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新潮選書

指揮者の役割―ヨーロッパ三大オーケストラ物語―

オーケストラにおける指揮者は、演奏はしないものの、演奏者と演奏を統率する役割を持つ。そのため指揮者に要求されるものは音楽性のみならず、曲そのものの解釈をどうするのか、という判断力や分析力も問われるので、演奏者以上に気を遣う役割とも言える。本書は指揮者の役割について世界でも名だたる管弦楽団を3つ紹介している。 第一章「指揮者なんて要らない?―ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団」 「音楽の都」と呼ばれ […]

危機の指導者 チャーチル

イギリスの名宰相というと歴史を紐解くと何人かいるのだが、第二次世界大戦前後だとウィンストン・チャーチル以外考えられない。特に「戦争」という危機の時代に強いリーダーシップを発揮し、イギリスを窮地から救った。本書はそのチャーチルの生涯をもとに、日本人が持つべき指導者のあり方を示している。 第一章「生き急ぐ若者」 ウィンストン・チャーチルがこの世に生を受けたのは1875年の時である。父親もまた英国の政界 […]

ミッキーはなぜ口笛を吹くのか~アニメーションの表現史

今、巷で放送しているアニメの本来の言葉は「アニメーション(Animation)」と呼ばれており、 「少しずつ動かした人形、または少しずつ変化させて描いた一連の絵などを一こまごとに撮影し、これを連続映写して動きの感覚を与える映画・テレビ技法。漫画・劇画映画・テレビ番組の制作に使用。また、その映画・テレビ番組。動画。アニメ」(「広辞苑 第六版」より) という意味がある。しかし日本のアニメは相も変わらず […]

戦国武将の死生観

今となっては超高齢社会という時代だったのだが、戦国時代を遡ってみると50年生きられるかどうかわからなかった時代である。小さい子供でさえも無くなる可能性の高かった時代だった。 その時代の中で武士・武将たちはどのような「死生観」を持っていたのだろうか。本書ではそのことについて考察を行っている。 第一章「三英傑 信長・秀吉・家康の死にざまと死生観」 「人間五十年、下天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり。ひ […]

明治神宮~「伝統」を創った大プロジェクト

JR山手線の原宿駅を出て少し歩くと明治神宮がある。毎年正月になると初詣客でごった返す姿は、正月の風物詩としてニュースで取り上げられる。 明治神宮には明治天皇と昭憲皇太后(しょうけんこうたいごう)が祀られている。そもそも明治神宮が作られたのは1915年、昭憲皇太后が崩御された1年後の事である。 本書は明治神宮ができるまでの経緯と、東京、ひいては日本としての明治神宮の存在について考察を行っている。 第 […]

天下無敵のメディア人間~喧嘩ジャーナリスト・野依秀市

「言論界の暴れん坊」「反骨のジャーナリスト」 と様々な異名を戦前・戦後にまたいで活躍したあるジャーナリストがいた。 その男の名は「野依秀市」。ジャーナリストとして日本のタブーを映し続けただけではなく、「三田商業界」「実業之世界」「やまと新聞社」など多くのメディア機関を創立した実業家としての顔も持つ。その一方で徹底した「反体制」を敷き、何度も収監され、戦後には、多くの書籍・メディアがGHQの検閲に引 […]

靖国神社の祭神たち

ちょうど68年前の今日8月15日は、大東亜戦争(太平洋戦争)が終結した。全国各地で戦没者慰霊が行われる。 と同時に戦没者慰霊として靖国神社に参拝する方々もいる。国民の中には国会議員もおり、閣僚もいる。かつては首相も公式参拝していたが、国際事情もあってか参拝しなくなった。 この靖国神社の参拝を巡り中国・韓国をはじめとした国々は非難の対象にしている。その理由はA級戦犯が祀られているからであるという。し […]

カネと文学~日本近代文学の経済史

私の周りには様々な「作家」がいる。ある人は「あまり儲からない」、またある人は「儲かるツール」として扱われている。ただ、共通しているのは、「名刺」として広く自分の名前や考えを知らせるツールとして「出版」がある。 その「出版」を通じて、自分の作品や主張を広める人のことを「文士」を呼び、そしてその文士たちが集う世界のことを「文壇」と呼ばれるが、かつて「文士」や「文壇」と呼ばれるところは「貧乏」の代名詞だ […]

自然はそんなにヤワじゃない―誤解だらけの生態系

人間の自然破壊は止まらない。さらに言うと様々な生物が「絶滅危惧種」に指定され、本当に「絶滅」した生物も存在する。このままでは自然環境における生態系も崩壊しているのではと危惧する識者も存在する。 しかし本書のタイトルにある通り、人間が思っているほど自然はヤワなものではなく、かつ生態系も容易に崩壊するものでもない。ましてや生態そのものも誤解しているのだという。 本書はその生態系の誤りについて指摘しつつ […]

ウイスキー起源への旅

先日ジャパニーズウイスキーについて取り上げたのだが、そもそもウイスキーそのものの起源はどこにあるのか、というところまでは言及しなかった。 そもそもウイスキーは「蒸留水」から作られた酒であるため、「蒸留酒」そのものの歴史から紐解くと4000年にも及ぶ。ちょうど中国大陸の歴史と同じくらいである。 本書はそのウイスキーの起源を著者がイギリス留学時に入手した資料をもとに推理を行っている。 第一章「ビールと […]