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昭和

自由と平等の昭和史 一九三〇年代の日本政治

1930年代は、1929年に起こった世界大恐慌の後、その年代に代表されるのは「二・二六事件」「日中戦争(支那事変)」が挙げられる。1930年代から、日本軍(特に陸軍)の発言力が増し、軍人の閣僚・首相が誕生してきたのもその時代である。大きなターニングポイントを迎えた。本書はそれを迎えた経緯と「反ファシズム」といったいわゆる「左翼系」「ソ連系」とも言われる人たちの歴史をたどる。大恐慌をむかえて労働状況 […]

板垣征四郎と石原莞爾

8月15日、大東亜戦争、及び第二次世界大戦が終焉して64年という節目を迎えた。同時に日本軍の中で「天才」と唱われた石原莞爾の命日でもある。板垣の生涯について、石原の生涯についてといったそれぞれの紹介の本はこれまで多く刊行されており、満州についての本も板垣と石原の両方について書かれている。 しかし本書は、あくまで「板垣征四郎と石原莞爾」をクローズアップしているため、満州建国や大戦、東京裁判に至るまで […]

評伝 川島芳子―男装のエトランゼ

日中戦争時代、この二国間の狭間で生き抜いた二人の女性がいた。一人が山口淑子、「李香蘭」と呼ばれた女性である。もう一人は本書で取り上げる川島芳子(本名:愛新覚羅 顕シ ※シは王ヘンに子)、「男装の麗人」として名をはせた女性である。 本書はこの川島芳子にスポットを当てているが、今から25年前にジャーナリストの上坂冬子が上梓した「男装の麗人・川島芳子伝」を例に挙げながら、この本で取り上げられなかったとこ […]

植民地朝鮮と児童文化―近代日韓児童文化・文学関係史研究

1910年の朝鮮併合から1945年の日本敗戦までの間に、植民地となった朝鮮で栄えた児童文化および、文学についての関係史を研究したものである。 こういった朝鮮併合時代というとインフラでの工業発展や、朝鮮独立を求める事柄、そして日本が敗戦した時に挑戦は準戦勝国となり、日本をいびり倒したこと、そして今もなお続く「従軍慰安婦」や「竹島・対馬問題」などが挙げられるが、朝鮮併合時代の朝鮮半島であった児童文化や […]

日中戦争下の日本

日中戦争は1938年に開戦となったが、開戦当時は早急に終わると政府や軍も簡単に思ってしまっていた。しかし蒋介石率いる中国国民党はアメリカを始め欧州からの武器と資金の援助により泥沼化させ、最終的には勝利を収めた。ちなみにこの日中戦争までの道のりは国民の世論は開戦が大多数であった。しかし戦争が泥沼化し始めると政府の首脳陣への批判が後を絶たなかった。敗戦後はあたかも自分は平和主義者のように開戦をした人た […]

汚名―B級戦犯刑死した父よ、兄よ

戦後63年を迎える今、歴史認識問題は絶えず論議の的になり、外交の大きな隔たりの要因の一つとして挙げられることが多々ある。本書は特に取り上げなければならず、かつ遺族の苦痛は戦時中以上のものであった、本多勝一ら朝日新聞をはじめ政府では社民党や共産党はそう言った胸中を知っているのだろうか。むしろ中国や韓国に謝れという以前にそう言った人たちの陳謝と保障を訴えることから歴史認識問題について論議するというのが […]

戦前・戦後の本当のことを教えていただけますか

本書は一昨年の3月に亡くなられた兼松學氏の戦前・戦後のことをつづっている。ちなみに兼松氏はこの当時は鉄道省に入省し、霞が関で大東亜戦争を体験した。そしてその後の日本の戦後のことについてありのまま話された。 第1章は戦前の暮らしについてだが、父の誇りと共に勉学そして遊びにがむしゃらだった少年時代から外国人と英語で論争、東京帝大時代から鉄道省に入る前までのことである。旧制中学というと現在でいう高校であ […]

統帥権と帝国陸海軍の時代

敗戦後は「統帥権」というのは廃止されたが、大日本帝国憲法下での統帥権は天皇陛下にあった。この統帥権の独立について著者は破滅の道に進んだとしている。実際この統帥権について取り沙汰されたのは日露戦争のことであるが、もっとこれが表面化したのは1930年代のことである。 もともとこの「統帥権」については大日本帝国憲法11条に条文化されていたがそれの解釈や背景にあたり上記のいざこざが見られたという。実際日本 […]

東京裁判への道2

下巻に移ると今度は一気に変わり日本の自主裁判、A級戦犯容疑者の釈放と細菌、毒ガス戦での罪状の在り方、そして東京裁判の在り方について書かれている。まずここではA級戦犯の釈放について7人の死刑終了後、起訴されず釈放されたA級戦犯を「A’級」として扱っているところが特徴的である。 A級戦犯として起訴されたのは全部で28人であるがそれ以外にもA級戦犯として起訴はしていない者の巣鴨プリズンに収監されたり聴取 […]

東京裁判への道1

本書は終戦からA級戦犯逮捕、そして東京裁判、そして判決までの過程を調書等をもとにして上・下の2部編成で書かれている。とは言っても東京裁判に関する文献は結構多く今年はそういう文献が出版されている。というのは今年の12月23日にはA級戦犯処刑執行60周年にあたる年である。実際東京裁判に関する文献を読みたいと思っていたのも今年であったというのは何たる偶然のことか。 まず上巻では木戸幸一の弁明、そして検事 […]