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日常

毎日世界が生きづらい

世間もさることながら、昨今の世界は「生きづらい」社会となっていることには間違いない。もっとも生きること自体が苦しいことも含まれている。 本書の話に移るが、会社員と作家の夫婦。その二人の間にも子供が生まれ、生活面でも支えていかなければならなくなる。金銭面はもちろんのこと、方や作家の側は出版すらこぎ着けない毎日であるため、半ばニートのような状態である。作家といった書いて売れる立場はどうしても当たり外れ […]

恭一郎と七人の叔母

母子が実家に住んでいるが、その母は8人姉妹で、主人公である子供には7人の「叔母」がいることになる。しかもその叔母たちの中には夫や子もおり、同じ実家で暮らしており、さらには子供から見て祖父母・大叔父・大叔母、曾祖父とみるからに大家族であり、なおかつ何人暮らしかとさえ思ってしまう。 人数的な意味で騒々しい家族の悲喜こもごもを描いたのが本書である。ハートフルなストーリーでもなく、家族のいざこざでもなく、 […]

睦家四姉妹図

時代は昭和、平成、令和へと流れていく。その流れの中で、本書はとある4姉妹家族の「日常」を取り上げている。昭和時代末期である1988年から令和に入った2020年の32年にもおよぶ歴史のなかで「歴史」はどのように変わっていったのかが描かれている。 「家族」はもちろんのこと、4姉妹にも新たに結婚があり、出産がありと、新たな「家族」が生まれるなど、大きな「変化」も生じるようになる。しかし元々生まれた「家族 […]

百年と一日

「さよならだけが人生だ」 これは元々井伏鱒二の言葉で有名のイメージだが、中国大陸における唐の時代において干武陵と呼ばれる詩人がつくり、井伏鱒二が意訳したものである。しかしいつしか井伏鱒二が発した名言として有名なものとして挙げられる。 もっとも日常の中で、どうしても「出会い」と「別れ」がある。その中でも長い人生の中でたった一日なのかも知れないのだが、一日の出来事の中では、人生のターニングポイントとな […]

全部ゆるせたらいいのに

「許す」と言う言葉は、人の度合いによってできるかどうかが大きく異なってくる。よくある「あたりまえ」や「ありがとう」と同じようなものなのかも知れない。 今ある状況が、自分自身の持っている許容量を超える様な事になった時、そういったことが突然起こり、不安を呼んでしまうことも往々にしてある。そうなったとき、あなたは洞のように思い、振る舞うのだろうか。 人によっては、想像もできないことに相容れられず、許せな […]

ジャスト・ライク・ヘヴン―ヴェルノン・クロニクル2

本書はサブタイトルにもあるように「ヴェルノン・クロニクル」と呼ばれるシリーズで3部作あり、本書はその2作品目にあたる。 元々このシリーズは主人公であるヴェルノン・シュビュテックスを主人公を基軸に物語が展開されている特徴があり、ヴェルノンとその周りの人々、さらにはかつてのヴェルノンを知る人物など、様々な人物が織りなしている。またフランスそのものの市井も描かれており、フランスの情景を知ると言うにも格好 […]

レンタルなんもしない人のなんもしなかった話

「レンタル」と言うと、今では下火になっているがCDやDVDなどが多くあった。もちろん現在でも図書館における本の貸し借りも無償とはいえど「レンタル」の部類に入る。 しかし数年前あたりから「レンタルお姉さん」「レンタルおっさん」といったものもあり、最近ではマンガ・アニメにもなっているが「レンタル彼女(恋人代行サービス)」も出てきている。 さて本書の話に入るのだが、2018年6月から「レンタルなんもしな […]

壺の中にはなにもない

「日常」と呼ばれる毎日の中には「非日常」と呼ばれるようなことも往々にして起こる。本書の主人公である若者の男性もまた、のんびりと過ごす日常の中に、非日常が生まれ、世の中の変化に巻き込まれる。 その中には「初恋」と呼ばれるようなことに出会うこともあれば、マイペースであるが故に、ある人物は引き込まれた。陶芸家である祖父である。その祖父は陶芸家であるが故に壺を作るのだが、そのできたばかりの壺の中には何も入 […]

昨日壊れはじめた世界で

本書の表紙を見ると、何かディストピアな感じがしてならない。もっとも夕暮れなど風景によってはディストピアのイメージが拭えないようなものがあり、昨年から続いている新型コロナウイルスの影響による外出自粛で、本来であればいつも人だかりのある場所が誰もいなくなると言った風景もまたディストピアとも言える。 それはさておき、本書はとある書店の屋上で「世界が壊れはじめている」と言う言葉を聞いてから物語が始まる。生 […]

東京日記6 さよなら、ながいくん。

著者自身が20年以上にもわたってエッセイとして日記を描き続けていることに驚きがある。エッセイと言うよりも、普段の日記でも多くの人は三日坊主になることが多く、1年2年続けて良い方ではあるものの、なかなか続けられないといった実情がある。それを20年続けるとなると、根気もさることながら、続けるための気づきへのアンテナを持つことが大切になる。 おそらくこの20年以上続いている日記がナレッジバンクとなり、多 […]