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文庫

捕まえたもん勝ち! 七夕菊乃の捜査報告書

元々はアイドルだったのだが、夢を求めて引退し、警察官への道を進んだ。その「夢」こそ「刑事」だった。しかしその叶った「夢」の舞台は想像以上に厳しいものだった。「刑事」の世界の中で「元アイドル」と呼ばれる女性が入ったことによる風当たり、さらには刑事同士の確執など渦巻いている世界の中で刑事をやっていけるのかの葛藤があった。 しかし女刑事の周囲には一癖二癖ありながらも、難事件を解決する目的がある。本書で取 […]

羊と鋼の森

本書の主人公はピアノの調律師である。高校の時にピアノの調律師と出会い、調律の世界に魅せられ、自らも調律師としての道を歩み始めた。もちろん調律は音に関して打鍵1つ狂いが生じてはいけない世界である。もちろん様々なピアノや人との出会いを通して人間的にも調律され、成長して行く。 私自身、「管理人紹介」でも書いたように中学・高校と吹奏楽、大学はオーケストラと約10年間音楽の世界に関わってきた。その中でピアノ […]

密やかな結晶 新装版

人生における様々な経験や成果はある種「結晶」のようなものである。結晶となると美しさや輝きを放つのだが、それは経験や出来事の遭遇などによって決まってくる。もちろん日常のことからも結晶が生まれ、輝いていく。 本書はとある島を舞台にしているのだが、その島は多くのものが消滅していき、人も心もどんどんと失っていくような状態に陥った。さらに本書の主人公は小説家であったのだが、その小説を描くことでさえも失ってし […]

身分帳

元々本書は1990年に刊行され、1993年に文庫化された。初めて刊行されてから30年後の2020年に本書を原案とした「すばらしき世界」にて映画化されたものである。 そもそも「身分帳」は実際に存在しており、拘置所に入所した人(容疑者・被告人など)の態度や経歴などが記載されている書類のことを表している。問題を起こしたり、面会を行ったりと、事細かに記されている。しかしどれだけ細かく書かれるかは拘置所のあ […]

50%のユーレイ

人生は何が起こるのか全くわからない。元気に人生を送っていた人が突発的な事故や病気で亡くなるといったこともある。 本書はとある少女が不慮の事故に遭った。その後に死神が現れ、仮の幽霊、本書のタイトルにある、実体はあれど、ほとんどの人は見えない姿となった。彷徨っていたなかで唯一少女の姿を見ることのできる少年と出会った。 その少年も仮の幽霊となった少女も自分自身の存在意義について悩む時があり、消え去りたい […]

それは桜のような恋だった

「桜の季節」というと、言うまでも無く春である。しかし少し細かくなると桜の開花時期は地域によって変わるため、厳密に言うところの「桜の季節」は変わってくる。例えば九州から本州までは3月末~4月初めが見頃である一方で、沖縄は1月末~2月頃、北海道に至っては4月末~5月上旬が見頃となる。 それはさておき、桜の季節というと出会いと別れの季節である。その中でも特に別れは印象的になってくる。本書の舞台は京都。と […]

悪徳の輪舞曲

弁護士の中には刑事事件の犯人の弁護を行う方々もいる。しかもその中には「悪魔の弁護士」や「悪魔の代理人」といった肩書きで、凶悪事件の被告人を弁護する人もいる。その弁護についてメディアが糾弾をするというケースもある。 しかし本書に出てくる弁護士は違う方向で「悪魔」というべきかも知れない。報酬のためなら、法律の範囲内で手段を選ばない弁護士である。しかしながら報酬の度合いによっては無罪を勝ち取ることができ […]

予断捜査

東京のとある住宅街で一家殺人事件が起こった。その家族の妹が旅行の最中だったため、難を逃れたが、ニュースを知り、急遽戻ってきた。 なぜそのような事件が起こったのか、犯人は一体誰なのか。殺された家族は資産家でもあり、大学教授だった。しかもその大学の総長の選挙を控えていただけに、怨恨を始め、様々な線で捜査を行っていったが、実際には「一家」の歪んだ実態が明らかになっていった。 日本の国会や自治体のみならず […]

一瞬を生きる君を、僕は永遠に忘れない。

人生は「一瞬」と定義する人もいる。かくいう私も、人によるが数十年の時の中で、気がつけば「あっという間」と言うようなものであり、いつしか老いて、死んでいくと言うことを考えると「人生」は「一瞬」であることは合っていると思う。 もしも明日、もしくは来月死ぬとするならばあなたはどのような人生を送るのか。もしくは何をしたいのか、そのことは様々な本でも言及している。とはいえど、そういった意識で行うだけで、実際 […]

僕は僕の書いた小説を知らない

人によっては趣味として小説を描いたり、ブログを書いたりする方もいる。しかし書いたことは全て覚えているかというと決してそうではない。かくいう私も、当ブログにて記事だけでも5700記事、そのうち書評は5000記事近くにまで上っている。 もう15年ほど続けているせいか、印象に残っている記事・本以外はほとんど覚えていないこともしばしばである。ましてや書評を行おうとしたらもう既に行っていて、重複してしまうこ […]