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時代

項羽と劉邦、あと田中

「項羽と劉邦」とは、中国大陸において紀元前200年代に起こった「楚漢戦争(そかんせんそう)」を表しており、秦王朝を滅ぼした項羽(項籍)が、自ら「西楚の覇王」と名乗り「楚」を都にした国をつくった。一方の劉邦は漢王となったが、その2つを中心とした戦争が「楚漢戦争」である。当初は項羽が優勢だったのだが、劉邦が立て直し、項羽を破ったという戦争である。最終的に項羽が劣勢に立たされ、なおかつ敵対するものに囲ま […]

鬼憑き十兵衛

父の仇を討つために自ら鬼が取り憑いたように復讐の旅と闘いを行っていった。その道中で出会った僧、実は本物の「鬼」だった。 本書はファンタジー伝奇小説なのだが、実際に観てみると時代小説の雰囲気がして成らない。しかも本書の舞台の雰囲気からして戦国時代を彷彿とさせる。しかし物語の中には奇怪たるような表現や物質などがあり、史実はある程度まぶしながら取り上げられていることから、時代小説のようでいて、実はファン […]

歌え、汝龍たりし日々を 始皇帝紀

時は「三国志」と呼ばれるような戦国時代だった。その戦国時代から中国大陸全土を統一し、初代の皇帝となったのが「秦の始皇帝」と呼ばれる人物である。 その始皇帝は人質の子として生まれ、死と隣り合わせの人生を送ったが、そこから王位を引き継いだが、冒頭にも述べたように戦国時代の真っ只中にあった。そこから統一を行い、皇帝としての覇道を突き進みはじめた。 歴史的な史実として議論の的になることが多くあるのだが、始 […]

月虹の夜市

「あやかし(妖)」の話というと怖さがあるのだが、ここ最近読むあやかしの話はなぜか心温まる作品が多くある。もっとも手に取っているの私なので、それを好いている傾向なのかもしれない。同じ著者で数年前に「恋する狐」を取り上げたのもそのせいかもしれない。 それはさておき、本書は「恋する狐」と同じく江戸時代におけるあやかしの話である。舞台は浅草川と呼ばれるところであり、その川辺にある船宿で女将として切り盛りし […]

源匣記 獲生伝

目の前で両親を失ってしまったとある少年が、殺された敵を復讐するために立ち上がった。しかしその立ち上がった旅の中で、とある小さな「匣(はこ)」を賊から略奪したのだが、その「匣」には人智を超える力を宿していた。 そしてその復讐の相手も「匣」を持っており、やがて大きな「大戦」へと進んでゆくこととなる。 本書は「日華融合ファンタジー大戦」とあるのだが、確かにファンタジー的な要素はある。大戦にしても古代中国 […]

元禄お犬姫

犬と人間の関係は密接であるのだが、その中でも良くも悪くも有名になったのは、江戸時代、五代将軍徳川綱吉の「生類憐みの令」である。その生類憐みの令は犬に限らず、猫や魚、さらには虫などあらゆる動物に対して保護を行うと言った法令であったが、その法令により徳川綱吉への評価を下げた一因にもなった。諸説はあるものの、犬を保護するための言われており、綱吉自身も「犬公方(いぬくぼう)」と呼ばれたほどである。 それは […]

うき世櫛

「髪は女の命」はよく言ったものである。しかしそれは今も昔も同じ事であり、江戸時代にもそういった時代があり、その女性の髪を美しくする「髪結い」といった職業もあったほど。 本書は江戸時代に「髪結い」として生きた齢15の少女が髪結いとして修行をツムと言った成長譚である。健気ながらも、髪結いとしての成長、そして女性と髪の毛、江戸時代における女性の愉しみ、そして「幸せ」、それが一つに詰まった一冊である。 江 […]

雷雲の龍 会津に吼える

会津というと戊辰戦争における「白虎隊」が有名である。その白虎隊は16歳~17歳(中には13歳や15歳もいたほど)になる青年によって構成され、新政府軍と戦い、多くの命を散らせたというものである。やがてそれが様々な作品を通して知られ、何度かドラマ・舞台化するほどにまでなった。 本書は北辰一刀流の大剣士である人物が、門下生と息子を連れて江戸を捨て会津藩へと渡り、新政府軍と戦った物語である。 ちなみにその […]

ことばが消えたワケ ─時代を読み解く俗語の世界

日本語は絶えず変化する。そのため私自身は「正しい日本語」を信用することができない。私事はさておき、日本語に限らず、ことばは時代とともに変化を遂げていく。それだけでなく、流行語として扱われ、いつしかそれが「死語」となることさえもある。その「死語」こそ、本書のタイトルである「ことばが消えた」と呼ばれるようになったのかもしれない。そのことばが消えたのはどのような理由があるのだろうか、そのことを論じている […]

挑発的ニッポン革命論 煽動の時代を生き抜け

なんともセンセーショナルなタイトルであるのだが、アメリカが現時点で「煽動」と呼ばれる時代に来たという。その煽動が世界に伝播して時代をつくっているのかも知れない。そのような時代の中であたかも「挑発」しているかのように日本に対して煽動の時代をどう生き抜けば良いのかを提言しているのが本書である。 第1章「トランプ旋風と煽動政治――9.11からフェイクニュースへ」 ドナルド・トランプが大統領に就任する以前 […]