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昭和

昭和平成令和定食紀行

本書を取り上げる手前大変恐縮だが、私自身定食やを含め外食することがほとんどない。出張することもほとんどなく、これと言って外で食べたいという気にもならないためである。しかしたまに外食をするとなるとその分新鮮さもあり、ウキウキしてしまう自分もいる。 本書で取り上げる「定食屋」であるが、ありきたりな定食にしても、その店独特の雰囲気、料理などが楽しむことができる。しかもその範囲は全国津々浦々というもの。昭 […]

レーテーの大河

舞台は大東亜戦争終結後から1964年の東京オリンピックにかけての期間を描いている。特に終戦直後の混乱の中で日本・満洲における激動の中で「戦災孤児」として生きてきた3人、そして関東軍として満洲に赴いていた日本兵2人が本書の主軸になる。 戦後の激動の最中で行われたとある「任務」を巡り、様々な出来事に巻き込まれる。それが東京オリンピック開催までの約20年にも及ぶ長い闘いだった。しかもその「任務」は「戦争 […]

一九六一 東京ハウス

61年前の東京は、昭和後期を象徴付ける街並みであったという。「古き良き時代」なのかどうかはわからないのだが、当時は高度経済成長にさしかかり始めたところで、経済大国に向けて着々と準備を行う時代だった。同時に、この60年代になると「六十年安保」や「大学闘争」「ベトナム戦争」など戦後日本を象徴するような出来事が次々とあった。もちろん64年に東京オリンピックも開催されたことは言うまでもない。 その1961 […]

1976に東京で

1976年はある種の「節目」である。もっとも昭和になってちょうど50年になったこと、民放とよばれるテレビ放送が開始してちょうど25年となったことなどが挙げられる。 時代は高度経済成長が踊り場となり、経済的に停滞している時代とも言える。その時代の中で就職を機に青森の津軽から東京へと渡り、出版社にて働くある人物がいた。経済が停滞してもなお、活気が沸いていた時代。しかし、その人は太宰治に憧れ、なおかつ何 […]

プロ野球オーナーたちの日米開戦

日本においてプロ野球が生まれたのは1920年の時である。ちょうど100年を過ぎたのだが、コロナ禍においてもプロ野球は根強い人気を誇っている。強さを追い求めるチーム、パフォーマンスも含めたチーム、地域に根ざしたチームなど様々である。大東亜戦争以前にもプロ野球チームが存在しており、チームの中にオーナーも存在していた。本書ではそのオーナーに焦点を当て、オーナーたちとプロ野球、そして大東亜戦争との関わりが […]

昭和の名人この一席

噺家の世界において「名人」と呼ばれる人は数多くおり、時代と共に変化していく。ごく最近で逝去した方でも十代目柳家小三治は昭和から令和にかけての「名人」として知られていたほどである。 本書はあくまで「昭和」にフォーカスを当て、どのような「名人」がいたかを取り上げ、特に印象に残る演目も含めて列挙している。 第1章「大正から昭和初期の落語」 戦前の噺家にも名人は数多くいるのだが、本章では昭和初期もさること […]

盆踊りの戦後史 ――「ふるさと」の喪失と創造

盆踊りというと夏の風物詩であるため、季節はまだ先であるのだが、もっと言うと新型コロナウイルスの感染拡大によって盆踊りのイベント自体の開催が難しくなった。そもそも盆踊りとはいつどのように生まれ、栄えていったのかという疑問がある。本書は盆踊りそのもの歴史について取り上げている。 第一章「日本の近代化を盆踊り―明治~昭和初期」 盆踊りそのものの歴史は諸説あるのだが、一遍上人が各地に踊り念仏を布教したこと […]

「勤労青年」の教養文化史

「勤労青年」と言う言葉はどのような存在なのかというと、戦後間もない時に、様々な理由から大学に進学せずに、集団就職で社会に出て働く青年たちのことを表している。その勤労青年たちは、東京へ上京することの憧れもあれば、大学における「教養」としての憧れも存在していたのだという。その「憧れ」と文化の変遷はどのようになったのか、本書は勤労青年における教養そのものがどのように根付き、発展して行ったのかについて取り […]

増補版 大平正芳 理念と外交

ご存じの方は今となってそれ程多くないものの、大平正芳は昨今の日中・日韓の国交を築いた人物であり、なおかつ保守政治家の大家であった。通称「アーウー宰相」や「讃岐の鈍牛」と言われ、なおかつ知性派として辣腕を振るった。しかしながら自民党の分裂による解散により首相のまま逝去したとも知られている。 生誕して110年、没して40年というちょうどの節目に大平正芳の生涯を追っているのが本書である。 第1章「「楕円 […]

天皇と法王の架け橋 軍服の修道士 山本信次郎

戦国時代において、キリシタン大名と呼ばれる方々がいた。その中には5年前に列福された高山右近もいる。やがてキリスト教が禁止になり、江戸時代が終焉し、明治時代に入ると少しずつではあるのだが、キリスト教が信仰されることとなった。代表的な人物としては内村鑑三がいる。また本書で紹介する山本信次郎もまたキリスト教徒であり、おそらく軍人の中でも最も敬虔なクリスチャンであると同時に日本とバチカンとの関係を深めるこ […]