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日本

冒険としての社会科学

当ブログは主に書評を行っているが、いくつかカテゴリーに分けての書評も行っている、ブログの左にあるカテゴリーを見ていただければ幸いだが、主に「人文」「社会科学」「理数系」「文芸・評論」「ビジネス」と分けている。私の読書傾向からこの5種類に分類しているが、私の所の「社会科学」は主に「社会問題」「政治」と言った本に分類している。前身の「蔵前トラック」でもそれらの類はずっと書評し続けているのでなじみ深いと […]

戦後思想は日本を読みそこねてきた―近現代思想史再考

「戦後思想」と言っても一括りには言えないのだが、少なくとも「戦前」の日本、そして大東亜戦争のあり方を否定し、現在の日本はどうあるべきかを説いていた。その代表的人物として大江健三郎、吉本隆明、丸山眞男を挙げている。 もっとも日本における「戦後思想」とはいったい何だったのだろうか、と言うことから考えなくてはならない。戦後日本は戦争に対する嫌悪感、さらには「安保闘争」など政府などの強者に対する抵抗の激し […]

多民族化社会・日本

人種差別にかんして撤廃が進んでいるが、法律などによる差別もあれば、民族対立、あるいは宗教対立による戦争もある。その中で日本はあらゆる民族と共生している。日本はかつて「単一民族」といった事を標榜していたのだが、実際は数多くの民族と共生していた時代があった。その名残からか、もしくは日本独特の文化・宗教観からか宗教的な対立や民族的な対立は他国と比べると目立たない。 さて、本書の話に入る。本書は他民族の共 […]

不況は人災です! みんなで元気になる経済学・入門

今となっては「不況」と言う言葉が常態化している。「失われた10年」を乗り越え、ようやく好景気にさしかかった時も、世間の反応は冷やかであった。それからしばらくして「リーマン・ショック」が起こり再び不況の状態となってしまった。それからずっと景気は停滞状態にあり、先行きも不透明のままである。 しかしこの「不況」という状態は誰がもたらしたのかということが経済学者、もしくは評論家の間で議論される。しかし実際 […]

あした・ゆたかに・なあれ―パパの休日の経済学

(株)オトバンク 上田様より献本御礼。 毎日経済のニュースが絶えない。ここ最近では「円高」が叫ばれており、政府もようやく重い腰を上げ、為替介入に踏み切った。介入は当面続けるそうだが効果は果たしてどのようにもたらすのだろうか。 それはさておき、私たちサラリーマンは「経済」のことについて、身近なものでは、給料や家計、さらには消費といった所までしか知らない人が多く、「経済」のニュースが流れてきても実感が […]

台湾ナショナリズム 東アジア近代のアポリア

台湾と日本は切っても切れない関係である。1894年、日清戦争により台湾が日本に割譲されてからというもの、「四害」の一つと言われるほど腐敗していた島を、先進国並に発展させた。しかし戦後、台湾は国民党独裁政治、厳密にいったら(しょうかいせき)独裁政治となった(史上最長の「戒厳令」が続いたのもこの時期である)。それを経て、李登輝が総統(台湾政治とトップに位置する)になったとき、民主化に向けて大きく動いた […]

科学技術は日本を救うのか

日本は「科学技術立国」と呼ばれているという。ノーベル化学賞・物理学賞も多く輩出している。しかし昨今の民主党政権下で「事業仕分け」が話題となり、科学技術の分野でも多くの事業が廃止に追いやられる事態となった。現在特命大臣を務める蓮紡氏が「2位じゃだめですか?」と発言したことも有名であり、書籍にまでなってしまった。 世界でも有数の「科学技術立国」であるが、その裏では「事業仕分け」だけではなく数多くの課題 […]

日本霊異記の世界 説話の森を歩く

日本文学の代表する「霊」にまつわる説話集と言えば「日本霊異記」である。その中から一寸法師など童話として取り上げられた作品もある為、「日本霊異記」という名前は知らなくても、この説話は聞いたことがあると言う人もいるだろう。 本書は「日本霊異記」の中身はどのような物であるのかというのを案内した一冊である。いわば「日本霊異記」の入門書という位置づけと言える。 第一講「小さ子とトリック・スター」 最初に紹介 […]

日本の動物法

「動物保護」「動物愛護」という動きが強まっている。しかしその一方でそれを謳いながら他国に攻撃を仕掛けるとんでもない輩がいる(別にドコとは言わないが)。 日本に限らず世界には動物に関する条約や法律が存在する。本書は動物法とは何なのか、動物法の歴史はどこから来たのだろうか、動物法は私たちに何をもたらしてくれるのか、そしてこれからの動物法とはいったいどうなるのかについて書かれた一冊である。 第Ⅰ部「動物 […]

「日本のこころ」の底ぢから

日本人としての心というと皆さんは何を思い浮かべるだろうか。 「礼儀正しさ」「武士道」「大和魂」、女性であれば「大和撫子」を連想するだろう。 かつては礼儀作法や日本人としての在り方を学ぶ「修身」という授業があり国語や数学と同じように必須科目であり、重要科目であった。しかし、それが軍国教育の一環とGHQに見なされ、終戦と同時に廃止となってしまった。今では「道徳」がそれに代わるものとなっているが、もはや […]