イギリス、オランダに挟まれていることから「ヨーロッパの十字路」という名がついている。そのこともあって、フランスやドイツの関係によってベルギーが独立する前後で交易の拠点になったり、戦争に巻き込まれたりすることがあった。 独立後はヨーロッパの一国としての役割を担ってきたのだが、歴史的な背景から分裂の危機にあったことが2度もあったのだが、日本のメディ […]

食は国家なり!~日本の農業を強くする5つのシナリオ

誰が言ったか忘れてしまったのだが「環境問題は「食糧問題」だ」と主張している方がいた。もっとも環境の変化により、農作物が育たず、飢饉が出てきて、それが食糧問題に発展していくという展開であるが、あながち嘘ではない。日本は食料自給率こそ39%(カロリーベース、平成25年現在)という現実はあるのだが、飢饉になってしまったことは戦後一度も起こっていない。 「食」は人間が生きていくうえで大切なことの一つである […]

民主党のアメリカ 共和党のアメリカ

アメリカの政治は民主党と共和党の「二大政党制」となっており、8年単位で政権交代が起こるケースが多い(場合によっては同じ政権が10年20年続くケースもある)。しかしそのアメリカの政党政治は「民主党はリベラル」「共和党は保守」とはっきりしているのだが、はたしてそれは本当なのだろうか、またアメリカの二大政党制にはらんでいる問題点はいったい何なのか、本書はメディアでは知られていないアメリカ政党政治の裏側に […]

不平等について―― 経済学と統計が語る26の話

所得や富に関する「不平等」は往々にして起こる。ちなみにそういった不平等はメディアにおいて「格差」と呼ばれている。ちなみに「格差」というと、「不平等」と同じくネガティブな印象を持たれるのだが、それは人間以前に動植物の世界でもごく当たり前に「格差」が存在するので、ごく自然な現象である。 しかし人間における「不平等」とはどのようなものがあるのだろうか。本書は経済学・統計学の観点から紐解いている。 第1章 […]

日本の統治システムと選挙制度の改革

昨年の12月14日に衆議院総選挙が行われ、与党勢力が3分の2の勢力を維持し、安倍政権の勢いがますますつくようになった。アベノミクスもさることながら、会見に向けての意気込みもあるという。 政局についてはここまでにしておいて、本書は衆議院総選挙をきっかけに選挙制度とは一体何なのか、そして現在起こっている選挙問題のあり方について問いただしている。 第1章「議会類型・両院制・選挙制度」 日本の議会は言うま […]

次世代へ送る<絵解き>社会原理序説

dZERO社様より献本御礼。 本書のタイトルを見ると難しい本のように思えてしまうのだが、実際に見てみると挿し絵もふんだんに盛り込みながらも、わかりやすく社会や経済、政治、さらに将来の夢について大学生に対してわかりやすく、それでいておもしろく描かれている。ではその中身を見てみよう。 1.「社会とは何か」 「社会」というと得体の知れないように思えるのだが、国家もあれば、会社もあり、さらにはそれらを包括 […]

世界はすでに破綻しているのか?

集英社 藤井様より献本御礼。 「破綻」というと企業特有のモノなのかと思っている方もいそうだが、実際に日本でも2006年に北海道夕張市が財政破綻をしたことにより、地方自治体でも財政破綻の危険性がでたところ、あるいは「財政危機宣言」を出した所もある。 ちなみに財政破綻は地方や都市ばかりではなく、国家としても「デフォルト(債務不履行)」で財政破綻をきたしてしまった国もある。これについては第1章で詳しく述 […]