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考察

問いの立て方

「問い」というと、テストなどの問題を連想してしまうのだが、本書で言うところの「問い」は、様々な研究において、考えるべき「命題」という意味合いが強い。特に哲学の側面ではこの「問い」に対して、どのような答えを結びつけたら良いのかがあるため、答えを良くする前に、「いい問い」と呼ばれる、考察や回答の側面で答えやすい、あるいは深い答えを導き出すための「問い」を出すことが求められる。 そう考えるとある種の「質 […]

三途の川の七不思議

人は死ぬと三途の川を経由して死の世界に旅立つと言われている。もっとも三途の川は宗教的な観点で見られることが多く、古くは中国大陸にてつくられたお経から始まっている。もっとも三途の川というと「死」を連想づけられるのだが、著者はその三途の川について医学的な観点でメスを入れた。 第1章「「三途の川」とお花畑の不思議」 お花畑というと頭が理想ばかりで浮き足立ち、なおかつ現実を見ない人のことを表しているのだが […]

脳に刻まれたモラルの起源――人はなぜ善を求めるのか

モラルは簡単に言うと「倫理」、人間としての行動・考え方における「善」そのものを指している。その指している「善」のあり方はどこに来ているのかというと行動や思考を司る「脳」のあるとも言える。しかしその「脳」がどのようにモラルをつくり上げ、刻んでいくのか、本書はそのことについて取り上げている。 1.「善悪という主観の脳科学」 善悪の分別は元々哲学や倫理学といった学問で行われるべき学問だが、本書はあくまで […]

ガストロノミ―美食のための知識と知恵

美食の世界で「ガストロノミ(ガストロノミー)」というのがある。「ガストロノミ」は辞書で調べてみると「美食学」と書かれており、料理を基軸にして文化などの関連性を考察するという学問である。そもそも「ガストロノミ」はいつごろからできて、なおかつ「ガストロノミ」は食と社会にどのような影響をもたらすのか、そのことについて迫っている。 第一章「ガストロノミと食物摂取との違い」 「ガストロノミ」という言葉が生ま […]

テレビドラマを学問する

私自身最近テレビドラマは全く観なくなったのだが、学生の頃は気に入ったテレビドラマを視聴する事があった。最近全くドラマを観ない私でも昨年は「あまちゃん」や「半沢直樹」のフィーバーぶりはよく知っており、流行語が生まれるほどだった。現在も連続テレビ小説「マッサン」が話題を呼び、ウィスキーブームの様相を見せている。 テレビドラマはおろかテレビをあまり見ない私が本書を取り上げるのもどうかと思うかもしれないが […]

退屈 息もつかせぬその歴史

人は誰しも「退屈」になることがある。もちろん私でも年に何度かは「退屈だ」と言える様な勘定に陥ることがある。しかしその「退屈」と言う感情をネガティブに思ってしまうのは子どもの状態(肉体的と言うよりも精神的に)であり、大人になってくると暇つぶしの道具が充実しているので退屈になる事がほとんどと言ってもいいほどない。そう考えると今の世の中は充実しているかもしれない。 今の話はそこまでにして、退屈の話が出て […]

男らしさという病?―ポップ・カルチャーの新・男性学

先日「男性学の新展開」と言う本を取り上げたが、本書はその中でもマンガ・アニメをはじめとした「ポップ・カルチャー」を中心に取り上げている。 そもそも「男らしさ」について考察を行い続けてきた「男性学」なのだが、その「男らしさ」と言うところを「男性性」としてとらえており、それについてどのようなものなのかを考察する学問である。 第1章「現代日本の大衆文化における「女性の男性性」―オルタナティヴな男性性のあ […]

美の生理学―人はなぜ美しさを求めるのか

「生理学」と言う学問はあまり聞き慣れない。むしろ本書に出会うまでは一度も聞いたことがなかったと言っても過言ではない。そもそも人間として「生理」というのは必要なものであるが。けっこう女性の意味合いで取られることが多い。本来生理は辞書で引いてみると、 (1)生物体の生活現象と生活原理。 (2)月経。(「広辞苑 第六版」より) とある。本書はその中でも(1)の意味を求める学問だが、その生理学は「美」と密 […]

共生社会とナショナルヒストリー~歴史教科書の視点から

本書のサブタイトルには「歴史教科書」がある。これは現在火種となっている日・中・韓のなかで「歴史認識問題」挙げられる。この「歴史認識問題」は歴史の教科書にどのようにして書けば良いのか、という「教科書問題」にも通じている。国語もそうであるが、歴史は日本人の辿った道、文化、事件を知り、日本人としての素養を育む上で最も重要な学習科目の一つである。 本書は歴史認識問題、及び歴史教科書問題の経緯と本質を知ると […]

笑い ─ その意味と仕組み

人は誰しも「笑う」ということを行ったことはあるだろう。「笑い」と言うのにもいろいろな種類があり、口を開けて大きな声で笑うものや、唇の口角を上げるだけの「笑い」もある。どのような形でさえ「笑い」は「笑い」である。 人はどのような時に「笑う」という感情が起こるのだろうか、そして哲学的に「笑い」という感情が考察され始めたのはいつで、どのように思索は変遷していったのか。本書は人間の基本的感情である「笑い」 […]