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小説

シャルロットの憂鬱

本書で取り上げている「シャルロット」は女性の名前のように見えるのだが、実はメスの犬であり、元警察犬である。先述の通り、過去に警察犬を行ったため、事件の捜査などを行ってきたのだが、そこから引退をした後もまた、事件に遭遇することとなった。 その事件はまさに不可解なものであり、なおかつ解決に導くために、どのようなトリックがあるのか、そこにはシャルロット自身の遍歴にあったのかもしれない。 元警察犬としての […]

初音ミクの消失 小説版

今となって「初音ミク」は一種の市民権を得たのかもしれない。今から12年前にはボーカロイド(ボカロ)自体が根付いていない時に颯爽と現れ、大人気をもたらした。もっと言うと初音ミクが誕生したのは北海道札幌市にある「クリプトン・フューチャー・メディア」にて誕生した。その時にニコニコ動画では「歌ってみた」というようなものが次々と生まれ、初音ミクに様々な歌を歌うような投稿が見られ、そこから爆発的に広がっていっ […]

少女奇譚 あたしたちは無敵

人は誰しも不思議なことに出くわすことはある。それは頻度・度合い関係なく、である。本書はその中でも少女たちが多かれ少なかれ「不思議」なことに出会ったことを綴った短編集である。 日常から非日常へと移り変わる刹那、少女たち自身の意識も変わっていく。秘密を持ちながらも、「無敵」と思えてしまうのだが、少女たちには荷が重いような運命も起こり当て、それを乗り越えていく描写は何とも言えなかった。 現実からかけ離れ […]

見た目レシピいかがですか?

本書のタイトルを見て「じゃあ、味は?」と思ってしまうのだが、見た目が良いとなると想像する味も良いものかもしれない。しかし見てくれだけがよくて味が絶望的なものであることは往々にしてある。 それはさておき、本書は「イメージコンサルタント」なる職業にて働いている女性4人の織りなす物語である。その4人それぞれ見た目やイメージを大切にしているのだが、その先にあるものとは何かを描いているのだが、本書の物語を読 […]

人魚姫の椅子

ロマンチックなタイトルのように見えるのだが、実際には小説を書く高校生と椅子職人との交流を描いているのだが、季節は移ろいながら関係は変化する。それは人の成長も含めて変わってくる。その変わってくる中では距離も出てきて、いつしか「別れ」も出てくる。その当たり前と呼ばれることもいつか終わることを受け入れられなかったことが、失踪事件の引き金となった。 何てことない2人の関係がなぜ失踪事件の引き金となったのだ […]

テノヒラ幕府株式会社

何とも奇妙な会社名であるのだが、中身もまた「奇妙」である。その会社は簡単に言うとスマホゲームの開発会社であるのだが、会社で働く人びとは文字通りの「十人十色」といった印象が非常に強くあると言っても過言ではない。会社の、そして文字通りの「テノヒラ」の中でどのような開発を行い、人間関係が作られていくのか、架空でありながらも、痛快に描かれている節が強くある。 スマホゲーム開発の現場はシステム開発の中でもけ […]

愛すること、理解すること、愛されること

男女関係は思っている以上に複雑なものである。その複雑であるからでこそ、一つの物語として醸成されることが大いにある。その物語はいじらしいようなものもあれば、本書のように愛憎(むしろ憎悪の方がウエイトが大きい)を織りなすような物語もある。 本書は5人の男女が織りなす物語であるのだが、謎の死から出てくる事件が男女の愛憎を生むようなものである。その愛憎劇はまさに昼ドラのような雰囲気、いやそれ以上のものを醸 […]

ポンコツ探偵の名推理

ある捜査の関係で刑事をクビになり、なおかつ貧乏で妻子も、この先のあてもないといった「ないない尽し」の探偵が、刑事時代に逮捕した元スリとともに事件を解決していくと言うものである。 そのことを考えていくと確かにポンコツであるのだが、「迷探偵」や「凸凹探偵」と言いかえた方が良いのでは無いかと邪推してしまうのは私だけだろうか。 とはいえ凸凹な中で依頼を受けながら難事件・珍事件に遭遇するのだが、探偵としての […]

優しい水

本書のタイトルを見るからに、ミネラルウォーターを連想してしまうのだが、本書はそうではなく、川で見つけた魚を飼育するために拾った先に遭遇した事件について取り上げたミステリーである。 ミステリーのトリガーが魚から「水」になっていったところも特徴的である。中学生の好奇心が事件となり、そのことで本当の意味での「様々な」人たちが関わっていた。しかも「水」自体が事件ではなく、ある病気についての引き金にもなって […]

オバさんになっても抱きしめたい

本書の表紙の右の女性がなんともバブリーな女性であると同時に、一昨年に大阪府立登美丘高等学校ダンス部が「ダンシング・ヒーロー」の題材として使われたことコスチュームでもある。 バブリーな時代で20代を謳歌した女性が俗に「アラフォー」と呼ばれるような時代、毛独りはそのバブル崩壊してからの不景気しか分からない「アラサー」の女性の2人の織りなす物語である。 単純に物語の大筋は「ジェネレーションギャップ」や「 […]