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恋愛

地先

人生はまるで航海のようだという人もいる。人生はまるで大地の果てを目指して歩き続ける旅のようだと言う人もいる。本書はその中でも後者を比喩しているような気がしてならない。 人生には様々な歩みがあり、なおかつ恋愛、仕事があり、そして希望や成功、挫折なども体験する。その体験を通して、人生という地続きの道、そしてその先にあるタイトルの如く「地先」が見えてくると言うことを著した短編集である。 本書のタイトル自 […]

極限の婚約者たち

本書の表紙を見ると同性婚を描いているのかと思った。また本書の帯にはキチンと男性の主人公がいるとのことだったため、重婚かと思いきや、それでも無かった。 ではどのような婚約・結婚のエピソードかというと、2人の女性が恋愛について交錯する物語であるのだが、「二股」と言えばそれまでなのかもしれない。そう考えると修羅場のイメージを持ってしまうのだが、それ以上に救いようのない物語になっている。 実際にはバッドエ […]

夢の迷い路

20世紀に起こった事件を21世紀にて生きている人たちが解決するというものである。同級生の男女が、迷宮入りとなり、誰しもが置き去りにしていた事件を知ることとなった。しかもその当事者も生きており、話を聞くことにより、長らく止まっていた、事件解決への歩みが進み始めるという一冊である。 元々2人はどうして事件を知るようになったのかというと、周囲の人々から話を聞いたところにある。そう考えると元々あった事件で […]

私のことならほっといて

本書の表紙を見て「ほっといて」と言われたらどうするか。文字通り放っておくのか、それとも、キレイな女だから助けるといった意見もあるのかもしれない。ある意味ナンセンスの光景から「ほっといて」と言われると、どうしたらよいのかわからない、どう突っ込めばよいのかわからない、といった思念も持ってしまう。 それはさておき、本書は女たちが快感を求めるためにアレコレ行う短編集である。ただその「アレコレ」は裏切りにや […]

若旦那のひざまくら

恋愛を「織りなす」と言う言葉を見事なまでに表現している一冊である。 本書はあるデパートのバイヤーが京都にやって来て、京都の伝統的な織物である「西陣織」の織屋の若旦那と出会ったことから物語は始まる。和服への普及に燃えるバイヤーと織屋の関わり、やがてそれは恋愛へと発展したが、そこに多くの壁があった。 京都弁で「いけず」と言う言葉があるのだが、「憎たらしい」や「意地悪」といった表現もあれば、「いけずな人 […]

ぼくはきっとやさしい

今から10年ほど前に「草食系男子」と言う言葉が生まれた。それに派生され、「○○系男子」が次々と出てきており、本書で紹介されるような「無気力系男子」もまたその一つである。 無気力になる原因は人それぞれであり、一概には言えないのだが、本書の主人公が無気力になった要因として「コンプレックス」がある。体格が大きくなってしまったことから、周囲から怖がられたこと、それを強くネガティブに捉えてしまい、気力を失い […]

好きなひとができました

一見ポジティブな言葉のように見えるのだが、好きな人から、あるいは恋人から言われると、これ以上傷つけられるような言葉は存在しないのだという。彼女はおろか恋愛自体が何十年もない自分にとってはどれほど傷つけられるのかは未知数である。 しかしその言葉はとてつもなく重く、なおかつ残酷であり、人によっては殺人事件を起こしたり、自暴自棄になったりすることさえもある。またまさに「慟哭」と呼ばれるほどの酷い悲しみに […]

ちょっと困っている貴女へ バーのマスターからの47の返信

私自身バーに行ったことは数えるほどしかなく、なおかつ一人で行ったことは一度もない。そのため自分の想像ではあるのだがバーは他の客やバーテンダーとの他愛ない会話、そして酒とちょっとしたつまみを堪能できる場であり、また込み入った話のできる場というイメージを持つ。 本書はそのバーが舞台であり、悩み多き女性がマスターへ悩みを送った返信によって構成された一冊である。 第一章「恋の始まり」 男女の恋の始まりは突 […]

人生パンク道場

本書は著者自身へ寄せられた悩みについて答えると言う、人生相談的一冊である。先日も天龍源一郎の人生相談に関する一冊を取り上げたのだが、本書は作家の立場から答えている。 もちろん人生相談の中には面白おかしく答えるというのがあるのだが、本書はタイトルにあるように「パンク」は音楽に関するジャンルであり、「パンク・ロック」と呼ばれる。もっともその音楽はアメリカにて産声を上げたのだが、アメリカの影響を受けて、 […]

天龍源一郎の世界一滑舌の悪い人生相談

人生相談であれば色々な人が行っているのだが、著者の人生相談は何とも特徴的である。おそらく聞き書きかもしれないのだが、その聞き書きを聞き取って文章化した方がいるのであればよっぽどの技術があるのかもしれない。2015年にプロレスラーから引退してから3年、今となってはタレントなどマルチに活躍している著者どのような人生相談に乗りアドバイスを行っているのか、そのことについて取り上げている。 1章「仕事の悩み […]