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短編集

消えていく日に

私自身、独身であるため、1人でいる時間はけっこうある。もっとも結婚をしたとしてもできる限り1人でいる時間をつくることをめざしている。1人の時間は寂しいように見えて、自分自身で楽しめるようなもの・こともたくさんできたことにより、1人だけでも寂しいと言った感情は少ない。 本書はそんな1人の時間について綴られた短編集であるのだが、料理・ファッション・記念日・日常など挙げるだけでもきりがない。 本書を見て […]

竜宮城と七夕さま

本日7月7日は七夕である。織姫と彦星がまさに出会うようなロマンティックな一日であるのだが、織姫も彦星も恥ずかしがり屋なのか、ほぼ毎年雨が降る。しかし例外はあり、数年~十数年に一度は晴れることがあり、時として天の川がキレイに映ることがあり、七夕らしさが映える夜になる。元々七夕は中国大陸にて生まれ、奈良時代に日本へ、行事として伝わり、いつの間にか伝承としてできたことにある。 七夕における織姫も彦星にし […]

海の乙女の惜しみなさ

本書は短編集であり、表題を含めて5編収録されている。その5編は舞台も境遇も異なるとは言えど、共通している部分として「どん底」という言葉がある。その「どん底」が海にもそれぞれあるのだが、そこが深い所を意味している所から「海」を連想できる。 ちなみにそのどん底としてはアメリカ的な考え方や精神から来ているものが多い。またそのアメリカ的な精神と、それぞれの主人公はそれなりの年齢であるため、「老い」と「死」 […]

産む、産まない、産めない

出産は女性にとっては一大事のことである。もっとも結婚するとそれの選択肢が迫られることも往々にしてある。もっとも少子化が進んでおり、なおかつ世代を残すための重要なことであるのだが、子どもを産みたいと考えている女性もいれば、自分の意志で産まない選択をする女性、その一方で心的、あるいは身体的な理由から出産することができない女性もいる。そのことから出産に対して上記の3つのパターンがあるのかもしれない。 本 […]

駐在日記

警察の「駐在」というとミステリーのようなイメージを持ってしまうのだが、本書は決してそうではなく、駐在警官と地域住民との暖かな関わりを描いた物語である。 短編集ではあるのだが、連作であり、駐在警官が様々な人と触れ合うことによって、多かれ少なかれの事件はあるものの、殺人事件と言った重いものではなく、心温まるような出来事に遭遇すると言った、いわゆる本当の意味での「日常」が描かれている一冊である。 もちろ […]

ヴィオレッタの尖骨

本書は短編集と言うべきか、中編集というべきか悩むところである。短編集であれば20ページくらいを1編としているのだが、本書は30~40ページを1編としているため、中編というにしても、ページ数が少ない。 それはさておき、本書は恋愛小説であるのだが、恋愛小説にしては絵で表現するにはR-15やらR-18にほど近いような表現がちらほらある。 少女はいわゆる「箱入り娘」や「籠の中の鳥」というような世間から隔絶 […]

少女奇譚 あたしたちは無敵

人は誰しも不思議なことに出くわすことはある。それは頻度・度合い関係なく、である。本書はその中でも少女たちが多かれ少なかれ「不思議」なことに出会ったことを綴った短編集である。 日常から非日常へと移り変わる刹那、少女たち自身の意識も変わっていく。秘密を持ちながらも、「無敵」と思えてしまうのだが、少女たちには荷が重いような運命も起こり当て、それを乗り越えていく描写は何とも言えなかった。 現実からかけ離れ […]

おとぎカンパニー

世の中には色々なおとぎ話がある。そのおとぎ話は実際の所残酷な話を上手い具合にデフォルメにして子どもも楽しめるようにしたためているものが多くある。 そのおとぎ話を「会社」に見立てて、物語にした短編集というよりも「ショートショート」と呼ばれる超短編集にしたのが本書である。おとぎ話の「夢」の側面と、会社や社会と言った「現実」の側面を如実に表しているような気がしてならなかった。 もっとも会社をショートショ […]

グローバライズ

本書のタイトルなのだが、どうも「グローバリズム」を捩っているようにしか思えない。そもそも世界的・地球規模を意味しているのだが、そういった小説はなかなか見つからない。 もっとも本書は短編集であり、世の中のありとあらゆることなどを短編にして、一冊にまとめ上げている。しかしながらジャンル自体が多岐にわたっており、中には日本語で書いていない所もある(ちなみに何語で書いてあるのかは本書を見るとすぐ分かる)。 […]

怪談のテープ起こし

何度か知り合いに頼まれて講演や打ち合わせなどのテープ起こしを行ったことがあるのだが、聞いた内容を文字にすると言った単純作業がテープ起こしである。しかし本書のタイトルを見ると「やりたくない」と思ってしまうようなものである。 本書はおどろおどろしいような怪談をいくつか収録している短編集であるのだが、一つ一つの物語に怖いところが散りばめられており、背筋が寒くなるような感情に陥ってしまう。 実際にその物語 […]