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書評

アメリカの終わり

昨年の10月にリーマン・ブラザーズ倒産によって急速に、かつ世界的に景気が後退した。特にアメリカの経済の減速は凄まじいものがあり、「ドル危機」まで言われるようになった。さらに今年はかつて世界一の自動車メーカーとして名をはせたゼネラル・モーターズ(GM)が「チャプター11(日本で言う「民事再生法」)」を適用し、事実上破産した。これから再建に向けて動き出す。 本書は経済的な終わりというよりも「イラク戦争 […]

「死の美学化」に抗する―『平家物語』の語り方

「日本は死者の国である」 もう何回言ったのかわからないが、怪談話で知られる小泉八雲ことラフカディオ・ハーンの言葉である。 日本では死んだら宗教によるが、通夜・葬儀を経て墓に送り、そこから一周忌・三回忌・七回忌…というように供養を重ねていく。これほどまで死者に対して礼をつくした宗教は少ないように思える。 さらに日本の文化には「死」というのを題材にした作品も少なくない。「死」というのを考えさせられるば […]

ラークライズ

本書の著者であるフローラ・トンプソンの自伝的フィクションであり1939年に刊行された作品である。 ちなみに本書のほかにも「キャンドルフォードへ」や「キャンドルフォード・グリーン」とあわせて3部作として1冊にまとめられた作品があり、それによって彼女は名声を確固たるものとした。 有名な3部作の1作目に当たる本書は、自らの少女時代は貧しいながらも喜びも悲しみにも感情に満ち溢れた物語であり、著者自身の体験 […]

働く理由 99の名言に学ぶシゴト論。

今年の新入社員は会社に入り始めてもう3カ月たつがもうそろそろ慣れてき始めたのだろう。 来年新入社員になる学生は不況による就職難の中、就職先を必死に見つけようとしているだろう。 私も社会人2年目として様々な困難に直面しているところである。 社会人として少し過ぎたのだが、「人はなぜ働くのか」という疑問は今も抱いており、社会人として引退する、もしくは亡くなるまで考え続ける「永遠の課題」の一つと言える。 […]

水の神秘 科学を超えた不思議な世界

「水」は生物が生きていくに当たり最も必要なもののひとつである。「哲学の祖」として知られるタレスも「万物の根源は「水」である」と唱えたほどである。 しかし、「水」はどこからできたのだろうか、何をもって水と考えられたのであろうかというのはあまり分からず、たとえ知っていたとしても自らの生活の上で何の役に立つのかというのはわからないだろう。 しかし今日は「地球温暖化」と言われて久しく、その影響により食糧危 […]

壁を壊す

今も老舗として有名な「同和鉱業」こと「DOWAホールディングス」を2000年から約7年間で利益を10倍にさせた経営術の本である。老舗企業であるがゆえに外部とのしがらみも強く、風当たりも強かった。それにめげず大胆な改革を行い、成功を遂げた姿がここにある。 序章「「壁を壊す」企業改革」 普段オフィスでは他部署の仕切りをつけるため、もしくは上下関係をはっきりさせるためという要素もあるが「壁」という仕切り […]

心理学入門一歩手前―「心の科学」のパラドックス

大学では学問の一つとして定着している「心理学」。最近ではビジネスにおいてコミュニケーション力、特に「NLP」というものが出てきている。「NLP」というのは直訳すると「神経言語プログラミング(Neuro Linguistic Programming)」と言い、コミュニケーション技法や自己啓発技法として最近注目を集めている言語であるが、その反面商業的・科学的観点からの批判も多い。 NLPの話については […]

心の平和

チベット仏教の最高指導者であり、チベット仏教の繁栄、そしてチベット問題の惨状を訴えながら平和を願ってやまないダライ・ラマ14世猊下の一冊である。猊下自身の「心」の在り方について書かれている。目次に入る前には様々な風景をバックに珠玉の一言がちりばめられている。 「なぜ、苦しみは生まれるのか?」 「幸せ」とは何か。 「苦しみ」とは何か。 人それぞれ違うし、様々なものがあるため一概にこれとは言えない。 […]

ベストセラーだって面白い

ベストセラーというのはあまり面白い作品が多い。タイトルのインパクトは強いものの中身が伴っておらず、「買って損した」ということが何度もあった。しかしベストセラーでもたまに「当たり」と言えるほど面白いものもあるため、内容はピンからキリまであるが、どちらかというとキリの方が多いように思えるのは私だけであろうか。 本書はそんなベストセラーの面白さについて2001年から朝日新聞で連載を行っていた「ベストセラ […]

「アイデア」が生まれる人脈

これまでいくつか「人脈術」に関する本を読んできた。ある本は具体的な人脈形成を、またある本では人脈作りの楽しさを、ある本では戦略を、ある本ではプラットフォームを、と人脈形成にも人それぞれのやり方があるのだなと考える今日この頃である。 では本書の人脈術はというと、本書のタイトルを見るなり最近参加した「出逢いの大学」にて「出逢い」は「アイデア」を生み出す。なぜなら出逢いをローマ字表記にすると「DEAI」 […]