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日本人

ミュシャから少女まんがへ 幻の画家・一条成美と明治のアール・ヌーヴォー

今となっては少女漫画は当たり前のように存在しているのだが、その絵のタッチにも根源があるという。著者曰くそのタッチの起源としてアルフォンス・マリア・ミュシャの作品群を挙げている。なぜそのミュシャの作品群が少女漫画に影響を与えたのか、さらにミュシャ以外にも少女漫画に影響を与えた画家もいるのだという。どのような人物なのか、本書では取り上げている。 第一章「明治ラファエル前派と投稿空間としての『明星』」 […]

天皇と法王の架け橋 軍服の修道士 山本信次郎

戦国時代において、キリシタン大名と呼ばれる方々がいた。その中には5年前に列福された高山右近もいる。やがてキリスト教が禁止になり、江戸時代が終焉し、明治時代に入ると少しずつではあるのだが、キリスト教が信仰されることとなった。代表的な人物としては内村鑑三がいる。また本書で紹介する山本信次郎もまたキリスト教徒であり、おそらく軍人の中でも最も敬虔なクリスチャンであると同時に日本とバチカンとの関係を深めるこ […]

ニューロダイバーシティと発達障害―『天才はなぜ生まれるか』再考

これまで何度か「発達障害」の本を書評したのだが、その度に「発達障害は病気でも障害でもなく、傾向である」と言うことを主張してきた。もっとも発達障害であったとしても、適任とされている仕事の中で非凡たる才能を発揮している所もまた特徴としてある。もっとも歴史上の人物の偉人たちもまた何らかの発達障害を抱えていたが、その反面の非凡な才能を活かしたとされている。本書はその歴史上の人物をもとに発達障害と天才の関連 […]

国籍の?(ハテナ)がわかる本─日本人ってだれのこと? 外国人ってだれのこと?

もっとも国籍とは 「1.一定の国家の所属員たる資格。  2.航行機・船舶等の一定国家への所属。」(「広辞苑 第七版」より) とある。よく言われているのは1.の意味であるのだが、根源的な意味はなかなか難しい。人・国によっては二重国籍になる人もいれば、無国籍の人もいる。 そもそも国籍はどのようにして決まり、なおかつ国籍の基準とはどこにあるのか、本書はその疑問について解説をしている。 第1章「きみはナニ […]

カリスマフード―肉・乳・米と日本人

食べ物としては和夫奥の種類があるのだが、健康志向における食糧としては「ファッションフード」と呼ばれる一方で、人としての能力や健康の効力をもたらす「カリスマフード」と呼ばれるものがある。そのフードのあり方について取り上げているのが本書である。 第1章「肉」 もともと肉は日本人と縁遠かった存在と思われた。その「縁遠い」といえたのは牛肉などが宗教的な「禁忌」により食べることが禁じられたこと、さらには江戸 […]

本当に日本人は流されやすいのか

日本は権威主義的であり、同調主義的であるというイメージが持たれる。しかしながら著者は本来は自律性も主体性もあったのではないかと考えているという。ではその流されやすい傾向をいかにして脱し、主体性を持てばよいのかを日本国家というマクロの単位で分析・提言をした一冊が本書である。 第一章「同調主義的で権威に弱い日本人?」 日本、もとい日本人は「同調主義的」であることはお笑い芸人や海外の風刺などでも取り上げ […]

だから、居場所が欲しかった。 バンコク、コールセンターで働く日本人

東南アジアとして最も栄えている国の一つとしてタイ、その首都であるバンコクにて働く日本人がいる。本書で取り上げる日本人たちは日本において、生きづらさ・息苦しさなどを体験し、居場所を求めて渡った方々である。その方々がタイにてコールセンターにて働いているのだが、なぜタイへと渡ったのか、そこには他人には言えない「理由」があった。その「理由」と現在について働いている方々を映し出したのが本書である。 第1章「 […]

古田織部 – 美の革命を起こした武家茶人

戦国武将でありつつ、有名な茶人がいる。その名も古田織部(古田重然)であり、2011年にアニメ化されたマンガ「へうげもの(「ひょうげもの」と読む)」のモデルでもある。そもそも古田織部自身について「宗湛日記」にて「へうけもの」と呼ばれていたことがルーツと言える。もっとも「へうげもの」や「へうけもの」は字音仮名使いにおいて「おどけた人」「ふざけた人」を意味している。武将でありながら茶人であったという事に […]

内村鑑三 悲しみの使徒

明治~昭和初期にかけて、活躍した人物であり、キリスト教研究家としての側面が強い人物として内村鑑三がいる。内村鑑三として代表的な出来事として1891年にて第一高等中学校において教育勅語の「奉拝」の際に敬礼をしなかったことにより、社会問題となった「不敬事件」がある。その不敬事件と、キリスト教との関わりとはどうであったのか、本書は評伝として取り上げている。 第一章「入信」 内村鑑三はちょうど「幕末」の時 […]

「超」入門 空気の研究 日本人の思考と行動を支配する27の見えない圧力

著者の鈴木様より献本御礼。 本書は今から41年前に上梓された評論家である山本七平(やまもとしちへい)の「「空気」の研究」を「超入門」という形にて解説されたものである。ちょうど良いタイミングなのかどうなのか不明だが、本書が上梓されるのと同時期に文春文庫にて文庫化されることから、本書と元となった本を比較すると良い。 本書の話に戻すと、かつては「KY」、昨年は「忖度」と流行語になったのだが、周囲の状況に […]