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少女

うき世櫛

「髪は女の命」はよく言ったものである。しかしそれは今も昔も同じ事であり、江戸時代にもそういった時代があり、その女性の髪を美しくする「髪結い」といった職業もあったほど。 本書は江戸時代に「髪結い」として生きた齢15の少女が髪結いとして修行をツムと言った成長譚である。健気ながらも、髪結いとしての成長、そして女性と髪の毛、江戸時代における女性の愉しみ、そして「幸せ」、それが一つに詰まった一冊である。 江 […]

ヴィオレッタの尖骨

本書は短編集と言うべきか、中編集というべきか悩むところである。短編集であれば20ページくらいを1編としているのだが、本書は30~40ページを1編としているため、中編というにしても、ページ数が少ない。 それはさておき、本書は恋愛小説であるのだが、恋愛小説にしては絵で表現するにはR-15やらR-18にほど近いような表現がちらほらある。 少女はいわゆる「箱入り娘」や「籠の中の鳥」というような世間から隔絶 […]

少女奇譚 あたしたちは無敵

人は誰しも不思議なことに出くわすことはある。それは頻度・度合い関係なく、である。本書はその中でも少女たちが多かれ少なかれ「不思議」なことに出会ったことを綴った短編集である。 日常から非日常へと移り変わる刹那、少女たち自身の意識も変わっていく。秘密を持ちながらも、「無敵」と思えてしまうのだが、少女たちには荷が重いような運命も起こり当て、それを乗り越えていく描写は何とも言えなかった。 現実からかけ離れ […]

ボーイミーツガールの極端なもの

恋はバラのようであり、そのバラは美しいほどトゲがある。 もちろん人間関係にも刺々しいものがあり、刺激を加え方によってはケガをしてしまう。本書における恋愛の短編もそのような印象を持ってしまう。しかし本書は「刺々しい」といった言葉の所に「(物理)」と言った表現を加えるが如く、物語の合間に「サボテン」の写真を載せている所が印象的である。そのサボテンもあまり見かけないサボテンであり、珍しいものばかりである […]

おちゃめな老後

老後を迎えること、なおかつ老後の生活は「あっという間」と言うことを以前聞いたことがある。しかしあっという間だからでこそ老後を幸せなものにしていくことが大事になってくるのかも知れない。 本書はイラストレーターでエッセイストの著者の老後生活を自ら綴っている。「カワイイの元祖」の肩書きに逆らうことなく、今年2月で傘寿を迎えても「おちゃめ」であり、なおかつ若々しいファッションかつ生き方をしているようでいて […]

わたしがいどんだ戦い 1939年

時は1939年、第二次世界大戦の最中であり、この時は西欧を中心とした戦争が行われていた。日本が大東亜戦争にもつれ込む2年前のことではあるのだが、このときには日中戦争が始まっており、文字通り、世界的な戦争が行われた時代である。 本書の舞台は戦地とは異なり、疎開したところであるのだが、戦地とはことなる「戦い」が行われた。その戦いの中には「自分との戦い」があった。その戦いの中には必ずと言ってもいいほど「 […]

17歳のうた

あなたの17歳はどのような人生だったのか。多くは高校生として青春を謳歌していると思う。かくいう私自身も高校生で、それも部活にのめり込んでいたため、部活の思い出が数多くあった。 本書の主人公は17歳であるのだが、舞妓として働く少女、漁師になるために修行をする少女、ローカルアイドルとして活躍する少女など、17歳の少女を中心としている。 少女たちだけの人生を描いた短編集のように思えるのだが、共通している […]

少女のための秘密の聖書

聖書は最近ビジネスでも役立てられることが分かったり、それらをそっくりそのまま実践しようとするような本も書店で見られるようになった。もっとも聖書は世界で最も売れている本であるためなのだが、宗教であるがゆえに最も読まれたり保存されている本である。しかし「聖書」とひとえに言ってもユダヤ教・キリスト教のバイブルである「旧約聖書」とキリスト教のみバイブルとしている「新約聖書」の2種類ある。他にも宗教における […]

魔法使いは完全犯罪の夢を見るか?

謎の美少女魔法使いと刑事との凸凹関係によって難事件を解決するミステリー作品である。ある意味「ファンタジーミステリー小説」という範疇に入るのかもしれないが、ファンタジーの要素が強く、ミステリーならではの緊張感がない。しかしその緊張感がなく、むしろほのぼのとした展開こそが本書の良さと言ってもいいのかもしれない。ミステリーならではの緊張感が苦手な人であれば本書から読んでみるのも手である。 ちなみに本書は […]

神さまの贈り物

「こんなことをいきなり話しても、だれも信じてはくれないと思う。  だけど本当にぼくは、天使と心を通わせたんだ。」(p.7より) 主人公は12歳の少年であるが、両親の仕事の関係で物語の舞台へと引越すことになった。物心の付いた頃から両親は働いていて、スキンシップがほとんど無く、愛情という愛情もほとんど受けたことがなかった。引越してからも親の愛情を受けることがなかったのだが、家の不思議さに不安を覚えた。 […]