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歴史

もんじゃの社会史―東京・月島の近・現代の変容

「もんじゃ焼き」と言えば、「月島もんじゃ」というほど月島のもんじゃ焼きはあまりにも有名である。個人的にも「もんじゃ焼き」といえば東京名物という固定観念を持ってしまう。 その「もんじゃ=月島」という構図がいかにしてできあがったのか、そして「月島」と「もんじゃ」は時代とともにどのような変化をたどっていったのか、本書を見てみよう。 第1章「月島のルーツ」 「月島」自体は江戸時代に存在しない。明治20年に […]

海辺の家族―魚屋三代記

神奈川県大磯町 茅ヶ崎・平塚と同じく東海道線が停まり、「大磯ロングビーチ」が有名である。ワンマン政治で名を馳せた吉田茂の別荘があり、俗に言う「大磯御殿」と呼ばれていたほどである(政界でも隠語として「大磯」があったほど有名である)。吉田茂に限らず伊藤博文や西園寺公望も別荘を持つなど避暑・避寒地として別荘を建てる要人も多かったとされている。 大磯のことはここまでにしておいて、本書はその大磯で営むある鮮 […]

1941 日系アメリカ人と大和魂

1941年と言えば、12月8日に日本が真珠湾へ攻撃を行い大東亜戦争が開始された年であった。当時から日米関係が緊張状態にあり、いつ戦争が起こってもおかしくないような状況に陥っていた。 日本では政府による英米文化そのものを楽しむこと自体御法度とされ、米国では日系人に対する強制収容も行われた。 本書の著者は2001年からアメリカに在住し、日系アメリカ人社会と出会った。その出会いから第二次世界大戦から始ま […]

山手線誕生―半世紀かけて環状線をつなげた東京の鉄道史

「上野の後に池袋 走る電車は内回り 私は近頃外回り…」 「綴方狂室の痴楽」で知られる四代目柳亭痴楽のトレードマークと言われる「恋の山手線」である。後に小林旭が同名のタイトルで大ヒットしたという。 その山手線であるが、品川~田町間で新駅がつくられるというニュースがあった。その意味で今山手線がアツいとも言える。 東京をはじめ首都圏にすんでいる人にとって馴染み深い山手線だが、そもそもそれが誕生した歴史は […]

アイスクリームの歴史物語

アイスクリームといえば「夏の風物詩」の一つとして取り上げられるが、残暑の厳しい今日この頃でも通用する。冷たさとクリーミーな味が、暑い夏を涼ませ、至高のひとときを得ることができる、身近なお菓子の一つと言える。 しかしそのアイスクリームはかつて「超ぜいたく品」と呼べるほど高級なものであったが、それがなぜ大衆食となったのか、そしてアイスクリームはどのように誕生し、進化をしていったのかを本章にて解き明かし […]

鉄道と国家─「我田引鉄」の近現代史

鉄道は明治5年に新橋~横浜間に初めて敷設されて以来ずっと交通インフラとして欠かせないものとなった。しかし私は大学に入学する前までは全くと言っても縁遠い者であった。大学時代も小樽・札幌間くらいしか行かなかった。電車が重要な交通手段として認識できたのは東京に初めて訪れてからのことである。 私事はさておき、本書は鉄道と国家の関係について述べられているが、1985年に民営化された前後とそして現在の新幹線技 […]

英国王室御用達-知られざるロイヤルワラントの世界

日本では「宮内庁御用達」というものと言える。いわゆるイギリスの象徴と言える「イギリス王室」が贔屓にしている店がいくつか存在しているが、「宮内庁御用達」と決定的に異なる。昨今の「宮内庁御用達」は極端な話どこも名乗ることができるが(かつてそのような制度は存在したが、戦後廃止された)、「英国王室御用達」は「ロイヤルワラント(認定証)」を受ける必要がある。このロイヤルワラントは12世紀ヘンリーⅡ世の時代か […]

「ドーハ以後」ふたたび 世界から見た日本サッカー20年史

今年日本サッカーの幕開けとして知られる「Jリーグ」が初めて開幕して20周年を迎える。 昨今では関塚ジャパンが44年ぶりにベスト4に進出したものの、その44年前の因縁を持つメキシコと対戦したが、惜しくも敗れ、さらに次の3位決定戦には宿命の韓国戦となったが完敗し、44年ぶりのメダル獲得とまではいかなかった。 本書は20年もの歴史を日本代表監督毎の時代を振り返りつつ、これからの日本サッカーについてを見出 […]

アイヌの世界

北海道出身である私にとって「アイヌ」は切っても切れない、というよりも北海道とアイヌは切っても切れないものである。小学校時代の時にはよくアイヌに関する授業も受けたことがあり、地名もアイヌ語からきているものも多い。 しかしそのアイヌ民族はいったいどのように伝えられており、かつ文化や言語が栄えたのか、本書はそれらの考察を行っている。 第一章「DNAと言語からみたアイヌの起源」 本書における考察の中心は「 […]

四国遍路―さまざまな祈りの世界

四国八十八カ所の寺院を巡る「お遍路」こと「四国遍路」、元々平安時代から始まったのだが、平成に入って「一大ブーム」となった。前首相である菅直人も2001年と、首相を退いた2011年の2回お遍路を行った。 そのお遍路にはどのような思想があり、どのような魅力が存在するのか。本書は「四国遍路」にまつわる思想と文化、そして魅力を追っている。 <四国遍路の思想> 最初に四国遍路は平安時代に誕生した […]