TAG

日本史

お葬式―死と慰霊の日本史

「日本は死者の国である」 これは怪談で有名なラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が日本のことについていった言葉である。日本人は宗教によっては違えど、大概はお葬式は葬儀業者に頼んで通夜・告別式を経て四十九日というような順序で亡くなった人への供養をするという慣わしである。 このお葬式はどのような経緯でこうなっていったのか、民俗学的観点から考察している。 Ⅰ.「死と葬儀の歴史と民俗――高野さんの安居会公演よ […]

戦時演芸慰問団「わらわし隊」の記録―芸人たちが見た日中戦争

今、航空自衛隊の幕僚長による論文問題により歴史認識問題が揺れている。私自身も東京裁判等を通じて数々の戦争に関する文献を取り上げてきた。戦争にまつわる歴史認識は韓国や中国の顔色を伺ってばかりいるが、果たしてその歴史が日本人にとって誇りに思えるのか。そして東亜の平和のために勇猛果敢に戦ってきた人たちに失礼ではないだろうかと考えさえもする。しかし今回は戦争の中で兵隊たちにひとつのオアシスを与えた「わらわ […]

戦前・戦後の本当のことを教えていただけますか

本書は一昨年の3月に亡くなられた兼松學氏の戦前・戦後のことをつづっている。ちなみに兼松氏はこの当時は鉄道省に入省し、霞が関で大東亜戦争を体験した。そしてその後の日本の戦後のことについてありのまま話された。 第1章は戦前の暮らしについてだが、父の誇りと共に勉学そして遊びにがむしゃらだった少年時代から外国人と英語で論争、東京帝大時代から鉄道省に入る前までのことである。旧制中学というと現在でいう高校であ […]

日本史の一級史料

歴史の説やエピソードにおける意見は史料をもとにして行われる。とりわけ本書に書かれているような「一級資料」はそれについての重大な証拠となり得る。しかし本書を読んで混同してはいけないのは「一次資料」と「一級資料」は基本的に違うという所だけは釘を刺しておかなければならない。 それと本書の主張と相容れられないのがもう一つある。本書で書かれているのは安土桃山時代から江戸時代にかけてであり、それらの歴史を証明 […]

日本よ、「歴史力」を磨け―「現代史」の呪縛を解く

1945年日本はポツダム宣言を受諾し敗戦した。そのあとGHQによって東京裁判がかけられ、日本国憲法がつくられ歴史は断絶してしまった。それにより自虐史観というものが萌芽してしまい、従軍慰安婦問題、靖国問題に対して政府は弱腰の対応を迫られている。 さらに日本人の間でも自虐史観の教育により、日本という国自体が「悪」なのだということで自分の国を卑下し、さらには日本人ということに誇りを持たなくなった人が増え […]

「海洋国家」日本の戦後史

アジア地域のほとんどは大東亜戦争終了までは欧米列強の植民地であった。そのときは白人たちの横暴に苛まれ続けたが、大東亜戦争による日本の活躍により、日本軍に不満を持ちながらもアジア独立への希望が芽生えたことは紛れもない事実である。それによって戦後多くの国々が独立した。 本書は日本におけるアジア外交の戦後史についてであるがとりわけ多く取り上げられていたのはインドネシアと日本の外交である。戦後インドネシア […]

足利義満 消された日本国王

足利義満と言えば室町時代初代将軍足利尊氏と後醍醐天皇によって分断された南北朝の統一や、室町幕府の権力強化、さらには金閣寺建立まで尽力をしたという室町時代の中でもっとも有名な将軍の1人にあげられる。 ちなみに表題の「日本国王」だが、これは明国の皇帝から封号が与えられており、実質的な的な日本の支配者に与えられる称号であった。義光は明国と貿易を行うために、数回にもわたって使節を送っていたことからその封号 […]