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社会

黒い紙

「総合商社」というと、本当の意味で「ありとあらゆる」もの・ことを取引している会社であるのだが、販売対象はもちろんのこと、取引対象も様々である。大手であればあるほど、その対象の幅も広がり、海外にまで目を向ける企業も少なくない。 本書で取り上げている総合商社はまさに世界各地で商売をしている会社であり、中には「不適切な関係」となったことがある。その関係について取り上げた文書が届くのと同時に、脅迫文書が送 […]

社会学 – わたしと世間

「社会学」と言うととっつきにくいように見えて、私たちの生活に密接することが多々ある学問である。もっとも「社会現象」といった家族やコミュニティ、さらには時事的な要素に至るまで社会学的に読み解くことができるためである。もっとも「世間」や「空気」を考察することもまた「社会学」の要素として挙げられる。 本書はその「社会学」とはいったい何なのか、その定義や学術的な研究も含めて読み解いた一冊である。 第一章「 […]

だから、居場所が欲しかった。 バンコク、コールセンターで働く日本人

東南アジアとして最も栄えている国の一つとしてタイ、その首都であるバンコクにて働く日本人がいる。本書で取り上げる日本人たちは日本において、生きづらさ・息苦しさなどを体験し、居場所を求めて渡った方々である。その方々がタイにてコールセンターにて働いているのだが、なぜタイへと渡ったのか、そこには他人には言えない「理由」があった。その「理由」と現在について働いている方々を映し出したのが本書である。 第1章「 […]

不機嫌は罪である

私自身、色々な場所へ出かけることがあるのだが、道中において「不機嫌」な人を見かけることもザラにある。もっと言うと不機嫌どこか周囲に怒鳴り散らすといった人も見かけたことも1回か2回ほど。私自身の環境が変わったのか、それとも日本そのものの環境が変わったのか不明だが、不機嫌な人を見かけることも少なくない。 もっとも私自身も不機嫌になることがあるのだが、著者はその「不機嫌」になることはむしろ好ましいことで […]

欲望する「ことば」 「社会記号」とマーケティング

私自身、書評家であることから「言葉」を文面で紡ぐことが大いにある。もっとも自分自身も言葉に関して敏感であるのだが、保守的な側面と言うよりも、新しい言葉を見つけたがる。そのせいか新しい言葉を見つけたがるという「欲望」がある。そのことばにおいてマーケティング的な要素、あるいは社会におけるメッセージなどありとあらゆる意味を持つ。本書はその「言葉の変化」と社会的な意味合いについて取り上げている。 第一章「 […]

2049 日本がEUに加盟する日 HUMAN3.0の誕生

株式会社オトバンク 上田様より献本御礼。 タイトルからして素っ頓狂のような印象を持ってしまうのだが、今から30年後の日本を予測している一冊である。今から30年前、私たちの生活の30年後、つまり2019年にはどのような形になっているのかという予想があったかもしれないのだが、おそらく完全にあたった人はいない、もしくはいても何人かくらいであろう。 本書もその類いなのかもしれないのだが、もっともEUは「欧 […]

自殺の歴史社会学―「意志」のゆくえ

3月は自殺対策強化月間である。日本では今もなお毎年3万人もの人が自殺する。その自殺の要因として様々なものがあるのだが、様々な角度から「厭世(世の中を嫌がる、絶望する)」を思ってしまい、自殺するような傾向も少なくない。少し物騒かもしれないのだが、本書はその自殺はどのような歴史を辿ってきたのか、20世紀から現代に至るまで、どのような理由にて自殺したのかを紐解いている。 第1章「自殺を意志する―二十世紀 […]

ギロチンハウス―課長 榊江梨子の逆襲

タイトルからして物騒なものである。処刑台かと思いきやある会社の「閑職」と言われる所であり、なおかつ「追い出し部屋」と呼ばれるところであるという。通称「リストラ小屋」と呼ばれており、リストラを待つのみとしている人びとが配属されるところであるという。 本書はそこに配属された3人が、逆襲をするという物語である。そう考えると社会派小説のように思えるのだが、その中である「事件」が起こる。その事件の真相を紐解 […]

なぜ働き続けられない?―社会と自分の力学

「働く女性」がだんだんと増えてきている。また活躍をする事もまた然りであるのだが、実際には「非正規雇用」が男女にかかわらず、増えてきているという。しかしながら未だに女性が活躍できない、また正社員でいることが難しいと呼ばれる時代に働き続けられない要因があるという。本書は女性が働き続けられない理由にフォーカスを当てているのだが、それをもとに男女問わず働き続けられない要因を探っている。 Ⅰ.「いま、起きて […]

野良ビトたちの燃え上がる肖像

差別や貧困、そしてそこから来る「格差」を如実に表されている一冊である。東京都と神奈川県の県境にあるとある河川が舞台となっているのだが、そこではホームレスたちのたまり場であった。しかもその舞台では様々な差別があるという。 本書はその一つ先の未来の「もしも」を描いており、なおかつ、ネガティブな意味での「もしも」を描いている。しかもその「差別」や「格差」のありようは、本来であれば社会問題になるほどの差別 […]