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東京

町の忘れもの

「町」には様々な風景を持っており、その風景は時代とともに変化をする。もちろん印象的な町並みも変化とともに、風化してしまい、ないがしろにされていってしまう。本書はその忘れ去られようとしている町並みについて本という媒体を使って残している。 第1章「失われたものたち」 一昔前、ごく当たり前に存在した「貸本屋」や「おみくじ機」「リヤカー」と言ったものがある。その一昔前の姿の写真と、それが失われた「今」の写 […]

東京スカイツリー論

2012年に竣工し、オープンしたのが押上にある「東京スカイツリー」である。高さ634メートルに及ぶタワーには、観光名所として知られるだけではなく、なおかつ放送において最も重要な役割を担う箇所として知られる。そのスカイツリーは日本として、そして世界としてどのような存在となるのか。本書は「インフラ」「タウン」「コミュニケーション」など様々な角度の立ち位置について取り上げている。 第1章「インフラ編/東 […]

とっておきの東京ことば

今となっては標準語がまかり通っているが、もともと東京にも「東京弁」や「江戸弁」などの方言が存在した。江戸弁だと古典落語などで聞くことが多いのだが、東京弁はというとあまり聞くことがない。 青森や沖縄のように癖のある方言なのか、あるいは標準語に近いような言葉なのか、本書はその東京弁について数多くの落語の録音に携わるなど、落語の専門家としても名の高い著者が紐解いている。 第一章「神田で生まれて」 元々著 […]

呑めば、都―居酒屋の東京

「住めば都」を捩っているタイトルだが、東京にはまさに居酒屋が多く、場所によって特色が異なる。本書は東京のありとあらゆる土地の居酒屋をめぐっているが、あまつさえ日本人でも興味深いのだが、本書は日本文学を専攻しているアメリカ人が自ら居酒屋をまわって取り上げているだけあって、日本人の知らない着眼点がある。 第一章「セーラー服とモツ焼き(溝口)」 「溝口」は駅名から「溝ノ口」と呼ぶこともあれば、地元では「 […]

吉原という異界

現在の吉原はソープランド街として有名であるのだが、江戸時代から大東亜戦争前までは花魁をはじめとした遊女たちが栄える郭街として知られた。もっとも落語や歌舞伎でも吉原を舞台にした作品は数多く収録されており、「吉原」の街は今も昔も有名である。しかし吉原はいつの頃にできて、どのような変遷をたどっていったのかは私自身わからない。本書は、吉原の歴史を紐解いている。 第一章「戦後の新都」 今でこそ吉原は東京都台 […]

東京 消える生き物 増える生き物

日本にはいろいろな場所があり、場所によってはそこでしか見られない生き物も存在する。喧騒に囲まれた東京とて例外ではない。東京には高層ビル街の中で、あるいは池や住宅地の中でたくましく生きる生物もいる。本書は東京に住み着いた生き物、東京を狙う生物、東京で増え続ける生き物など「東京」と「生き物」にフォーカスを当てている。 第1章「大都会で生き残るには」 東京と言ってもいろいろとある。例えば多摩や小平と言っ […]

都知事―権力と都政

先日12月24日に東京都知事の猪瀬直樹氏が徳洲会グループからの資金提供問題の隕石に伴い辞任した。それにより、東京都知事選が来年の2月に行われる事になったのだが、東京都知事とは他の道府県とは異なる権力を持っているとも言われている。1300万にも及ぶ人口と財力、権力を持っているとされる都知事はいったいどのような役割を担ってきたのか、そして東京都を支える都議会、さらには都庁官僚とはいったいどのような存在 […]

今だから話せる都営地下鉄の秘密

「・・・しかし、地下鉄の電車はどっから入れたんでしょうねぇ。それを考えると一晩中眠られなくなるの」 これは春日三球・照代の地下鉄漫才の一言である。この一言が「地下鉄漫才ブーム」となり、夏休みの子供たちが「営団地下鉄(現在の東京メトロ)」や「東京都交通局」に問い合わせが殺到する事態が起こったという。 当時から様々な路線があったのだが年々新たな路線が出てきており、もはや蜘蛛の巣のような様相を見せている […]

もんじゃの社会史―東京・月島の近・現代の変容

「もんじゃ焼き」と言えば、「月島もんじゃ」というほど月島のもんじゃ焼きはあまりにも有名である。個人的にも「もんじゃ焼き」といえば東京名物という固定観念を持ってしまう。 その「もんじゃ=月島」という構図がいかにしてできあがったのか、そして「月島」と「もんじゃ」は時代とともにどのような変化をたどっていったのか、本書を見てみよう。 第1章「月島のルーツ」 「月島」自体は江戸時代に存在しない。明治20年に […]

飛行士と東京の雨の森

東京を舞台にしていながら東京独特の喧噪から外れた所にいるような感覚に陥る。それでいてダークかつ寂しさのあふれる様な作品であった。 東京は日本で最も人口が密集した所であるが、心までも近いかと言われるとそうではなく、あくまで「他人」という意識でしかない。それは北海道でもほぼ言えることであるが、その姿を7つの短編小説でありありと映し出している。 話は変わるが、私が初めて東京に来たのは2007年2月、それ […]