TAG

落語

仕事に幸せを感じる働き方

あさ出版様より献本御礼 本書の著者に初めてお会いしたのは2月の半ば、とあるセミナーのことであった。当初は「笑福亭鶴瓶の兄弟子」という言葉が印象的であり、後々出版されると言うことを聞いたことがある。満を持って出版された本が本書である。 仕事や会社に関して不満を持ち転職を繰り返す人は少なくない。現在のように「就職難」と呼ばれる時代であっても、である。 そもそも、「「仕事」とは何なのだろうか?」「「働く […]

もっと知りたい上方文化―過去と現在を訪ねる

上方文化として代表的な物を挙げるとしたら、落語と歌舞伎、さらには宝塚や浄瑠璃などがある。他にも「文化」という括りで行くと「茶の湯」も古都・京都から来ており、漫才も大阪流の物は今でも衰えを知らない。 さて最初に挙げた落語や歌舞伎では代表的な人物として、落語では三代目桂米朝、歌舞伎では四代目坂田藤十郎がいる。とりわけ坂田藤十郎は江戸の市川團十郎と並んでの大名席である。市川團十郎は「荒事の名手」と呼ばれ […]

志ん生の昭和

落語界において「昭和の大名人」と呼ばれる人物は2人いる。一人は八代目桂文楽、そしてもう一人は本書で紹介する五代目古今亭志ん生である。両者とも芸の流儀が政局胆であり、文楽は全くといってもいいほど几帳面で、一字一句完璧に仕上げており、志ん生は江戸の言葉でいうと「ぞろっぺいな」と呼ばれる芸風、天衣無縫や「面白ければいい」というような印象である。しかしこれは売れない時代に苦心の末、磨きあげた芸風であり、緻 […]

人生の醍醐味を落語で味わう

「落語」は江戸時代に能・狂言から派生してできたとされている。言葉と扇子・手拭いでもって人間味や情緒、滑稽さを言葉を使って表現するのだから日本語の可能性を見いだすことができ、なによりも面白い(泣きも笑いも含めて)。落語は言葉ばかりではなく、人生において大切なことがぎっしりと詰まっており、噺の数だけ面白さのパターンがある。本書の著者である童門冬二氏もまた落語に魅せられた一人であり、これまでも落語にまつ […]

えんぜる―夢丸新江戸噺

噺家の三笑亭夢丸が公募落語大賞にて入賞された作品を演目にかけたという「夢丸新江戸噺」を収録した一冊である。 本書のそでに解説は書いてあるが、「夢丸新江戸噺」は古典落語の保護と創成を目指すために設けられた公募対象である。2001年から始まり、今年で8年経つ。 「夢丸新江戸噺」自体は初めて拝見することになるが、本書とともにCDも聞いてみたくなる(出回っているので買えないことはない)。 本書は10席取り […]

平成落語論─12人の笑える男

今月8日に林家いっ平が「二代目林家三平」を襲名した。1980年に初代三平が急逝して、約28年もの間空位となったこの「三平」の名前が復活する。ちなみに初代三平はご存じのとおり「どうもすいません」「体だけは大事にしてくださいよ」という名セリフがあるが、二代目はそれよりも古典落語に比重を置いているという。私自身落語は聞くが二代目三平の落語はまだ一度も聞いたことがないのでどういった落語かというのは説明でき […]

極上 歌丸ばなし

もはや「「笑点」の顔」とであり、落語芸術協会の会長であり、ついこの前まで肺気腫で入院していた桂歌丸の自伝である。本書が発売されてまだ間もない時に笑点で本人が宣伝していた時に三遊亭楽太郎が「遺書ですか?」と言ったそうだが、笑点を見ている限りではあと30年は大丈夫だろう。 第一章「生まれ育った真金町」 八代目桂文楽が「黒門町」、三代目古今亭志ん朝が「矢来町」と言われるが如く、桂歌丸も「真金町」でまかり […]

親馬鹿力のおかげです―福を呼ぶ、人の育て方

「気をつけろ 黄色い着物が やってくる」 一昨年の秋に林家木久扇・木久蔵のダブル襲名し、名実ともに「馬鹿親子」をほしいままにした。「笑点」見ている人であればわかるだろう。 本書はその親子の生い立ちと共に木久扇の子育て指南をする一冊である。「抱腹絶倒!」とまではいかないが、面白おかしく書かれており、今の子育ての現状にたいして暗に一石投じるようであった。 第一笑「こんな親だけど、よろしく」 ここでは木 […]

圓楽 芸談 しゃれ噺

2006年春に五代目三遊亭圓楽が笑点を引退、それと同時に落語界からも一線を退いた。私は圓楽の落語はCDでしか聞いたことがないが十八番の「浜野矩随(はまののりゆき)」や「中村仲蔵」であれば聞いたことがある。圓楽の話を一言で言うと芝居噺を聞いたことしかないせいか「迫真」と言うほかない。今度は圓楽の人情噺、とりわけ涙を誘うような噺を聞いてみたい。 それはさておき本書は三遊亭圓楽の生い立ちについてつづられ […]

江戸っ子の教訓

噺の中には人生訓を学ぶことができる。本書は噺家の桂小金治師匠(もともと真打にはなっていないが、「師匠」と呼んでも差し障りない)が自らの半生を交えて江戸っ子、もとい元々日本人にあった粋や礼儀、人情といったものを綴った渾身の一冊である。 第一章「江戸っ子の人情」 著者が二代目桂小文治に入門してから前座時代で体験した人情、「怒りの小金治」として名をはせた「アフタヌーンショー」時代でのエピソードまでの人情 […]