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平凡社新書

反逆する華族―「消えた昭和史」を掘り起こす

元々日本には「華族」と呼ばれた人々がいた。もっとも「元貴族」や「元華族」と称して本を出すような方々もいるのだが、もっとも華族と言っても境遇は人それぞれであるのだが、その中でも共産党の運動に身を投じたり、体制に反逆したりすることがあった。そのような人々が選んだ理由とは何か、そのことを映し出している。 第一章「「転向」と「非転向」のあいだ―石田英一郎の場合」 華族だった人がどのように「転向」していった […]

会社員 負けない生き方 困難をチャンスに変えた男たち

今となっては会社員とは言えど、安定した生きかたではなくなった。その安定でなくなったものをいかにして変革を起こし、様々な形に変わりつつ生き残っていけるのか、諸先輩たちの術を取り上げたのが本書である。 第一章「自分を変えられるか―自己覚醒・変革編」 他人に「変われ」と言っても変われるわけではない。変われるのは常に自分自身である。その自分自身を変える方法としてカルチャーショックや肉親、さらには環境を変え […]

近代部落史-明治から現代まで

「部落差別」は書籍でも伝えられているのだが、メディアではそれほど多く報じられない。その理由として「差別」に関してメディアは敏感であり、それでいて拒否反応を示すことにより、タブー視されているからである。しかし部落差別を含め部落そのものの歴史はどのように形成づけられたのかという疑問が生じている。本書はその部落が形成され、差別の対象とされていったのか、そのことについて取り上げている。 第一章「近代国家の […]

割引切符でめぐるローカル線の旅

私自身、「旅」に対しては強いあこがれを持っている。しかしながら本当の意味で旅をしたのは今から5年前の1回だけで確か萩・神戸・名古屋と1週間で3カ所を回る旅だった。それでも楽しかったが、もう少し旅を楽しみたいという気持ちは残っているが、仕事の関係上なかなかそういう風には行かない。ただ機会があれば旅をしたいと思っているが、その際はちょっと面白い旅をしたいという気持ちがある。 そこで本書である、電車には […]

銀座にはなぜ超高層ビルがないのか―まちがつくった地域のルール

本書のタイトルを見て、ふと「そうだ」と思ってしまった。銀座には数え切れないくらいいったことはあるのだが、高層ビルはあれど、30階以上にもなるような超高層ビルに出くわした記憶がなかった。六本木や新宿、丸の内や八重洲ならいくつか超高層ビルを見かけ、所用で入ったことがあるのだが、銀座ではそういったことが一度もない。本当の意味で「なぜ?」と思ってしまい、本書を手に取った。そのタイトルにある疑問について本書 […]

雇用崩壊と社会保障

「雇用崩壊」はいつ起こったのかというと、バブル崩壊のイメージが持たれるのだが、本書で取り上げられているのは、「リーマンショック」による雇用崩壊、そして「派遣切り」が横行した時代が挙げられる。その時代には、「雇用崩壊」のみならず、非正規雇用における「社会保障」が揺らいだことが挙げられる。 本書はなぜ雇用や社会保障が揺らいでいるのか、そしてこれからどうあるべきなのか、そのことについて迫っている。 第1 […]

『サウンド・オブ・ミュージック』の秘密

映画の中での名作にはいろいろあるが、今でも色あせない名作も存在する。その名作の一つとして1965年に公開された「サウンド・オブ・ミュージック」がある。ミュージカル映画の傑作である作品がいかにして今も人気があるのだが、映画評論家・批評家の間では「通俗的すぎる」と評価は低い。 とはいえ今もなお語り継がれているのには、いったいなぜなのか、本書はその秘密について取り上げている。 第1章「導入部の魔術」 作 […]

カタルーニャを知る事典

スペインには色々な地域が存在するのだが、中でも有名なところでカタルーニャ(カタロニア)地方がある。元々カタルーニャという言葉が使われ始めたのは12世紀の頃であり、その前からも君主国として独立し、一大帝国に発展した経緯が存在する。 中世の栄光から没落し、復興の兆しのある中で、2012年辺りからカタルーニャの独立運動の気運が高まりだしており、「人間の鎖」などのデモも起こっている。 本書はスペインの中で […]

観光大国スイスの誕生~「辺境」から「崇高なる美の国」へ

「永世中立国」であり、リゾート地としても名高いスイス。さらに言うとスイスは税金も比較的安いためか、セレブな方々も移住してくるのだという。 そのスイスは「観光大国」としても名高いのだが、いかにして「観光大国」となったのか、本書はそれについて紐解いていく。 第一章「グランド・ツアーの世紀―崇高のスイスが、観光すべきものなしか?」 スイス観光に来る目的の多くは「アルプス観光」である。アルプスの魅力につい […]

シリア~アサド政権の40年史

3月31日にも書いたのだが、シリア騒乱は終わる気配が見えていない。むしろ激化の一途をたどっており、国際問題にまで発展している状況にある。 本書はシリアの歴史・社会・現状について元シリア大使として4年間いた経験を駆使して、シリアの現状、そしてアサド政権の現在・過去・未来について分析している。 第一章「吹き荒れた春の嵐」 「春の嵐」というと4月2日夕方~3日あたりまで全国的に起こった嵐のことを指してい […]