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差別

明治乙女物語

戦後間もない時もあるのだが、それ以前から「女学校」と呼ばれる学校はあった。それが「婦人学校」といったものもあるのだが、女性としての役割などもまた学べる場所としてもあった。 しかし女学校があった時代には「男尊女卑」と呼ばれるものがあった。その男尊女卑の中で2人の女学生が、その潮流にあらがい戦い続ける女性の姿があった。 ある意味「時代小説」のようであるのだが、その中でも女性の存在とは何か、女性はどうあ […]

路地の教室―― 部落差別を考える

路地というとストリート文化のことを指しているのかもしれないが、本書で取り上げている「路地」はむしろネガティブなもので「同和」や「部落」の中における教室・教育のことを指している。しかしなぜ「路地」なのか、そのルーツと現在について、「差別」とともに取り上げている。 一限目「路地とは何か」 そもそも著者自身も同和地区の出身であり、なおかつ同和解放の教育を先駆けて行ったところとして知られている。その場所で […]

近代部落史-明治から現代まで

「部落差別」は書籍でも伝えられているのだが、メディアではそれほど多く報じられない。その理由として「差別」に関してメディアは敏感であり、それでいて拒否反応を示すことにより、タブー視されているからである。しかし部落差別を含め部落そのものの歴史はどのように形成づけられたのかという疑問が生じている。本書はその部落が形成され、差別の対象とされていったのか、そのことについて取り上げている。 第一章「近代国家の […]

下に見る人

「自分より下」を見る人はどのような目や表情で見るのだろうか。ある意味「見下す」ような状況にあるのだが、状況や境遇、さらには人によって下に見る人の表情は変わってくる。本書はそういった下を見る人を主観においた話を収録している。収録している数は全部で24あり、しかも1つ1つページ数は、ばらつきはあれど、だいたい3~4ページほどと、どちらかというとショートショートにも見える一冊である。 それだけありとあら […]

いつでもクビ切り社会―「エイジフリー」の罠

会社に勤務されている方が見たらゾッとしてしまうようなタイトルであるが、現実的には起こり得るものである。日本では労働基準法により、解雇に関してはまとまった理由や期間を設けないといけないような話なのだが、海外だと、翌日には席が無くなってしまい、いつの間にか解雇されているというようなこともある。 ほかにも本書では「エイジフリー」という、いわゆる年齢制限を取っ払った現象も会社などの労働社会で起こりうるとい […]

子どもと話す マッチョってなに?

「マッチョ」と言う言葉は筋肉質な方々のことを表していると私は考えるのだが、本書は単に「マッチョ=筋肉質」だけではないのだという。その「マッチョ」の本質とはいったいどのようなものか、そしてそれが「性差別」の要因となっているのはなぜか、さらに現在の男女の差はいったいどこにあるのか、そのことについて取りあげている。 第一章「マッチョ、性差別、押し付けられる規範」 「マッチョ」は、 「男っぽいさま。また, […]

サッカーと人種差別

本書のタイトルからして日本は他人事のように思ってしまったのだが、今年の3月に起こった「ある事件」を機に、他人事ではなくなった。それは今年3月8日に行われた、浦和レッズ対サガン鳥栖とのJ1戦において、「JAPANESE ONLY」という横断幕が大問題となり、無観客処分になった事例がある。他にも最近では中指をたてるような行動が問題視された。人種差別はサッカー競技に限ったことではないのだが、本書ではサッ […]

教室内(スクール)カースト

けっこう学校を取り扱ったドラマや映画、アニメなのであるグループが牛耳っていて、階級みたいなものができているようなものを見る。現実としてそういった事がありうるのだろうか、と言うことを自分自身に問うてみるが、何せ学校を出たのが6年も前の事であり、クラスも分けられているが、「カースト(インドにおける「階級差別」を表す)」のようなことがあったというと、そうではなかった。一応グループはできていたが、階級はな […]

性と柔~女子柔道史から問う

柔道は日本の国技であるが、女子の柔道も同様であるのだが、実は男女格差があるのだと著者は指摘している。というのは柔道で段位になると「黒帯」をつけるのだが、男子は真っ黒な黒帯に対し、女子は表紙の写真にあるように、帯に白い線が入っている。これは柔道社会と言う名の「ムラ社会」が生まれた産物であるという。 本書は柔道の歴史の中から女子柔道の歴史を、それも柔道における男女格差について指摘している。あくまで柔道 […]

自然はそんなにヤワじゃない―誤解だらけの生態系

人間の自然破壊は止まらない。さらに言うと様々な生物が「絶滅危惧種」に指定され、本当に「絶滅」した生物も存在する。このままでは自然環境における生態系も崩壊しているのではと危惧する識者も存在する。 しかし本書のタイトルにある通り、人間が思っているほど自然はヤワなものではなく、かつ生態系も容易に崩壊するものでもない。ましてや生態そのものも誤解しているのだという。 本書はその生態系の誤りについて指摘しつつ […]