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小説

今日のハチミツ、あしたの私

蜂蜜園は私自身は言ったことがない。もっともどのような所なのか分からないのだが、ハチミツやローヤルゼリーなどを生産しながら、ミツバチを飼育すると言う役割がある。色々書いていくと非常に段階も多く、難しい仕事とも言われているのだが、それを楽しみにしたり、生活の糧に出来るような方々もいる。 本書もそういった方々であるのだが、そのハチミツを生産していく中で様々なトラブルに見舞われることがある。その見舞われる […]

空にみずうみ

東北で暮らす方々は震災以後の生活は大きく変化をしてしまい、その変化に順応出来る方々もいれば、順応できず、様々なトラブルに巻き込まれるような方々もいる。いずれにしても苦しい生活を強いられていることも多くある。元の生活に戻れた人もいれば、未だに戻れていない方々もいる。 震災から幾年を過ぎてからどのような「日常」となっていったのか、東北地方に住むとある作家の1年を描いた一冊が本書である。 震災の傷跡が残 […]

逆向誘拐

企業には様々なデータがあり、その中には「社外秘」と呼ばれるようなデータまであり、社外に漏れることが許されないようなものがある。そのデータをわたって収奪を争うような戦いがある。その戦いの中で本書のタイトルにある「誘拐事件」が起こった。 誘拐事件と言うと人質を取るのだが、本書では人ではなく「機密データ」であるのだが、そのデータは経済的な危機を及ぼしかねないようなことになるのだという。しかしそのデータを […]

ニルヤの島

生体映像の技術が発展し、人生をコントロールが出来るようになったのだが、その中には死後の世界があるのか。そこには倫理や宗教など哲学的な概念が飛び交いつつも否定的な思想を持つ者もいた。 本書の舞台は近未来であるのだが、場所がミクロネシアである。なぜミクロネシアなのかというのは本書の中にも物語として言及されており、興味深い。 もっともSFミステリーでありながら、「死生観」と言うものを考えさせられる一冊で […]

悲しみの底で猫が教えてくれた大切なこと

私自身猫が大好きである。自由奔放でありつつも純真無垢である姿は少し鳴き声を真似してみると振り向いたり、猫によっては近づいてきたりすることがある。それが可愛くてたまらない。 その猫が人生に打ちひしがれた人を救ったと言う話であるのだが、人生は山あり谷ありというのはうまいもので、先の分からない人生の中で、どのようにして生きていけば良いのかを表している。 本書はとあるパチンコ店で働く若者であるのだが、人生 […]

三人孫市

戦国時代には様々な人物が交錯している。その多くは武将であるのだが、本書のように「衆」と呼ばれる集団もある。本書では紀伊国(現在の和歌山県と三重県南部)で「雑賀衆(さいかしゅう)」と呼ばれる集団である。その頭目にあたるのが「雑賀党鈴木氏」であり、その中心的人物であるのが鈴木佐大夫(すずきさだゆう)である。 その佐大夫には主要な三人の息子がいた。その息子三人が本書の中心にあたる。三人の息子にはそれぞれ […]

気まぐれ食堂 神様がくれた休日

料理人としての修行を行い、ついに三ツ星レストランに働き始めた矢先、ケガのためクビになり、しかも失恋をしてしまうなど、様々なものを失ってしまった。 しかしそこから一念発起をするために自然に恵まれた小島へ旅行をすることになった。しかしその小島である食堂に向かったのだが、この食堂に行ったことがきっかけとなり、自分自身の夢、さらには幸せなど考え方が変わっていったと言う物語である。 もちろんアットホームさも […]

失踪者たちの画家

とある画家が行方不明となった恋人を探すために様々な所へ行き着き、数奇な運命や出来事に遭遇するというものである。ミステリーでありながらも、監獄や人形工場など奇怪な場所を転々としながら恋人を探し出すという。 しかし「ただ探すだけ」の物語とは違い、読み進めていく内にめまぐるしく舞台が変わっていく。先述の奇怪な場所もあれば、風景や「都市」も変化しており、なおかつ恋人を探す主人公ならではの「孤独」もありあり […]

ポースケ

小説はスリリングさもあれば、ふわりとした感じのある作品まで存在する。その存在する中で本書はどのような立ち位置なのかというと後者にあたる。もっともミステリーの要素はないのだが、アットホームさが溢れており、なおかつ登場人物それぞれの生き方がありありと分かるようにつくられている。つくられているからでこそ、個性が出て、物語の面白さを引き立たせる。 それぞれの「優しさ」を持ち合わせながらも、女性ならではの「 […]

うめ婆行状記

「家族」はいつの時代も必要なものである。それは国・地域、さらには時代に至るまでほぼ共通する大切な要素である。もっとも家族がなければ子どもが生まれることは滅多にないし、育つこともままならないのである。 その家族を支えていくのは様々であるのだが、日本では父親が支えることが主であった。しかし本書は奉行所同心に嫁いだ女性が、最愛の夫を失い、一人暮らしをはじめ、一肌脱ぐために新たな生活を始めるというものであ […]