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生態

歌う鳥のキモチ 鳥の社会を浮き彫りに

そもそも「鳥」は歌うのかという疑問を持ってしまう。もっとも実家でオカメインコを飼っているのだが、歌ったところを見たことがない(人が食べるものをしきりにねだることはあるのだが)。また散歩していく中でハトやカラス、さらにはトンビも歌っている姿を見たことがない。 しかし本書はあくまで鳴き声こそ「歌」に見立てているところがあり、歌によって、他の鳥たちとのやりとりや求愛などの意志を伝えるという役割を持つ。本 […]

ライフ・オブ・ラインズ―線の生態人類学

人間に限らずとも、生物などの森羅万象はありとあらゆる形で進化をしている。その「進化」の過程は一つの「線」の如くつながっているのだという。本書はその線はどうなっているのかという、いわゆる「ライン学」と呼ばれる観点から森羅万象の進化について取り上げている。断っておくが、決してSNSツールの「LINE」ではなく、進化の過程における「線」を表している。 第1部「結び目をつくること」 「ライン」とひとえに言 […]

猫の精神生活がわかる本

猫はかわいい生き物である。もっとも自分自身も好きであり、野良猫を目にしただけでも幸せな気分になってしまうほどである。その猫はいったいどのような精神を持っているのか、そして野良猫、さらには飼い猫はどのような精神なのか、そしてどのような人生なのか、猫にまつわるあらゆる精神と生態を読み解いているのが本書である。 1章「雪の日に現れた子猫」 猫を飼うというとどのようにして飼うのか、捨て猫を拾うこともあれば […]

なぜ蚊は人を襲うのか

もう季節はずれとなってしまっているのだが、夏になると蚊がうじゃうじゃ出てくるシーズンであり、なおかつ刺されないようにするのにも一苦労である。しかもその蚊は疫病を運ぶものとして世界中からも忌み嫌われている。 最近のニュースではアメリカが「蚊で蚊を駆除」をする研究が行われたという話があった(朝日新聞「「蚊で蚊を駆除」米で承認 子孫残させず群れの数減らす」より)。その蚊はなぜ人を襲い、病気を運ぶのか、そ […]

スピンク日記

スピンクと言う名前は珍しいのだが、それは本書の表紙にある犬の名前を表している。ちょうど耳に当たる部分がピンク色をしていることから表しているのかも知れない。 そのスピンクと主人との付き合い、なおかつ犬の生態とともに、どのように飼っていたのか、著者と犬との関係と出逢い、さらにはエピソードなどふんだんに織り込まれているエッセイ集である。 犬は忠実な生き物のように見えて、人間にないかわいさと滑稽さが織り交 […]

タコの教科書

タコと言うとたこ焼きなどの料理や刺身などの料理の材料にもなり、なおかつ代表的な海の生き物の一つとして挙げられる。しかし国によっては悪魔の化身であったり、悪魔の魚と呼ばれたりするなどして恐れられていた。もっともタコはどのような生態なのか、どのような料理なのかについても併せて取り上げている。 01.「タコの身体」 タコの身体は何体である一方で、8本足には吸盤があるため、その吸盤に触れるとなるとものすご […]

おしゃべりな貝―拾って学ぶ海辺の環境史

「私は貝になりたい」という作品を思い出した。もっとも映画やテレビドラマなど様々な作品で展開していったのだが、元々はBC級戦犯となった加藤哲太郎が遺書として遺した「もう人間には二度と生まれてきたくない。生まれ変わるなら、深い海の底の貝になりたい」と書かれたことがきっかけである。理不尽さも何もなく大人しく住む貝でありたいという願いから書かれたのだが、もっとも「貝」はおしゃべりであるという。 考えていく […]

群れは意識をもつ

私自身群れることはあまり好きではない。それは個性を失うというのもあるが、それ以上に感情や考え方、個々のある価値が蹂躙され、人間ではなく、「組織」という名の中の一種の人形・ロボットと化してしまう危険性があるためである。 私事の話はさておき、人間に限らず、動物によっても「群れる」ことによって活動する種類も少なくない。しかしなぜ「動物」は群れるのか、そしてその「群れ」の中には本書のタイトルにあるように「 […]

生物に学ぶイノベーション―進化38億年の超技術

人間を含めた生き物も、社会も同様に日々「進化」を遂げている。その遂げている進化はどこから来ているのか、それは生物の進化にヒントがあるという。ではどのヒントをどのようにして活かしていけば良いのか、本書はそれについて伝授している。 第一章「生物の形をまねる」 あらかじめ言っておくが、本章で取り上げている「まねる」は実際にその生物になりきるというわけではなく、生物の生態を利用して社会の利器に活かすことを […]

クマゼミから温暖化を考える

「地球温暖化」の話はもう何十年も前から言われ続けてきており、未だに議論の対象になっている。もちろん温暖化を解決することは一筋縄ではいかず、原因も多岐にわたる。本書もまた原因を追求する一手段としてクマゼミを取り上げているが、ちょうど夏の時期であるだけに、クマゼミを取り上げるのは旬といえるのかもしれない。 第1章「近年に見るセミの変化」 大阪をはじめとした西日本で最近クマゼミが増えているのだという。そ […]